八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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石長比売の決断

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祖父は既に座っており、玄関からはまだ騒がしい声が聞こえてくる。

いつまでイチャついてるんだ……

「翔平、まぁ座れ」

俺の家だから座りますよ?

「純平の事なんだが、石長の早とちりと、純平の解釈の違いがあるのが分かってな。お前さえよければ、石長が姉となる」

「はいー?本人達揉めてますけど?」

「いや、あれは揉めてるのではなく、石長なりに気持ちを伝えておってだな……。あー、直ぐにでは無いぞ?石長は神気を返上すると言ったが、それをすると、この家との関係も立ち消えてしまうからな。石長にはまずしっかりと神気を戻してもらってから、婚姻後に出稼ぎに行ってもらうことにした」

「出稼ぎじゃなくて、パートみたいなもの?爺ちゃんもちゃんと教えてよ!」

「聞いてると面白くてな」

「で、それでも神気をと言うので、それは純平に説得させる。勿論純平には寿命が来る。それを承知でならと石長に話したら、暴れるわ怒るわもー大変でな」

そうでしょうね。

大国さんの説明分かりにくいから……

申し訳ないなと思いつつ、兄と石長さんを呼びに行き、お茶のポットごと持って居間に行ってみんなにお茶を注いで回る。

「兄貴、寿命の事とかなんだけど……」

「まぁ、俺はしわくちゃ爺さんになるな」

「そうなんだけど……」

「わ、わわ私は、共に生きてと何度も……」

「石長、それは無理だと何度も言っただろう?あまり無茶を言うと婚姻させないぞ?」

悲鳴にもならない声を上げ、もう気絶するんじゃないかと言うくらい驚きまくってる石長さんが不憫でならない。

「純平、お前の決めることだ。石長さんは神様だからこのまま変わらない。お前は歳をとる。それでも愛していけるのか?」

「勿論。ただ、神様って見た目変えれるからさ、そのままでいいって言うのに、一緒にいる間は同じように自分も老けたように見せて行くって言うから止めてたんだよ」

「そのくらいなら構わないんじゃないのか?いつでも元の姿に戻れるんだし。あ、老けてもいいが、祭りの時は元に戻れよ?」

そう言いながらご飯の前だと言うのに駄菓子を頬張る大国さん。

炊飯器を持ってきた迦具土が、みんなの茶碗などを出し始めたので手伝おうと出し始めたら、おかずを運んできてくれと言われたので台所へと行き、お盆に煮物と乗せられるだけの鯛の塩焼きを乗せたお皿を置いて持っていく。

残りを祖母が持ってきて、ご飯をお茶碗に注ぎ出したので、迦具土が味噌汁の鍋を持ってくるのを待ち、とりあえず座って欲しいと石長さんに座布団を勧める。

「わ、私もなにか手伝う事は……」

「良いんですよ。本当ならまだ寝てないといけないんですから、座っててくださいな」

そう言ってみんなに茶碗を渡していくのだが、大国さんの子供用のお茶碗にはいつもの山盛りではなく、小盛のご飯。

「そ、祖母殿……大盛り……」

「あら、大国様?駄菓子、食べてましたよねぇ?」

「そ、それは……ちょこっとだけ」

ゴミ箱を見てみろ。

ちょこっとじゃない!

しっかりと食ったゴミが捨ててある。

「祖母殿……味噌汁も少な……「おほほほほほほ」

婆ちゃん、曾孫をいじめてるようにしか見えないぞ?
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