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第一部 春
62 ランチに誘われたメル
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下校の鐘が鳴ったから、目を覚ましました。
退屈だった授業が嘘みたいに、生徒たちは元気よく廊下に飛びだしていきます。雛鳥の巣立ちのように。
「ふう、ひとまず落ちつきましょう」
私、メルキュール・ビスコットは生まれつき足が悪いため、素早く動けません。よって、我先に帰ろうとする生徒たちに混じって教室から出るのは、非常に危険なこと。ここは、みんなが帰ってから、そっと出ていくほうが望ましいのです。
「果報は寝て待て……」
いい人生も悪い人生も、すべては運次第。だったら、私はのんびりいきます。
どうせ誰も話しかけてもきませんし。ぼっちがお似合いです、私には……。
とは言うものの、はあ、ため息が漏れちゃいます。
私は窓の外を眺めながら頬杖をつきました。
ああ、誰か私をどこかに連れてってくれないかなあ。
このままいけば、いつもどおり図書館に行って読書をする。
そんなお決まりコースで一日が終わっていきます。
まあ、別にいいのですけどね。
私なんて平凡な凡人です。こつこつと夢に向かって歩いていくしか、やることはありません。書記官になるために。
さて、クラスメイトのみなさんが帰りましたね。そろそろ、王立図書館にいくとしましょう。
「メルちゃん!」
おや? 誰かが私の名前を呼んでいます。
顔をあげて廊下を見ると、ルナ先輩がにっこり笑っていました。
どうしました? と訊くと。
「ランチいこっ! ソレイユからの招待よ」
「え? キラキラ王子が?」
「うん、なんかカフェテラスで会議があるらしくってさ」
「会議?」
「うん、でね、マリがソレイユの助言者として呼ばれたの、すっごくない?」
「あ、それは素晴らしい」
ですが……とつづけた私は首を捻りました。「なぜ、私たちも同行を?」
「えっへへ、いけばわかるよ」
さすが天然ルナ先輩、答えになっていませんよ。クスクス。でも、そんなの関係ないと言わんばかりに、グイッと私の手を引きます。
とても、優しいタッチで……。
私は嬉しくなって微笑みました。そして、ゆっくりとルナ先輩は急ぐことなく、私の手を繋いで歩いてくれました。ほんと優しいです、ルナ先輩。
そんな私は、頭のなかで比較してしまいます。
マリ先輩vsルナ先輩という対戦カードを……。
マリ先輩と手を繋ぐと、ドキドキしちゃいますが、ルナ先輩はなんと言えばいいのでしょうか、これは安心感? 友達としての温もり? ですかね、やはり……。
やがて、カフェテラスに着きました。
テーブルについているみんなは、もうすでに食事を終えてリラックスモード。俺様ロック、弟系シエルくん、金髪ドリルの女、そして、キラキラ王子のソレイユと私の大好きなマリ先輩がいました。
ん? ああ、忘れてました。
ベニー先輩ですか? はあ、見てるだけが吐き気が……・
「おえ……ベニー先輩、食べすぎですよ」
テーブルのうえには、見たこともない分厚いステーキが、ドンッと置かれていました。ちょこんと添えられたおまけのようなサラダとマッシュポテトを、ベニー先輩は一口でぺろり。
「もぐもぐ、お! メルぅぅ、ソレイユの奢りだから、どんどん食っていいぞぉぉ!」
じゃあ、遠慮なく、と言った私は手を挙げてメイドさんに注文。エビとアボカドのトマトソース冷製パスタを頼みました。季節は初夏を迎え、だんだん暑くなってきています。さっぱりしたものが食べたい、今日この頃です。
ふと、マリ先輩を見ますと、何やら険しい表情。そのときでした。テーブルに相席していたソレイユのほうへ、二人の紳士が歩み寄ってきます。ともに歩く黒執事に、さあこちらへ、ソレイユ様がお待ちです、と促される紳士たち。彼らはたしか、フルール王国の国務大臣と騎士団長では?
「お父様ぁぁ! 学園に来るなら言ってくださいましぃぃ」
そう言って国務大臣に、ぎゅっと抱きついているのは金髪ドリルの女、たしか、名前はメリッサとかいう三年生のギャルですね。娘に抱きつかれた大臣は、蓄えた髭を触りながら満更でもない顔をして笑っています。日頃から金髪ドリルを甘やかしているのが、よくわかります。
「おお、メリッサ、会いたかったよぉぉ」
「私もですわぁぁ」
さらにハグする親子。メリッサの父親は、アルジャン・ロップマンという名前で、国務大臣にして王都一番の大金持ち。うん、貫禄があって余裕がある佇まいをしています。
「お父様ったら仕事ばっかり、たまには帰ってきてくださいまし」
「おお、メリッサぁ、すまないねえ」
すると、大きな黒い影が横切ります。その正体は、むきむき筋肉のかたまり、ロック・コンステラでした。彼は騎士団長に駆け寄っていきます。何をするつもりでしょうか?
「オヤジ~! 帰ってきてたのかっ!」
そう言って騎士団長に、ぎゅっと抱きつきました。
はあ?
いかつい身体してるくせに、ファザコンですか? ロックさん? 騎士団長は、ガシッとロックの肩を抱き寄せると、
「おお、ロック! 鍛えてるなあ、関心、関心」
と言って高笑い。二人はマッスル親子だったわけですね。クスクス。
さすがに笑えたのか、マリ先輩が、ぶっーーーー! と紅茶を噴いてしまいました。口から漏れてますよ、ヨダレみたいに。
ロックとメリッサに向かって、大臣が言いました。
「なかなか似合いのカップルに見えるな二人とも」
「うむ」
相槌を打つ団長。メリッサは顔を赤くしてもじもじ。ロックは後頭部をかいて困った表情を浮かべます。
あれ?
先日のベニー先輩の情報によると、ロックはメリッサを婚約破棄したと言ってましたが、どうやら修復したようですね。何があったのでしょうか? 気になります。
一方、甘えん坊のシエルくんは、じっとマリ先輩を見つめていました。視線を追って見ると、ああ、やっぱりですね。マリ先輩のおっぱいしか見てません。男の子って基本、バカですね。
しばらくすると、注文していた冷製パスタが届いたので、フォークを入れます。巻いてお口のなかに、ぱくっ! するとぉぉ、ふぁぁ、トマトの酸味がアボカドのクリーミーと相まって、うまいぁぁぁい! エビなんか、んもう、ぷりっぷりっとした食感でぇ、し、あ、わ、せ……。
ふと、隣にいるルナ先輩を見ると、袋に手を入れていました。そう言えば、朝から持ってましたね……何を取り出すのでしょうか? じっと見ていると、おにぎりを二つ、紙の包みを一つ、それぞれテーブルに置きました。
ルナ先輩は祈りを捧げます「アーメン」
紙の包みを開けると、から揚げと卵焼きが、丁寧に爪楊枝つきで入ってました。スタンダードな弁当ですね。いったい誰が作ったのでしょうか? あやしい……。私はルナ先輩に尋ねます。
「どうしたのですか? その弁当?」
「これね、えっへへ、リオンさんにもらったの?」ニヤついて笑うルナ先輩、か、かわいい。
「え? そうなんですか、料理長のリオンさんが……」
ああ、なるほど、だからベニー先輩は落ち込んでいたんですね。それでも、今ではすっかりご機嫌な様子。どれどれ、マリ先輩の好きな人の情報を訊きだすとしましょう。
「ベニー先輩、食事ちゅうすいません」
「ふぁ? もぐもぐ」
「あの、マリ先輩の好きな人って誰でした?」
「ふぁ? もぐもぐ」
「例の授業のことです。好きな人と本読みのパートナーを組んだらしいじゃないですか?」
「もぐもぐ、んなもん、もぐもぐ、わすれたぞぉ、もぐもぐ」
「……そうですか」
「しゅまんメル、もぐもぐ」
んもう、食べてばっかりのベニー先輩じゃ、まったく話になりません。それを見ていたロックが、「ベニー、太るぞ」と吐き捨てました。ベニー先輩は、うるさいっと一喝。ロックは笑いながらシエルくんの肩を抱きました。
「おい! シエル、そろそろいくかっ」
うん、とうなずいたシエルくんが、そうそう、と言ってつづけます。
「あ、ニコル先生から伝言があるよ」
「なんだ?」
「先生に試合で勝ったらさ……」
「ん?」
シエルくんは自分の胸を揉みながら答えました。
「おっぱい揉ませてくれるってさ! ひゃっほう!」
ぶっーーーー!
