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風の地
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「あー!美味しかった。俺夜もこれでいいかも」
「ですが、もう夕方には町に入りますよ?」
「もう?」
「結構境目にいたので。ですのでこれは凍らせておきます。そしたらまた食べれますので」
「こっちには保存容器とかないの?」
「まず、冷蔵庫がないですし、取っておくことがほとんど無いですね」
「幻界も同じです。冬の場ならば寒いのでスープ位はとっておけますが」
「そうなんだ。町には何の位いるの?」
「まずは1日。前より大きい町と言っても何も無いので。それにここではこの先の街、奏太様が覚えている街について少々聞いて回りたいくらいなので、私は夜に町の酒場で話を聞いてきます」
「結構路銀も使いましたが、売れますか?他の物の皮は……」
「一つゴリラ見たいな魔獣の皮が高値で取引されますので、大丈夫です」
「ゴリラ?そんなのとも戦ったの?」
「はい。見た目はゴリラのようでしたが、毛むくじゃらで気持ち悪かったです……」
「クキョッ?」
ジャガイモをつついていたブランが、キョロキョロと周りを見ている。
「どうした?」
「なんでもないと思う」
そう言ってまた食べているが、目では確認出来なかったから言わなかったのだろう。
犬車に乗ってからも時折外を見ては、変な鳴き声を出している。
「なぁ、何かいるのか?俺、お化けとか苦手なんだよ」
「臭いがしたからなにかいると思ったけど、見えないから分かんない」
「そっか……まだそんな感じする?」
「今はないよ?」
「いたら教えてくれよ?見えてないのが一番嫌だけど」
「うん、僕達は戦わないから、いつも逃げるんだ。だから音や匂いには敏感なんだけど……」
「見えないから分からないんだろ?」
そう言ってごろっと寝転んで天井を見ると変な形にへこんでいる。
ブランをつつき、頭上を指さすと小さくなりポケットに逃げ込んできた。
「ノア、ニコルさん」と頭で話しかけ天井に何かいると話す。
返事はなく、代わりに悲鳴が聞こえてきたので、慌てて御者台に移動する。
幌の真上で一人の男が降参と手を挙げていて、ニコルが話を聞くと、歩くのが面倒だったので、姿を消し屋根に乗っていただけと言う。
一旦犬車を止めて、男を引きずり下ろす二人の姿が怖い……
剣を向けたまま、気配まで消して乗るのは敵のスパイと思われても仕方ないと言い、そのままそこに男を拘束したまま出発する。
「いいの?放ってきて」
「あれは身なりはそれなりでしたが、盗賊のよく使う手です。一人が監視し、離れた隙に馬車事盗むのは結構多いので。それにさしていた刀でも盗賊だとわかりました」
「他にも仲間がいたのかな?」
「近くにはいたでしょう。あのように偵察できるものは、魔力が使えるので後々厄介です」
「そうなんだ。ブランが気づいたんだ」
「お手柄です」とみんなに褒められ、荷台で走り回っている。よほど嬉しかったのだろう。
町が見えてきたと言うので、幌を少し開けて前を見ると、結構大きな町が見えていた。
門から中に入り、犬車のまま町を進む。
途中で狩ったものを売り、緑のコイン二つのところに泊まる事になり、必要なものを持って部屋に入る。
今回は個室だったので、早速浴槽に湯を張りゆっくり浸かる。
「ですが、もう夕方には町に入りますよ?」
「もう?」
「結構境目にいたので。ですのでこれは凍らせておきます。そしたらまた食べれますので」
「こっちには保存容器とかないの?」
「まず、冷蔵庫がないですし、取っておくことがほとんど無いですね」
「幻界も同じです。冬の場ならば寒いのでスープ位はとっておけますが」
「そうなんだ。町には何の位いるの?」
「まずは1日。前より大きい町と言っても何も無いので。それにここではこの先の街、奏太様が覚えている街について少々聞いて回りたいくらいなので、私は夜に町の酒場で話を聞いてきます」
「結構路銀も使いましたが、売れますか?他の物の皮は……」
「一つゴリラ見たいな魔獣の皮が高値で取引されますので、大丈夫です」
「ゴリラ?そんなのとも戦ったの?」
「はい。見た目はゴリラのようでしたが、毛むくじゃらで気持ち悪かったです……」
「クキョッ?」
ジャガイモをつついていたブランが、キョロキョロと周りを見ている。
「どうした?」
「なんでもないと思う」
そう言ってまた食べているが、目では確認出来なかったから言わなかったのだろう。
犬車に乗ってからも時折外を見ては、変な鳴き声を出している。
「なぁ、何かいるのか?俺、お化けとか苦手なんだよ」
「臭いがしたからなにかいると思ったけど、見えないから分かんない」
「そっか……まだそんな感じする?」
「今はないよ?」
「いたら教えてくれよ?見えてないのが一番嫌だけど」
「うん、僕達は戦わないから、いつも逃げるんだ。だから音や匂いには敏感なんだけど……」
「見えないから分からないんだろ?」
そう言ってごろっと寝転んで天井を見ると変な形にへこんでいる。
ブランをつつき、頭上を指さすと小さくなりポケットに逃げ込んできた。
「ノア、ニコルさん」と頭で話しかけ天井に何かいると話す。
返事はなく、代わりに悲鳴が聞こえてきたので、慌てて御者台に移動する。
幌の真上で一人の男が降参と手を挙げていて、ニコルが話を聞くと、歩くのが面倒だったので、姿を消し屋根に乗っていただけと言う。
一旦犬車を止めて、男を引きずり下ろす二人の姿が怖い……
剣を向けたまま、気配まで消して乗るのは敵のスパイと思われても仕方ないと言い、そのままそこに男を拘束したまま出発する。
「いいの?放ってきて」
「あれは身なりはそれなりでしたが、盗賊のよく使う手です。一人が監視し、離れた隙に馬車事盗むのは結構多いので。それにさしていた刀でも盗賊だとわかりました」
「他にも仲間がいたのかな?」
「近くにはいたでしょう。あのように偵察できるものは、魔力が使えるので後々厄介です」
「そうなんだ。ブランが気づいたんだ」
「お手柄です」とみんなに褒められ、荷台で走り回っている。よほど嬉しかったのだろう。
町が見えてきたと言うので、幌を少し開けて前を見ると、結構大きな町が見えていた。
門から中に入り、犬車のまま町を進む。
途中で狩ったものを売り、緑のコイン二つのところに泊まる事になり、必要なものを持って部屋に入る。
今回は個室だったので、早速浴槽に湯を張りゆっくり浸かる。
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