2 / 20
2.悪の大魔女へのターニングポイント1
しおりを挟む
ダーリン(仮)と初めて会うより、もっとずっと前のある夜。
私は不意に未来を夢に見たの。
これがまず1つ目の人生のターニングポイントだったわ。
夢ではね、ダーリン(仮)は今日この日、ここで瀕死の重症を負うの。
パーティーは彼以外、無惨な遺体と成り果てたわ。
とっても痛ましい遺体よ。
そしてそれはわざと痛めつけられたものだったわ。
そう、刺客達の痕跡を消して、魔竜によって殺されたように見せかける為に。
ダーリン(仮)はとっても深い傷を負ったわ。
体にだけじゃない。
クールでビューティーな顔にもよ!!!!
そこ大事!
そうして刺客達に追い詰められ、死に瀕する彼に何者かが囁くの。
卑怯者達に陥れられ、仲間を失い悔しくないのか、と。
復讐の為に我を受け入れろ、我と共に人類を滅ぼせ、と。
囁いたのは、討ったはずの魔竜。
絶望と憎しみに駆られたダーリン(仮)は頷いたわ。
はい、そこで疑問に思っていただけたかしら?
この場合滅ぼすのは刺客とか、その依頼主とかっていう限定的な対象なんじゃないのかって。
何故にじ・ん・る・い?!
何故そんな大仰な範囲に、と不思議に思う人もいるかもしれないわね。
だって復讐はともかく、仲間を殺されたから人類を滅ぼす?
おかしいじゃないかって話でしょ?
だけど頷いたダーリン(仮)は不味そうな魔竜の血肉を食み、一時的に仮死状態になったわ。
私ならもっと良いお肉食べさせたのに!
案外食あたりで仮死状態になったんじゃないかしら。
まあそれを見た刺客達は依頼主にパーティーの全滅を報告したでしょうね。
野晒し状態だった体はいつの間にか大地の亀裂に転移して黒い繭に包まれた。
この中で3年かけて魔竜と一体化していくの。
そうして3年後、彼は魔竜王として孵化したわ。
姿形はそのままに、漆黒の髪と瞳となって。
孵化した瞬間の彼のすっぽんぽんたるや・・・・まさに芸術作品!
未だに思い出すと鼻血が・・・・。
へへへへへへへへ・・・・。
コホン。
魔竜王となった彼は自身の生家である公爵家を、そして新たに王座に就いた新王が収める祖国を滅ぼし、今度は世界を滅ぼさんとする。
さてさて、ここで少し前の何故人類滅亡を了承したのかに戻すわね。
まず魔竜討伐の日、満身創痍ながらも何とか討伐し終えた彼らパーティーを直後に襲撃した刺客達。
それを差し向けたのが、彼の名ばかりの家族と当時王太子だった新王だったの。
ダーリン(仮)は公爵が妾に産ませた子供だったわ。
母親は平民だったけど、公爵家当主だった父親は母親に癒されて相思相愛だったんですって。
しかも彼の母親は彼が6才で急死。
父親は当然のように愛する女性との子供を引き取ってしまった。
これには私としては同情するわ。
もちろん彼にもだけど、何より継母となった公爵夫人と2人いた異母兄達によ。
父親は一国の公爵家当主だし、親として引き取るのは、まあわからなくはないわ。
だけど普通に考えればその子は不義の子供よ?
ただでさえ公爵夫妻の夫婦仲は冷えきってたせいで頼りのはずの父親は何かと留守がち。
彼の母親が生きてる時はそっちに寝泊まりして帰らなかったし、彼を引き取ってからもわざとかのように仕事に精を出して結局帰らないわけ。
そんなクソ旦那が他所でこさえた子供と、プライドの高い夫人や兄達の邸で過ごす時間が多くなればどうなるか。
はい、児童虐待の開始。
別に夫人や兄達が悪いかって言えば、私はそうは思わない。
冷たい?
