新月を追って

響 あうる

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第1章

【5話】はじまり※(複数)


「お前って、オトコに犯されんのがスキなのな」
「ちがっ」

 はあ、はあ、と上がる吐息の合間に外村が耳元で囁き、敦志は大きく目を見開いた。そして、無駄と知りながら身を捩って抵抗する。


「そんなに勃ってんのに?」
「違っ…そん、な…じゃっ」

 外村の更なる言葉に、はっと息を呑む。言われるまま目を向けると、勃っている自分のものが目に入り、絶望的な気分になった。見ていたくなくて目を閉じると耐えていた涙が頬を伝う。
 外村が、その涙を舌で舐めると


「くそ、…ヤッてんのは俺なのに」
「あ!…は、っ…あ、ぁっ…」

 上岡も敦志の関心を惹きたくなったのか、無我夢中に突き上げる。するとぼんやりとだが敦志が上岡を見やり、目が合ったことで上岡は更に昂った。喘ぎ声と、ぶつかり合う肌の音がお互いの熱を上昇させていく。


「もうっ…出る」
「ぁ、あ!ん、……ん…は…」

 注がれる熱さと陰茎を抜かれる刺激に、敦志はビクビクと身体を震わせた。だが、達することが出来ないので苦悶の表情を浮かべる。


「松島さんはヤらないんっすか?」
「んー…今日はいいかな」
「じゃあ…もう、いいっすよね」
 
 外村は、そうつぶやくと羽交絞めを解き、座卓に仰向けに押し倒された敦志に、両手を押さえつける様にして覆いかぶさった。
 まだ肩で息をする、その虚な目に自分を見つけると既視感を覚え、どうしようもなく昂る。
 その証を分からせるように腰を密着させると


「ぁ……っな、んで」

 外村の整った顔に見下ろされ、欲情されていることにゾクッとして腰が揺らめく。
 それはまるで、敦志も求めているようで、たまらなく卑猥だった。


「欲しいんだろ、これが…」
「ちがっ」

  片手で、敦志の両手をまとめて押さえると、外村は陰茎をズボンから出した。そそり勃つそれに、思わず目を逸らせずにいると

「あ!あっあああぁっ…」
「見ろよ…お前のココ、こんな咥え込んで」

 そう言いながら何人もの精液で満たされ、焼けつきそうに熱い、そこを突き上げた。その、刺激に敦志の口からは淫らな吐息が漏れる。
 敦志にとっても、自らを苛む外村のそれは熱く、
 

「あ、あっ…ん、んんっ…」
「だから、…目、閉じ…んなよ…」
「ん、ぁっああ!」

 まるで悦んでいるような声がやめられず、それから逃れるように頭を横に振り、目を閉じた。
 視界を遮ったことで余計に、外村の囁きが快楽を含んでいる事を思い知らされる。
 思わず、目を開けると目が合い、ゾクゾクッと快楽が突き抜けた。


「そうやって…見てろ、お前が……誰に抱かれてんのか」
「あ!あぁっ…ん、んぁあっ」

 外村の言葉に、羞恥からか頬に熱が集中した。それに耐えられず、目を伏せると図らずも外村の陰茎を受け入れている自分が目に入り、ゾクゾクと快感が上り詰める。


「あっ!も…イ、ぁ…イかせ、てっ」
「だったら…言えよ、もっと……犯して下さいって」
「誰がっ」

 外村が熱に浮かされるような目で、声で囁くと敦志は大きく目を見開いた。そして間髪容れずに右腕に力を込める。それは直様、外村に押し付けられてしまったが、殴れるなら殴りたかった。
 仕方なく睨みつけるが、快楽に潤んだ瞳では効果はなかった。


「本当に…お前は…」

―――誰、なんだ?

 "あの人"に似てる顔で、穢されてるのに知らない表情を見せる。重ね合わせていたつもりが、いつの間にか触れ合ったところからの熱に奪われていく。
 熱に、上がる吐息に上書きされて、もう目の前のその表情が欲しいと胸を締め付ける。


「もう……中に出すぞ」
「や、やめっ…」
「は、…悦べよ」
「ふざけっ…んな、」

 外村の言葉が、いちいち敦志をカッとさせる。男に抱かれているだけでも耐えがたいのに、そんな自ら求めるようなことを言えるはずがなかった。
 それなのに、それでも、突き上げられると身体の奥が甘く痺れ、無意識にそれを追い求めて腰が揺れる。


「あぁ…あ、ぁっん、んん!……も、おねがっぃ、かせてっ」

 虚勢も長く続かず、口から出る自分のとは思えない喘ぎ声から逃れようと、敦志は頭を横に振って目を閉じる。
 熱い涙が頬を伝い、外村は再び、その涙を舐め上げた。そして、敦志自身を縛るネクタイを解いた。


「あ!ああああ、…ん、あぁ、あっ」

 解放された瞬間、ビクビクと震わせ、硬く天を向いていた敦志自身からどろどろと精液が溢れ出る。中に咥え込んでいた、外村のそれもキツく締め付けた。


「…上岡、スマホ……とって」
「お、おぅっ」

 外村は、肩で息をする敦志から目を離せないまま、手だけ上岡に向けて差し出した。
上岡は慌ててスマホを取ってきて外村の手に乗せる。
そして

「俺も写メ撮ろっと」

 その上岡の言葉と、外村にカメラを向けられて、敦志は我に返り、やめろと唯一自由の利く左手で外村のスマホを弾き飛ばす。


「は、…わりぃな、こっちの方が欲しいんだよな…?」

 コントロールが悪く、手の届く範囲に飛ばされたスマホを手に取ると、カメラを向けながらグンッとまだ繋がったままの陰茎を突き上げる。
 一度、中に出したはずなのに、再び強度を取り戻したそれに敦志は唇を震わせる。


「う、そ…っだろ」


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