八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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夏祭り

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結局聞けたのは、祭りの神輿が到着すると同時に、祝詞があげられ、その時に天宇受売命 あめのうずめのみことが本殿の上で舞を舞うという話がメインだった。

あれ?

天宇受売命って、天鈿女命とも書いたような……

「翔平よ、漢字には拘らんでもいい。何じゃったか、古事記と神話と違うのだろう?」

「あ、はい」

「おい、ジジイ!聞いてないぞ?ウズメが来るなんて!」


ちょっと待て迦具土!

呼び捨てかよ!

「話したら怒るじゃろう?それに、急に決まったんじゃ。ウズメちゃんが、暇だからって言い出して……」

「止めろよジジイ!」

「そう言われても、儂も急に言われたんで策が無くて……そしたら、物の怪が集まるわ、合体するわ、こちらも大変だったんじゃよ」

合体ってロボットか!

俺が聞きたいのはそこじゃあない!

なんで踊る人が来るだけで大騒ぎになってるんだ?

俺が見た写真は、お亀ひょっとこみたいな顔をした、頭に布をまいて、畑仕事をしてるような姿の銅像だぞ?

そのことを伝えると大笑いされ、祖父が違うと言いながら本を出してくれる。


「まぁ、これも違うがな」

「大国さん、それじゃあ分からないんですけど……」

「なんだっけ、ほら、天岩戸に隠れた時に裸で踊ったとか何とか……」

「兄貴……マジ?」

「違ったか?」

「あながち間違いでもないかの。多少の布は纏っておった。面白おかしく踊る姿を、天照大御神 あまてらすおおみかみに見せねばならんだから。あの時は本当に苦労したわい。なんせ、須佐之男が……」

「八意、その話長いからやめろ」

「えー、大国さん、俺聞きたいのに!」

「今度書物を貸してやる。それより明日が祭りだ!あの様なやからは、活性化した気に寄ってくる。アホだからな!」

「それであの化け物?」

「化け物と言うより集合体と言うか……元々力のあるやつに取り込まれて大きくなったものもいれば、封印が解けたもの、退治できてなかったものだ。雑魚は寄ってきただけで、そういったヤツらの餌みたいな物だ」

「餌って……」

「じゃあ、俺と翔平はその雑魚を片付けてたらいいのか?」

あ、兄貴。

大国さんに一応敬語……な分けないか。

「そうだ」

気にしてないし……

「石長と純平は、石長と回ってくれ。翔平と迦具土は祖父母殿の護衛!と言っても、わざわざ見回ってますって感じだと警戒されるから、普通に楽しんでくれていい」

どっちだよ!

そう思いつつも何だか言いにくそうに言葉を濁すのであんまり聞かない方がいいのかもしれない。

「大国様、やっぱり俺は別行動でもいいと思うんですけど」

「昼はいいが、夜はダメだ。もしもの時は俺の屋敷に連れてこれるのはお前だけだからな」

「兄貴は?」

「石長が連れてこれるから心配ない」

「大国さんの屋敷に行くってことがやばいこと起こりそうで怖いんですけど」

「え?え?いや?なんにも起こらん……筈だ!」

その言い方がとても怪しすぎるんですけど……
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