マリ先輩がまた紅茶を噴きました。どんだけ、えっちな言葉に耐性がないのですか? リアクションがわかりやすくて、笑っちゃいます。クスクス。
とにかく、ロックとシエルくんは今から拳闘部にいって励むようですね、二人とも気合が入ってます。すると、メリッサがロックに訊きました。
「拳闘部に見学にいってもいい?」
金髪ドリルを揺らして、きゅぴるん、と斜めアングルからの上目使い。さすが金持ちお嬢様は甘え上手ですね。いいけど……ロックはそう言ってからつけ加えます。
「静かにしてろよ」
「うん」
メリッサは大仰にうなずくと、ロックのあとについて歩いていった。シエルもそれにつづく。ふーん、なんか楽しそうですね。あとで拳闘部をのぞきにいきましょう。
さて、気を取り直した私は、ルナ先輩に訊きました。
「マリ先輩のパートナーは誰でしたか?」
「うーん、たしかモブって言ってたよ」
「モブ? それは名前ですか?」
「たぶん、あたしまだ転校して間もないから、まだ男子の名前ってわっかんないんだ、えっへへ、ごめんね、メルちゃん」
いえ……私はかぶりを振ると、マリ先輩を見つめました。モブって名前の人がクラスにいるのだろうか? いや、私の頭のなかのマリ先輩極秘ファイルを、パラパラっとめくりますが、そんなクラスメイトの名前はありません。モブってだれ?
モブ? もぶ、のぶ? じゃないか……いったい、モブとはなんでしょうか、モブとは?
このモブという言葉の意味を調べなくては、前に進めそうにありませんね。まあ、それはいいとして、国務大臣と騎士団長と何を話しているのか気になります。よ~し、私、メル・ビスコットの地獄耳スイッチをオンにしちゃいましょう。ポチッと、ね。
「ところで、ソレイユ様、そちらの娘さんは?」大臣が訊きました。
彼女は……とソレイユが言うと、マリ先輩は会釈しました。
「マリエンヌ・フローレンスです」
それを聞いて団長は、一気に相合を崩すと話しかけました。
「うおお! マリエンヌちゃんかっ! 大きくなったなあ」
「ご無沙汰しております、ラムジー団長」
「十年ぶりか……もうすっかり女になって」
「……」
マリ先輩は顔を赤く染めて下を向きました。身体を見られて恥ずかしいようです。か、かわいい。すると、団長はソレイユのほうを向いて尋ねます。
「で、ソレイユ様、王様の容態のほうはいかがですか? 元気とは聞いてますが」
「ああ、私からだと愚痴がこぼれそうなので、大臣、代わりに答えよ」
はは、と頭をさげた大臣が語ります。
「先日、王様は倒れたが、命に別条はなく。王宮のほうで安静にしておる」
「ほほう、その安静の部分が気になるが、まあ、いいだろう」
大臣は苦笑いを浮かべました。一体、王様は安静に何をしているのでしょうか? 大人の事情のイケナイ匂いがします。
「で、今日はなぜ俺をここに?」と騎士団長の警戒した目が光ります。年齢は四十代前半くらいなのに、筋骨隆々。若々しい双眸は眼力が宿っています。生傷が絶えない腕や顔は、たくさんの戦場を駆け抜けたことを物語っていて、なんともかっこいい、おじさま。きゃっ、お姫様抱っことしてもらいたいぃぃ……ぽわわん、はい、妄想です。
一方、五十代であろうお腹が豊満な大臣は、低い声で言いました。
「今日、騎士団長を呼び出したのは、他でもない。王都についてだ」
「王都? 安全では?」
「それが、最近、白い煙がくすぶっていてな」
「白い煙?」
大臣は口もとに葉巻を加える仕草をしました。ちょっと気取った感じで。
「葉巻タバコだよ。都民が集まって吸ってるらしい」
「ほう、でもそんなことは昔から暗黙の了解だったろ、大臣の若い時なんて、やりたい放題だったじゃないか、なあ、ロップマン先輩?」
「まあ、たしかに、だが、今回はそんなレベルじゃあない。もう気づいておるだろ? なあ、ラムジーくん」
「なんだ、それは?」
怒りだ……とつぶやく大臣は、紅茶を一口だけ啜ったあと、ティーカップを置きました。
「都民たちは、よなよな、集会を開いて勢力を伸ばしているようだ」
「ほう、穏やかではないな。何がはじまると言うのだ?」
さあ、とあやふやな答えをする大臣は、肩をすくめてわからないアピール。煮え切らない二人は、ソレイユを見つめ、何かコメントを求めています。ソレイユは、すっと手のひらを学園の門のほうに向けると言いました。
「都民たちの考えていることは、いたってシンプルなものさ」
「何を考えておるのですかな」大臣は訊く。
フッと鼻で笑ったソレイユは自分を指さします。まるで、ナイフを首もとに当てるように。
「私たちの身分に不満があるのだよ。つまり、都民たちはこの世界をひっくり返そうとしている」
「不満? どう言うことですかな?」
すると、騎士団長は、震えた唇でささやくように言いました。
「ま、まさか、我がフルール王国でも、革命が……」
その瞬間だった。大臣が吠えました。
「ラムジー団長! 言葉が過ぎるぞ。王様への冒涜ではないか」
「まてまて、ロップマン大臣、諸外国では革命はあたりまえように勃発しており、むしろ、このフルール王国はよくここまで維持できているほう。これは、ソレイユ様のおかげ」
「うむ、たしかに王様には悪いが……次期国王につくのはソレイユ様ならば、よし、とする都民が多いこともたしかではある。ううむ、この状況をどうしたらいいのやら」
「まったくだ……」
大臣と騎士団長はソレイユのほうを向いてからうなだれます。さすがのキラキラ王子も笑顔が消えていました。すると、さっきからずっと黙って訊いていたマリ先輩が、さっと髪をかきあげると、ありえないくらい冷たい、感情のない声を発しました。
「二つ、答えがあります」
ん? 顔をあげる大臣と団長は、目を丸くしてマリ先輩を見つめました。
マリ先輩は、かすかに笑うと説明します。ささやくような声は天使か悪魔か、まったく判断はつきませんが。
「王のいない共和国になるか、王のいる君主国のままか……」
さあ、とつけ加えたマリ先輩は右手のひらをソレイユ、大臣、団長に向けてつづけます。
「どちらを選ぶかは、宿題としておきましょう」
そう言い切ると、マリ先輩は立ちあがり、真剣に語っていた口元をふいにゆるませました。
「それではご機嫌よう。みなさん、よい休日を」
うふふ、と微笑んだあと、踵を返した黒髪美少女のスカートがひるがえります。
うわあ、かっこよすぎですぅぅぅ!
