107 / 131
107.錬成の実験
しおりを挟む
107.錬成の実験
ミンタカと雑談している間も、プロキオンがアパー草を刻むトントンという音は規則正しく響き続けている。
一つの作業を永遠に繰り返すのは根気が要ることで、向き不向きもあると思う。
プロキオンは戦闘には向いていなかったけれど、生産作業にはとっても向いていそうだね。
「プロキオン、ちょっといい?」
「ん? 何?」
こちらを見ることもない生返事。
凄い集中力だ。
葉っぱを切る大きさの実験に付き合って貰おうかと思っていたけれど、これは邪魔しない方が良さそう。
実験は家で一人でも出来るし、スピカちゃんが居た方がいいかもしれないから、帰ってからやろうかな。
「じゃあ、ミンタカ、アルニラム、プロキオン、お邪魔しましたー。
またそのうち来るからねー」
「は~い、またね~」
プロキオンを錬成専属にしてもらう、という当初の目標は達成出来たし、生産部門が出来れば行き来することも増えるだろう。
「ただいま。スピカちゃん、ちょっと思いついたことがあるんだけど」
家には誰も居ないけど挨拶だけは習慣でして、早速スピカちゃんに相談する。
「何でしょうか? 何かヒントになるようなことがありましたか?」
「いや、そういうんじゃないんだけど。
プロキオンに葉っぱ切って貰ってるじゃない?
あれの大きさって、どのくらい許容範囲があるのかな、って」
「許容範囲、とは?」
「1cm幅も5cm幅も効果が同じなら、大きく切るほうが早いでしょ?
今はなるべく小さく揃えて切って貰ってるけど、大きくしたら何か変わるのかなと思って」
「……なるほど?」
こてん、と首を傾げるスピカちゃんは、頷い手はいるけれどもあんまり分かってなさそう。
ということは、ベガさんの資料にはない、ってこと。
錬成の前の下準備自体が新しい事だから当たり前か。
「じゃあやってみよう」
切り方を0.5cmくらいから3cm幅まで、幾つか変えて切ってみる。
あと、あえてバラバラな大きさに切ったものも。
興味津々で飛び回っているスピカちゃんに解説もしながら、切ったものを順番に錬成していく。
《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+110
素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成
《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+100
素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成
《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+90
素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成
「んー? レア度は全部★★で同じだけど、効果が違うね。
110~90まで、幅があるみたい」
ミンタカと雑談している間も、プロキオンがアパー草を刻むトントンという音は規則正しく響き続けている。
一つの作業を永遠に繰り返すのは根気が要ることで、向き不向きもあると思う。
プロキオンは戦闘には向いていなかったけれど、生産作業にはとっても向いていそうだね。
「プロキオン、ちょっといい?」
「ん? 何?」
こちらを見ることもない生返事。
凄い集中力だ。
葉っぱを切る大きさの実験に付き合って貰おうかと思っていたけれど、これは邪魔しない方が良さそう。
実験は家で一人でも出来るし、スピカちゃんが居た方がいいかもしれないから、帰ってからやろうかな。
「じゃあ、ミンタカ、アルニラム、プロキオン、お邪魔しましたー。
またそのうち来るからねー」
「は~い、またね~」
プロキオンを錬成専属にしてもらう、という当初の目標は達成出来たし、生産部門が出来れば行き来することも増えるだろう。
「ただいま。スピカちゃん、ちょっと思いついたことがあるんだけど」
家には誰も居ないけど挨拶だけは習慣でして、早速スピカちゃんに相談する。
「何でしょうか? 何かヒントになるようなことがありましたか?」
「いや、そういうんじゃないんだけど。
プロキオンに葉っぱ切って貰ってるじゃない?
あれの大きさって、どのくらい許容範囲があるのかな、って」
「許容範囲、とは?」
「1cm幅も5cm幅も効果が同じなら、大きく切るほうが早いでしょ?
今はなるべく小さく揃えて切って貰ってるけど、大きくしたら何か変わるのかなと思って」
「……なるほど?」
こてん、と首を傾げるスピカちゃんは、頷い手はいるけれどもあんまり分かってなさそう。
ということは、ベガさんの資料にはない、ってこと。
錬成の前の下準備自体が新しい事だから当たり前か。
「じゃあやってみよう」
切り方を0.5cmくらいから3cm幅まで、幾つか変えて切ってみる。
あと、あえてバラバラな大きさに切ったものも。
興味津々で飛び回っているスピカちゃんに解説もしながら、切ったものを順番に錬成していく。
《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+110
素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成
《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+100
素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成
《アパー草の水薬》★★
アパー草から作られた水薬。
効果:HP+90
素材:アパー草★、水★
道具:大釜
スキル:錬成
「んー? レア度は全部★★で同じだけど、効果が違うね。
110~90まで、幅があるみたい」
72
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
喪女だった私が異世界転生した途端に地味枠を脱却して逆転恋愛
タマ マコト
ファンタジー
喪女として誰にも選ばれない人生を終えた佐倉真凛は、異世界の伯爵家三女リーナとして転生する。
しかしそこでも彼女は、美しい姉妹に埋もれた「地味枠」の令嬢だった。
前世の経験から派手さを捨て、魔法地雷や罠といったトラップ魔法を選んだリーナは、目立たず確実に力を磨いていく。
魔法学園で騎士カイにその才能を見抜かれたことで、彼女の止まっていた人生は静かに動き出す。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる