18 / 20
18.ミルティア捕獲大作戦
しおりを挟む
「これよりミルティア捕獲大作戦を決行する!!!!
ただし傷つける事は許さん!!!!
協力者には金一封!!!!
捕まえた者には望むものを与える!!!!
者共、かかれー!!!!」
「「「「おおう!!!!」」」」
ドン、と太鼓の音がなった途端、下からは意志疎通の取れた掛け声と共に突風が襲ってきたんですけど?!
お父様?!
何なのミルティア捕獲大作戦て?!
「がうがう!」
「え、ちょっ、何?!」
しかもこれ、ただの風じゃないわ!
領民一丸となって角度を調整して作り出した特大の竜巻じゃない!
うちの領民てばどんな戦闘民族なのかしら?!
「え、冷たい?!」
「ぷぎゃっ」
「待ってお花ちゃん」
「がう!」
小さくなったお花ちゃんの可愛らしいお口に魔力の高まりを感じて慌てて両手で上顎と下顎を閉じる。
クロちゃんも、ちょっ、待てよ、とばかりにお花ちゃんに制止の鳴き声をかけて1人と1頭で止めたわ。
あっぶな、焦土と化してもおかしくなかったわよ?!
氷の魔法の得意な領民が竜巻の真ん中に冷気を発生させたせいで気温が下がったのと、意図的に竜巻の角度を調整しているからとんでもない下降気流になってないかしら?!
何なの、この領民達の一致団結ぶりは?!
クロちゃんの体が地面の方へ流されちゃうし、下手に今のこの子の巨体で抵抗すれば領民も怪我しちゃうわよ?!
しかもご丁寧に風圧だけでぶっ飛びそうな、領の未来を担う小さな子供達が前衛組に入ってるんですけど?!
「がうがう····きゅい!」
「わぁ!」
「可愛い!」
「俺も抱っこする!」
クロちゃんだってあの孤児の子孫達を傷つけたくないって判断したのね。
ぽん、とスモールサイズになったわ。
そうしたら子供達ってば、口々に褒め称えるからこんな時なのにドヤ顔しそうになったわよ!
当のクロちゃんなんてわざと無害な光るだけのキラキラ振り撒くなんて、よっぽど嬉しかったのね。
だけどそれは一瞬のことよ。
お花ちゃんの尻尾をパクッと咥えて私の影に逃げこんだわ。
「うわぁ、金ぴかの竜巻ー!」
「すっげー!」
「私もやってみたい!」
遅れて子供達の歓声が上がったわ。
いくら辺境領でも、もうちょっと危機感持ちなさい?!
「もう、何なの?!」
上空に放り出された私はすぐに風と火の魔法を使って一瞬で無害な風に変えてから着地する。
と、思ったら落下地点まで計算されていたのね。
「「「「「せーの!」」」」」
今度は待機していた赤ん坊から幼児までを抱えたお母さん組が一丸となって土魔法でドーン!と落とし穴を掘ってくれちゃった?!
ぐぬぬぬ、女子供を使った巧妙な心理戦には恐れいるわね!
かなり深い落とし穴に落ちちゃったじゃないのよ!
「はっ?!」
おまけに思わず間抜けな声を上げてしまったわ。
こんな時こそ、どこぞのヒロインもびっくりの「きゃあああああ!!」をお見舞いするタイミングだったんじゃないのかしら?!
一瞬転移してやり直そうかと思ったけれど、ふと、これも余興の1つかしらと思い直したわ。
そのまま重力操作だけして空中をふわふわとしながら背中から着地する格好で素直にゆっくりと落ちてあげたの。
やり直したら興ざめよね。
とりあえず風で舞ってきそうな土埃を巻き上げて外に出しましょうか。
そう思って風を吹き上げさせた時よ。
とっても綺麗な色とりどりの花々が、そして花びらが下から舞ったのは。
それらは真っ青な空に彩りを添えた幻想的な光景だったの。
予想だにしないこの現象に、思わず見入ってしまう。
「・・・・綺麗」
もう少しで地面ね、と思いながら呟く。
このまま寝転がってこの光景をしばらくの間楽しみましょうか。
そう思っていた時よ。
「それは、用意した甲斐があったな」
懐かしい声がして、逞しい腕に抱きとめられたの。
世の乙女達の憧れるお姫様抱っこ。
私をのぞきこむのは、とっても素敵なご尊顔。
さらさらストレートな青銀の髪はあの時と違ってきちんと切り揃えられているのね。
精悍な顔つきはそのままだけど、どこか優しさを感じるわ。
「・・・・・・・・カイン?」
あまりに予想外な現実にしばらく思考停止。
からの、かろうじてダーリン(仮)の名前だけを呟く。
「ああ、やっと見つけた。
俺の愛しい人」
うっすらと涙を浮かべ、蕩けるように微笑む彼はこの5年という時間をきっと有意義に過ごしたのね。
あの時の別れ際のような、くすんだ瞳をしていない。
とっても綺麗な深く澄んだ青。
「ずっと探していた。
会いたかった」
1度私を降ろした彼はそう言いながら強く抱きしめる。
もう冒険者をやっていないかもしれないと思っていたけれど、鍛えた筋肉は衰えていないのね。
「カイン?
まるで愛の告白をされているようなのだけれど、私、都合の良い夢でも見ているのかしら?」
あまりにも現実味のない現実に何だかふわふわとした感覚になるのは何故かしら?
それを聞いたカインが両手を私の肩に添えて少しだけ体を離す。
「ミルティア、夢にしないでくれ。
ちゃんと聞いて欲しい」
とても真剣な眼差しに、大人しく頷いた。
ただし傷つける事は許さん!!!!
協力者には金一封!!!!
