桃源庵 (仮)

浅井 ことは

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どうやって?

言おうとしたが、密集している木々の間をすり抜けるように歩く男性の後について行くのが精一杯で、急な坂道に見えるのに、平坦な道を歩いているかのような感じで山を登っている感じがしない。

「一体どうなってるんだ?」

「詳しいことは後で。まず、ここから鳥居まで行きます」

「でも道がないんじゃ」

「ここは人からは見えなくしてあります。そして、密集した木々は急な山にそびえ立つように生えています。勘の良いものでもこの中だけは感じることは出来ても入っては来れなくなっていますが、時折迷い人はきます」

「迷い人?」

「そんな時は何事も無かったと言う暗示をかけ、山をおりてもらっていますよ」

器用なことができるんだなぁ。
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