八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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救出!

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テチと『せーの』と言いながら、グッと力を入れて引っ張ると、やはりテチの力が凄いのか少しずつ動き始め、少しずつ刺さっている棒が見えてくる。

長さがどのくらいあるのだろうと思うが、仏像の幅を考えるとそんなに長くは無いだろう。

「翔平、棒を支えろ」

「え?はい。え?なにこれ……」

だんだんと抜けていくと同時に、穴が広がり始め、真っ黒と言うよりも、漆黒の……禍々しい感じのものが出てきだし、穴がどんどんと広がって行く。

「そのまま……持ってろよ」

「おい!まさか……」

迦具土が言うのが早いか、大国さんが手を入れるのが早いか……

段々と大国さんの両手がどんどんと中に入っていく。

「テチ、出てきた!そっち行ったものは何とかしてくれ」

そう言いながら迦具土はまるで喧嘩でもしているように、出てくる黒いものを殴り倒しているが、それでも間に合わず、テチの足元にも、自分の足元にもまとわりついてくる。

「うわぁぁ気持ち悪い!ゾワゾワする」

「我慢しろ。鈴持ってるんだから蹴飛ばせば離れる」

迦具土に言われたように足ではらいのけると簡単に消えていなくなるものもいるが、黄色く光る目のようなものと目が会った瞬間、あまりの気持ち悪さに片足をブンブンと振り回し、大国さんに「ちゃんと持ってろ」と叱られてしまう。

そうは言われても、気持ち悪いものは何ともならない。

頭が穴の中に入っていき、上半身も半分ほど仏像の中に入った大国さんの足がじたばたと動くので、迦具土が大国さんの腰を持って安定させると、片手でポンポンと仏像を叩くので迦具土が引っ張り出し、大国さんが出てくると同時に穴が小さくなり始める。

「迦具土、手を入れてくれ。俺の手の先に石長がつかまってる」

ズボッと中に手を入れた迦具土が、「なんで片手なんだよ!!!」と文句も言うものの、「半分の手で純平の魂を持ってるんだ!」と言い、二人でなんとか石長さんを出すと同時に、消えてなくなりそうな穴目がけて棒を突き刺す。

仏像の頭に刺すなんて一生のうちにやったの俺ぐらいじゃないか?

「こ、これを……純平さんに……」

「迦具土、石長を連れていけ。後は八意が何とかする。翔平、テチ、来るぞ?外に出ろ」

「いや、出ろってどこから?」

「あ、そうだった。迦具土早く行けそしてとっとと戻ってこい!」

そういった後フッと景色が代わり夢殿からでたことまではわかったが、空を覆い尽くすほどの物の怪に、自分たちの周りも物の怪だらけ。

「木刀を使え。ほら、弓みたいな変なやつ想像したら、木刀がそのような形になる。それで振り回せ!あ、鈴も鳴らせ!」

どっち?

辺りをキョロキョロと見ると、テチも戦っており、珍しく大国さんも文句を言いながら倒していっている。

頼むから何とか衆出てきてくれよと願いながら鈴を鳴らすと、何も起こらない。

「何にもならないじゃんか!」

そう言いながらも「来るなー!俺のところに来ないでくれ!」と木刀を振り回していたら、いつの間にか薙刀のようになっており、それで近づいてくるものをとにかく払い除ける。
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