言葉を失うくらい、うっとりしていた私ですが、なんとか声をあげました。
「マリ先輩、どちらに行くんですか?」
チラッとこちらを向いたマリ先輩は、微笑むと言いました。
「実家に帰るわ。花屋の手伝いがあるから……じゃあね」
カフェテラスにいるみんなは、呆然とした顔でマリ先輩のうしろ姿を見つめていました。やがて、顔を赤く染める大臣と団長は、声を重ねてハモりました。
「いい~女だ~」
退屈だった授業が嘘みたいに、生徒たちは元気よく廊下に飛びだしていきます。雛鳥の巣立ちのように。
「ふう、ひとまず落ちつきましょう」
私、メルキュール・ビスコットは生まれつき足が悪いため、素早く動けません。よって、我先に帰ろうとする生徒たちに混じって教室から出るのは、非常に危険なこと。ここは、みんなが帰ってから、そっと出ていくほうが望ましいのです。
「果報は寝て待て……」
いい人生も悪い人生も、すべては運次第。だったら、私はのんびりいきます。
どうせ誰も話しかけてもきませんし。ぼっちがお似合いです、私には……。
とは言うものの、はあ、ため息が漏れちゃいます。
私は窓の外を眺めながら頬杖をつきました。
ああ、誰か私をどこかに連れてってくれないかなあ。
このままいけば、いつもどおり図書館に行って読書をする。
そんなお決まりコースで一日が終わっていきます。
まあ、別にいいのですけどね。
私なんて平凡な凡人です。こつこつと夢に向かって歩いていくしか、やることはありません。書記官になるために。
さて、クラスメイトのみなさんが帰りましたね。そろそろ、王立図書館にいくとしましょう。
「メルちゃん!」
おや? 誰かが私の名前を呼んでいます。
顔をあげて廊下を見ると、ルナ先輩がにっこり笑っていました。
どうしました? と訊くと。
「ランチいこっ! ソレイユからの招待よ」
「え? キラキラ王子が?」
「うん、なんかカフェテラスで会議があるらしくってさ」
「会議?」
「うん、でね、マリがソレイユの助言者として呼ばれたの、すっごくない?」
「あ、それは素晴らしい」
ですが……とつづけた私は首を捻りました。「なぜ、私たちも同行を?」
「えっへへ、いけばわかるよ」
さすが天然ルナ先輩、答えになっていませんよ。クスクス。でも、そんなの関係ないと言わんばかりに、グイッと私の手を引きます。
とても、優しいタッチで……。
私は嬉しくなって微笑みました。そして、ゆっくりとルナ先輩は急ぐことなく、私の手を繋いで歩いてくれました。ほんと優しいです、ルナ先輩。
そんな私は、頭のなかで比較してしまいます。
マリ先輩vsルナ先輩という対戦カードを……。
マリ先輩と手を繋ぐと、ドキドキしちゃいますが、ルナ先輩はなんと言えばいいのでしょうか、これは安心感? 友達としての温もり? ですかね、やはり……。
やがて、カフェテラスに着きました。
テーブルについているみんなは、もうすでに食事を終えてリラックスモード。俺様ロック、弟系シエルくん、金髪ドリルの女、そして、キラキラ王子のソレイユと私の大好きなマリ先輩がいました。
ん? ああ、忘れてました。
ベニー先輩ですか? はあ、見てるだけが吐き気が……・
「おえ……ベニー先輩、食べすぎですよ」
テーブルのうえには、見たこともない分厚いステーキが、ドンッと置かれていました。ちょこんと添えられたおまけのようなサラダとマッシュポテトを、ベニー先輩は一口でぺろり。
「もぐもぐ、お! メルぅぅ、ソレイユの奢りだから、どんどん食っていいぞぉぉ!」
じゃあ、遠慮なく、と言った私は手を挙げてメイドさんに注文。エビとアボカドのトマトソース冷製パスタを頼みました。季節は初夏を迎え、だんだん暑くなってきています。さっぱりしたものが食べたい、今日この頃です。
ふと、マリ先輩を見ますと、何やら険しい表情。そのときでした。テーブルに相席していたソレイユのほうへ、二人の紳士が歩み寄ってきます。ともに歩く黒執事に、さあこちらへ、ソレイユ様がお待ちです、と促される紳士たち。彼らはたしか、フルール王国の国務大臣と騎士団長では?
「お父様ぁぁ! 学園に来るなら言ってくださいましぃぃ」
そう言って国務大臣に、ぎゅっと抱きついているのは金髪ドリルの女、たしか、名前はメリッサとかいう三年生のギャルですね。娘に抱きつかれた大臣は、蓄えた髭を触りながら満更でもない顔をして笑っています。日頃から金髪ドリルを甘やかしているのが、よくわかります。
「おお、メリッサ、会いたかったよぉぉ」
「私もですわぁぁ」
さらにハグする親子。メリッサの父親は、アルジャン・ロップマンという名前で、国務大臣にして王都一番の大金持ち。うん、貫禄があって余裕がある佇まいをしています。
「お父様ったら仕事ばっかり、たまには帰ってきてくださいまし」
「おお、メリッサぁ、すまないねえ」
すると、大きな黒い影が横切ります。その正体は、むきむき筋肉のかたまり、ロック・コンステラでした。彼は騎士団長に駆け寄っていきます。何をするつもりでしょうか?
「オヤジ~! 帰ってきてたのかっ!」
そう言って騎士団長に、ぎゅっと抱きつきました。
はあ?
いかつい身体してるくせに、ファザコンですか? ロックさん? 騎士団長は、ガシッとロックの肩を抱き寄せると、
「おお、ロック! 鍛えてるなあ、関心、関心」
と言って高笑い。二人はマッスル親子だったわけですね。クスクス。
さすがに笑えたのか、マリ先輩が、ぶっーーーー! と紅茶を噴いてしまいました。口から漏れてますよ、ヨダレみたいに。
ロックとメリッサに向かって、大臣が言いました。
「なかなか似合いのカップルに見えるな二人とも」
「うむ」
相槌を打つ団長。メリッサは顔を赤くしてもじもじ。ロックは後頭部をかいて困った表情を浮かべます。
あれ?
先日のベニー先輩の情報によると、ロックはメリッサを婚約破棄したと言ってましたが、どうやら修復したようですね。何があったのでしょうか? 気になります。
一方、甘えん坊のシエルくんは、じっとマリ先輩を見つめていました。視線を追って見ると、ああ、やっぱりですね。マリ先輩のおっぱいしか見てません。男の子って基本、バカですね。
しばらくすると、注文していた冷製パスタが届いたので、フォークを入れます。巻いてお口のなかに、ぱくっ! するとぉぉ、ふぁぁ、トマトの酸味がアボカドのクリーミーと相まって、うまいぁぁぁい! エビなんか、んもう、ぷりっぷりっとした食感でぇ、し、あ、わ、せ……。
ふと、隣にいるルナ先輩を見ると、袋に手を入れていました。そう言えば、朝から持ってましたね……何を取り出すのでしょうか? じっと見ていると、おにぎりを二つ、紙の包みを一つ、それぞれテーブルに置きました。
ルナ先輩は祈りを捧げます「アーメン」
紙の包みを開けると、から揚げと卵焼きが、丁寧に爪楊枝つきで入ってました。スタンダードな弁当ですね。いったい誰が作ったのでしょうか? あやしい……。私はルナ先輩に尋ねます。
「どうしたのですか? その弁当?」
「これね、えっへへ、リオンさんにもらったの?」ニヤついて笑うルナ先輩、か、かわいい。
「え? そうなんですか、料理長のリオンさんが……」
ああ、なるほど、だからベニー先輩は落ち込んでいたんですね。それでも、今ではすっかりご機嫌な様子。どれどれ、マリ先輩の好きな人の情報を訊きだすとしましょう。
「ベニー先輩、食事ちゅうすいません」
「ふぁ? もぐもぐ」
「あの、マリ先輩の好きな人って誰でした?」
「ふぁ? もぐもぐ」
「例の授業のことです。好きな人と本読みのパートナーを組んだらしいじゃないですか?」
「もぐもぐ、んなもん、もぐもぐ、わすれたぞぉ、もぐもぐ」
「……そうですか」
「しゅまんメル、もぐもぐ」
んもう、食べてばっかりのベニー先輩じゃ、まったく話になりません。それを見ていたロックが、「ベニー、太るぞ」と吐き捨てました。ベニー先輩は、うるさいっと一喝。ロックは笑いながらシエルくんの肩を抱きました。
「おい! シエル、そろそろいくかっ」
うん、とうなずいたシエルくんが、そうそう、と言ってつづけます。
「あ、ニコル先生から伝言があるよ」
「なんだ?」
「先生に試合で勝ったらさ……」
「ん?」
シエルくんは自分の胸を揉みながら答えました。
「おっぱい揉ませてくれるってさ! ひゃっほう!」
ぶっーーーー!