まあ否定はしないわよ。
だって今の私は悪の魔女だもの。
でもね、自分達の家庭ぶっ壊した女の息子が貴族の中でもトップクラスの公爵家の子息になって、面白いなんて酔狂な心情になると思う?
なるわけないじゃない!
そりゃ積年の恨みとばかりに飯抜き、殴る蹴るの暴力だってふるっちゃうわ。
常識としてはどうかと思うけど、人としてはまともな反応じゃないの?
もちろん虐待はね、ダメ、絶対。
彼は悪くはないわ。
だけどあちらの立場じゃそんな子供可愛くないし、愛する気になれないのは責められないでしょ?
私は綺麗事言うつもりないし、性善説派じゃないもの。
夫の行動は夫人からすれば、女としてもハイクラスの貴夫人としてもプライドや面子をズタズタに傷つけるものだわ。
それにいくら彼が平民レベルなら品があるように育てられたって、結局は生まれながらに厳しく貴族教育施された兄達には劣るわ。
そんな中途半端な庶子は何したって生粋の公爵家の坊っちゃんの癪にしか障らないものよ?
何貴族の真似事してんだよ、テメーってやつよね。
そもそもが自分達の父親の愛情一人占めしてた庶子なんだもの、手加減無しよ。
結果馬鹿にされて家族として受け入れられるはずもないじゃない?
そもそもこの国は男社会、身分社会なのよ。
当主の父親がちゃんとフォローしないなら余計無理ってものだわ。
大体、当主で大黒柱の俺が愛した平民の女との子供だから俺の家で育てるのは当然だろう、なんて態度では聖人君主でも受け入れるの難しくないかしら?
※※※※※※※※※
お知らせ
※※※※※※※※※
本日より投稿始めました。
今日と明日は1日2話投稿します。
昨日長編小説を完結させたので、そちらの作品もよろしければご覧下さい。
・《完結御礼》【溺愛中】秘密だらけの俺の番は可愛いけどやることしれっとえげつない~チートな番を伴侶にするまでの奔走物語
こちらは現在連載中の長編小説です。
・秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ
私は不意に未来を夢に見たの。
これがまず1つ目の人生のターニングポイントだったわ。
夢ではね、ダーリン(仮)は今日この日、ここで瀕死の重症を負うの。
パーティーは彼以外、無惨な遺体と成り果てたわ。
とっても痛ましい遺体よ。
そしてそれはわざと痛めつけられたものだったわ。
そう、刺客達の痕跡を消して、魔竜によって殺されたように見せかける為に。
ダーリン(仮)はとっても深い傷を負ったわ。
体にだけじゃない。
クールでビューティーな顔にもよ!!!!
そこ大事!
そうして刺客達に追い詰められ、死に瀕する彼に何者かが囁くの。
卑怯者達に陥れられ、仲間を失い悔しくないのか、と。
復讐の為に我を受け入れろ、我と共に人類を滅ぼせ、と。
囁いたのは、討ったはずの魔竜。
絶望と憎しみに駆られたダーリン(仮)は頷いたわ。
はい、そこで疑問に思っていただけたかしら?
この場合滅ぼすのは刺客とか、その依頼主とかっていう限定的な対象なんじゃないのかって。
何故にじ・ん・る・い?!
何故そんな大仰な範囲に、と不思議に思う人もいるかもしれないわね。
だって復讐はともかく、仲間を殺されたから人類を滅ぼす?
おかしいじゃないかって話でしょ?
だけど頷いたダーリン(仮)は不味そうな魔竜の血肉を食み、一時的に仮死状態になったわ。
私ならもっと良いお肉食べさせたのに!
案外食あたりで仮死状態になったんじゃないかしら。
まあそれを見た刺客達は依頼主にパーティーの全滅を報告したでしょうね。
野晒し状態だった体はいつの間にか大地の亀裂に転移して黒い繭に包まれた。
この中で3年かけて魔竜と一体化していくの。
そうして3年後、彼は魔竜王として孵化したわ。
姿形はそのままに、漆黒の髪と瞳となって。
孵化した瞬間の彼のすっぽんぽんたるや・・・・まさに芸術作品!
