天満堂へようこそ 2

浅井 ことは

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「お、お前……聞いたことがあるぞ?人間界ではこういうのボッタクリって言うんだろ?ここまで店も落ちたのかー。もう閉めて帰って……」

ムギュッと口をつねられ、なにも言えなくなるルーカス。
目だけで助けろと言っているようなのでユーリと共に宥めるが、一行に機嫌はよくならない。

「お前は子供か!」となんとか逃れたルーカスだがゼイゼイ言っている。

「姫も無茶言いすぎです。ですが、あのおばさま達に買わせたいんでしょう?ビラはもうできてるんですか?」

「おぉ、リアムちゃんはいいこでちゅねー」とビラの束を渡す。

ルーカスを無理矢理たたせ行ってきますと出ていった。

「なぁ、ユーリ、あのリアムが怒らずに出ていったぞ?なんか怖くないか?」

「当たり前です!それにあの鍋実際いくらで作ったんですか?というよりはいつの間にと言った方が早いですが」

「天・幻界に行ったときに使いを出しておいた。元手は1セット20幻通過。こちらでの値段に直すと約5万円だな。だから大体29万としても、手間賃入れて23万上乗せしたところで何が悪い!」

「ですからそれが……」

「いいんだ。本日即完売だからな」

*****

「良いですか?姫に何を言っても無駄です。
このチラシとやらは厄介なのでこうしたら良いのです」

そう言い駅の入り口の屋根の上に乗り、ビラを捨てる。

「お前ばれたら……」

「さて、行きましょうか。あの集団の中に少しいれば良いでしょう」

「行くのか?俺は苦手だわ」

「あなたも同じ命は受けているはすですよ?ルーカス。奏太さんを連れてくるようにと。ですが出来ないでしょう?だったら、また姫に巻き込まれたとなった方のが良いのではありませんか?」

「まぁな。あの薬も効きゃいいんだけど、人間にしては珍しい体質だからな。興味を持たれるのも仕方がない」

「お気づきでしたか?彼は姫と体質から良く似ています」

「あぁ。親父達が欲しがるのも無理はないってな!よし、行くか!」

そう言って二人は駅の前に姿を表し、おばさまの餌食に。


*****

あー、頭がいたい。
何なんだあの薬は!

「気づかれましたか?具合はどうですか?」

「頭がいたいですけど……」

「これを飲め!」

「い……いやだ!」

「ユーリ押さえろ」

はい、と押さえられ、薬が飲みやすいように口まで開けられる。
液体を流し込まれ、蒸せているとすぐに頭の痛みがなくなった。

「あれ?もう痛くない」

「当たり前だ。誰が作ったと思ってる!にしても、少しは消えたか?」

「え?」

「匂いだ!お前はなんだか効きづらいようだな」

「そんなこと言われても……ってなにこのチラシ」

テーブルにおいてあるチラシに目が行く。

あの鍋らしきものの写真と、仕様に値段。
現金のみでの販売になりますので、カード等一切使えません?なんだこれ?と結月を見る。
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