マリ先輩がまた紅茶を噴きました。どんだけ、えっちな言葉に耐性がないのですか? リアクションがわかりやすくて、笑っちゃいます。クスクス。
とにかく、ロックとシエルくんは今から拳闘部にいって励むようですね、二人とも気合が入ってます。すると、メリッサがロックに訊きました。
「拳闘部に見学にいってもいい?」
金髪ドリルを揺らして、きゅぴるん、と斜めアングルからの上目使い。さすが金持ちお嬢様は甘え上手ですね。いいけど……ロックはそう言ってからつけ加えます。
「静かにしてろよ」
「うん」
メリッサは大仰にうなずくと、ロックのあとについて歩いていった。シエルもそれにつづく。ふーん、なんか楽しそうですね。あとで拳闘部をのぞきにいきましょう。
さて、気を取り直した私は、ルナ先輩に訊きました。
「マリ先輩のパートナーは誰でしたか?」
「うーん、たしかモブって言ってたよ」
「モブ? それは名前ですか?」
「たぶん、あたしまだ転校して間もないから、まだ男子の名前ってわっかんないんだ、えっへへ、ごめんね、メルちゃん」
いえ……私はかぶりを振ると、マリ先輩を見つめました。モブって名前の人がクラスにいるのだろうか? いや、私の頭のなかのマリ先輩極秘ファイルを、パラパラっとめくりますが、そんなクラスメイトの名前はありません。モブってだれ?
モブ? もぶ、のぶ? じゃないか……いったい、モブとはなんでしょうか、モブとは?
このモブという言葉の意味を調べなくては、前に進めそうにありませんね。まあ、それはいいとして、国務大臣と騎士団長と何を話しているのか気になります。よ~し、私、メル・ビスコットの地獄耳スイッチをオンにしちゃいましょう。ポチッと、ね。
「ところで、ソレイユ様、そちらの娘さんは?」大臣が訊きました。
彼女は……とソレイユが言うと、マリ先輩は会釈しました。
「マリエンヌ・フローレンスです」
それを聞いて団長は、一気に相合を崩すと話しかけました。
「うおお! マリエンヌちゃんかっ! 大きくなったなあ」
「ご無沙汰しております、ラムジー団長」
「十年ぶりか……もうすっかり女になって」
「……」
マリ先輩は顔を赤く染めて下を向きました。身体を見られて恥ずかしいようです。か、かわいい。すると、団長はソレイユのほうを向いて尋ねます。
「で、ソレイユ様、王様の容態のほうはいかがですか? 元気とは聞いてますが」
「ああ、私からだと愚痴がこぼれそうなので、大臣、代わりに答えよ」
はは、と頭をさげた大臣が語ります。
「先日、王様は倒れたが、命に別条はなく。王宮のほうで安静にしておる」
「ほほう、その安静の部分が気になるが、まあ、いいだろう」
大臣は苦笑いを浮かべました。一体、王様は安静に何をしているのでしょうか? 大人の事情のイケナイ匂いがします。
「で、今日はなぜ俺をここに?」と騎士団長の警戒した目が光ります。年齢は四十代前半くらいなのに、筋骨隆々。若々しい双眸は眼力が宿っています。生傷が絶えない腕や顔は、たくさんの戦場を駆け抜けたことを物語っていて、なんともかっこいい、おじさま。きゃっ、お姫様抱っことしてもらいたいぃぃ……ぽわわん、はい、妄想です。
一方、五十代であろうお腹が豊満な大臣は、低い声で言いました。
「今日、騎士団長を呼び出したのは、他でもない。王都についてだ」
「王都? 安全では?」
「それが、最近、白い煙がくすぶっていてな」
「白い煙?」
大臣は口もとに葉巻を加える仕草をしました。ちょっと気取った感じで。