未だに思い出すと鼻血が・・・・。
へへへへへへへへ・・・・。
コホン。
魔竜王となった彼は自身の生家である公爵家を、そして新たに王座に就いた新王が収める祖国を滅ぼし、今度は世界を滅ぼさんとする。
さてさて、ここで少し前の何故人類滅亡を了承したのかに戻すわね。
まず魔竜討伐の日、満身創痍ながらも何とか討伐し終えた彼らパーティーを直後に襲撃した刺客達。
それを差し向けたのが、彼の名ばかりの家族と当時王太子だった新王だったの。
ダーリン(仮)は公爵が妾に産ませた子供だったわ。
母親は平民だったけど、公爵家当主だった父親は母親に癒されて相思相愛だったんですって。
しかも彼の母親は彼が6才で急死。
父親は当然のように愛する女性との子供を引き取ってしまった。
これには私としては同情するわ。
もちろん彼にもだけど、何より継母となった公爵夫人と2人いた異母兄達によ。
父親は一国の公爵家当主だし、親として引き取るのは、まあわからなくはないわ。
だけど普通に考えればその子は不義の子供よ?
ただでさえ公爵夫妻の夫婦仲は冷えきってたせいで頼りのはずの父親は何かと留守がち。
彼の母親が生きてる時はそっちに寝泊まりして帰らなかったし、彼を引き取ってからもわざとかのように仕事に精を出して結局帰らないわけ。
そんなクソ旦那が他所でこさえた子供と、プライドの高い夫人や兄達の邸で過ごす時間が多くなればどうなるか。
はい、児童虐待の開始。
別に夫人や兄達が悪いかって言えば、私はそうは思わない。
冷たい?
まあ否定はしないわよ。
だって今の私は悪の魔女だもの。
でもね、自分達の家庭ぶっ壊した女の息子が貴族の中でもトップクラスの公爵家の子息になって、面白いなんて酔狂な心情になると思う?
なるわけないじゃない!
そりゃ積年の恨みとばかりに飯抜き、殴る蹴るの暴力だってふるっちゃうわ。
常識としてはどうかと思うけど、人としてはまともな反応じゃないの?
もちろん虐待はね、ダメ、絶対。
彼は悪くはないわ。
だけどあちらの立場じゃそんな子供可愛くないし、愛する気になれないのは責められないでしょ?
私は綺麗事言うつもりないし、性善説派じゃないもの。
夫の行動は夫人からすれば、女としてもハイクラスの貴夫人としてもプライドや面子をズタズタに傷つけるものだわ。
それにいくら彼が平民レベルなら品があるように育てられたって、結局は生まれながらに厳しく貴族教育施された兄達には劣るわ。
そんな中途半端な庶子は何したって生粋の公爵家の坊っちゃんの癪にしか障らないものよ?
何貴族の真似事してんだよ、テメーってやつよね。
そもそもが自分達の父親の愛情一人占めしてた庶子なんだもの、手加減無しよ。
結果馬鹿にされて家族として受け入れられるはずもないじゃない?
そもそもこの国は男社会、身分社会なのよ。
当主の父親がちゃんとフォローしないなら余計無理ってものだわ。
大体、当主で大黒柱の俺が愛した平民の女との子供だから俺の家で育てるのは当然だろう、なんて態度では聖人君主でも受け入れるの難しくないかしら?
※※※※※※※※※
お知らせ
※※※※※※※※※
本日より投稿始めました。
今日と明日は1日2話投稿します。
昨日長編小説を完結させたので、そちらの作品もよろしければご覧下さい。
・《完結御礼》【溺愛中】秘密だらけの俺の番は可愛いけどやることしれっとえげつない~チートな番を伴侶にするまでの奔走物語
こちらは現在連載中の長編小説です。
・秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜
水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。
魔王乱立の時代。
王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。
だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。
にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。
抗議はしない。
訂正もしない。
ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。
――それが、誰にとっての不合格なのか。
まだ、誰も気づいていない。
欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる