ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん

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107.錬成の実験

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107.錬成の実験


ミンタカと雑談している間も、プロキオンがアパー草を刻むトントンという音は規則正しく響き続けている。
一つの作業を永遠に繰り返すのは根気が要ることで、向き不向きもあると思う。

プロキオンは戦闘には向いていなかったけれど、生産作業にはとっても向いていそうだね。


「プロキオン、ちょっといい?」


「ん? 何?」


こちらを見ることもない生返事。
凄い集中力だ。

葉っぱを切る大きさの実験に付き合って貰おうかと思っていたけれど、これは邪魔しない方が良さそう。


実験は家で一人でも出来るし、スピカちゃんが居た方がいいかもしれないから、帰ってからやろうかな。



「じゃあ、ミンタカ、アルニラム、プロキオン、お邪魔しましたー。
またそのうち来るからねー」


「は~い、またね~」



プロキオンを錬成専属にしてもらう、という当初の目標は達成出来たし、生産部門が出来れば行き来することも増えるだろう。





「ただいま。スピカちゃん、ちょっと思いついたことがあるんだけど」


家には誰も居ないけど挨拶だけは習慣でして、早速スピカちゃんに相談する。


「何でしょうか? 何かヒントになるようなことがありましたか?」


「いや、そういうんじゃないんだけど。
プロキオンに葉っぱ切って貰ってるじゃない?
あれの大きさって、どのくらい許容範囲があるのかな、って」


「許容範囲、とは?」


「1cm幅も5cm幅も効果が同じなら、大きく切るほうが早いでしょ?
今はなるべく小さく揃えて切って貰ってるけど、大きくしたら何か変わるのかなと思って」


「……なるほど?」


こてん、と首を傾げるスピカちゃんは、頷い手はいるけれどもあんまり分かってなさそう。
ということは、ベガさんの資料にはない、ってこと。
錬成の前の下準備自体が新しい事だから当たり前か。


「じゃあやってみよう」


切り方を0.5cmくらいから3cm幅まで、幾つか変えて切ってみる。
あと、あえてバラバラな大きさに切ったものも。


興味津々で飛び回っているスピカちゃんに解説もしながら、切ったものを順番に錬成していく。



《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+110

素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成



《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+100

素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成



《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+90

素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成


「んー? レア度は全部★★で同じだけど、効果が違うね。
110~90まで、幅があるみたい」
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