「葉巻タバコだよ。都民が集まって吸ってるらしい」
「ほう、でもそんなことは昔から暗黙の了解だったろ、大臣の若い時なんて、やりたい放題だったじゃないか、なあ、ロップマン先輩?」
「まあ、たしかに、だが、今回はそんなレベルじゃあない。もう気づいておるだろ? なあ、ラムジーくん」
「なんだ、それは?」
怒りだ……とつぶやく大臣は、紅茶を一口だけ啜ったあと、ティーカップを置きました。
「都民たちは、よなよな、集会を開いて勢力を伸ばしているようだ」
「ほう、穏やかではないな。何がはじまると言うのだ?」
さあ、とあやふやな答えをする大臣は、肩をすくめてわからないアピール。煮え切らない二人は、ソレイユを見つめ、何かコメントを求めています。ソレイユは、すっと手のひらを学園の門のほうに向けると言いました。
「都民たちの考えていることは、いたってシンプルなものさ」
「何を考えておるのですかな」大臣は訊く。
フッと鼻で笑ったソレイユは自分を指さします。まるで、ナイフを首もとに当てるように。
「私たちの身分に不満があるのだよ。つまり、都民たちはこの世界をひっくり返そうとしている」
「不満? どう言うことですかな?」
すると、騎士団長は、震えた唇でささやくように言いました。
「ま、まさか、我がフルール王国でも、革命が……」
その瞬間だった。大臣が吠えました。
「ラムジー団長! 言葉が過ぎるぞ。王様への冒涜ではないか」
「まてまて、ロップマン大臣、諸外国では革命はあたりまえように勃発しており、むしろ、このフルール王国はよくここまで維持できているほう。これは、ソレイユ様のおかげ」
「うむ、たしかに王様には悪いが……次期国王につくのはソレイユ様ならば、よし、とする都民が多いこともたしかではある。ううむ、この状況をどうしたらいいのやら」
「まったくだ……」
大臣と騎士団長はソレイユのほうを向いてからうなだれます。さすがのキラキラ王子も笑顔が消えていました。すると、さっきからずっと黙って訊いていたマリ先輩が、さっと髪をかきあげると、ありえないくらい冷たい、感情のない声を発しました。
「二つ、答えがあります」
ん? 顔をあげる大臣と団長は、目を丸くしてマリ先輩を見つめました。
マリ先輩は、かすかに笑うと説明します。ささやくような声は天使か悪魔か、まったく判断はつきませんが。
「王のいない共和国になるか、王のいる君主国のままか……」
さあ、とつけ加えたマリ先輩は右手のひらをソレイユ、大臣、団長に向けてつづけます。
「どちらを選ぶかは、宿題としておきましょう」
そう言い切ると、マリ先輩は立ちあがり、真剣に語っていた口元をふいにゆるませました。
「それではご機嫌よう。みなさん、よい休日を」
うふふ、と微笑んだあと、踵を返した黒髪美少女のスカートがひるがえります。
うわあ、かっこよすぎですぅぅぅ!
言葉を失うくらい、うっとりしていた私ですが、なんとか声をあげました。
「マリ先輩、どちらに行くんですか?」
チラッとこちらを向いたマリ先輩は、微笑むと言いました。
「実家に帰るわ。花屋の手伝いがあるから……じゃあね」
カフェテラスにいるみんなは、呆然とした顔でマリ先輩のうしろ姿を見つめていました。やがて、顔を赤く染める大臣と団長は、声を重ねてハモりました。
「いい~女だ~」
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