捕まえた者には望むものを与える!!!!
者共、かかれー!!!!」
「「「「おおう!!!!」」」」
ドン、と太鼓の音がなった途端、下からは意志疎通の取れた掛け声と共に突風が襲ってきたんですけど?!
お父様?!
何なのミルティア捕獲大作戦て?!
「がうがう!」
「え、ちょっ、何?!」
しかもこれ、ただの風じゃないわ!
領民一丸となって角度を調整して作り出した特大の竜巻じゃない!
うちの領民てばどんな戦闘民族なのかしら?!
「え、冷たい?!」
「ぷぎゃっ」
「待ってお花ちゃん」
「がう!」
小さくなったお花ちゃんの可愛らしいお口に魔力の高まりを感じて慌てて両手で上顎と下顎を閉じる。
クロちゃんも、ちょっ、待てよ、とばかりにお花ちゃんに制止の鳴き声をかけて1人と1頭で止めたわ。
あっぶな、焦土と化してもおかしくなかったわよ?!
氷の魔法の得意な領民が竜巻の真ん中に冷気を発生させたせいで気温が下がったのと、意図的に竜巻の角度を調整しているからとんでもない下降気流になってないかしら?!
何なの、この領民達の一致団結ぶりは?!
クロちゃんの体が地面の方へ流されちゃうし、下手に今のこの子の巨体で抵抗すれば領民も怪我しちゃうわよ?!
しかもご丁寧に風圧だけでぶっ飛びそうな、領の未来を担う小さな子供達が前衛組に入ってるんですけど?!
「がうがう····きゅい!」
「わぁ!」
「可愛い!」
「俺も抱っこする!」
クロちゃんだってあの孤児の子孫達を傷つけたくないって判断したのね。
ぽん、とスモールサイズになったわ。
そうしたら子供達ってば、口々に褒め称えるからこんな時なのにドヤ顔しそうになったわよ!
当のクロちゃんなんてわざと無害な光るだけのキラキラ振り撒くなんて、よっぽど嬉しかったのね。
だけどそれは一瞬のことよ。
お花ちゃんの尻尾をパクッと咥えて私の影に逃げこんだわ。
「うわぁ、金ぴかの竜巻ー!」
「すっげー!」
「私もやってみたい!」
遅れて子供達の歓声が上がったわ。
いくら辺境領でも、もうちょっと危機感持ちなさい?!
「もう、何なの?!」
上空に放り出された私はすぐに風と火の魔法を使って一瞬で無害な風に変えてから着地する。
と、思ったら落下地点まで計算されていたのね。
「「「「「せーの!」」」」」
今度は待機していた赤ん坊から幼児までを抱えたお母さん組が一丸となって土魔法でドーン!と落とし穴を掘ってくれちゃった?!
ぐぬぬぬ、女子供を使った巧妙な心理戦には恐れいるわね!
かなり深い落とし穴に落ちちゃったじゃないのよ!
「はっ?!」
おまけに思わず間抜けな声を上げてしまったわ。
こんな時こそ、どこぞのヒロインもびっくりの「きゃあああああ!!」をお見舞いするタイミングだったんじゃないのかしら?!
一瞬転移してやり直そうかと思ったけれど、ふと、これも余興の1つかしらと思い直したわ。
そのまま重力操作だけして空中をふわふわとしながら背中から着地する格好で素直にゆっくりと落ちてあげたの。
やり直したら興ざめよね。
とりあえず風で舞ってきそうな土埃を巻き上げて外に出しましょうか。
そう思って風を吹き上げさせた時よ。
とっても綺麗な色とりどりの花々が、そして花びらが下から舞ったのは。
それらは真っ青な空に彩りを添えた幻想的な光景だったの。
予想だにしないこの現象に、思わず見入ってしまう。
「・・・・綺麗」
もう少しで地面ね、と思いながら呟く。
このまま寝転がってこの光景をしばらくの間楽しみましょうか。
そう思っていた時よ。
「それは、用意した甲斐があったな」
懐かしい声がして、逞しい腕に抱きとめられたの。
世の乙女達の憧れるお姫様抱っこ。
私をのぞきこむのは、とっても素敵なご尊顔。
さらさらストレートな青銀の髪はあの時と違ってきちんと切り揃えられているのね。
精悍な顔つきはそのままだけど、どこか優しさを感じるわ。
「・・・・・・・・カイン?」
あまりに予想外な現実にしばらく思考停止。
からの、かろうじてダーリン(仮)の名前だけを呟く。
「ああ、やっと見つけた。
俺の愛しい人」
うっすらと涙を浮かべ、蕩けるように微笑む彼はこの5年という時間をきっと有意義に過ごしたのね。
あの時の別れ際のような、くすんだ瞳をしていない。
とっても綺麗な深く澄んだ青。
「ずっと探していた。
会いたかった」
1度私を降ろした彼はそう言いながら強く抱きしめる。
もう冒険者をやっていないかもしれないと思っていたけれど、鍛えた筋肉は衰えていないのね。
「カイン?
まるで愛の告白をされているようなのだけれど、私、都合の良い夢でも見ているのかしら?」
あまりにも現実味のない現実に何だかふわふわとした感覚になるのは何故かしら?
それを聞いたカインが両手を私の肩に添えて少しだけ体を離す。
「ミルティア、夢にしないでくれ。
ちゃんと聞いて欲しい」
とても真剣な眼差しに、大人しく頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する
タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。
社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。
孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。
そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。
追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
予言姫は最後に微笑む
あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。
二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。
欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜
水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。
魔王乱立の時代。
王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。
だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。
にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。
抗議はしない。
訂正もしない。
ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。
――それが、誰にとっての不合格なのか。
まだ、誰も気づいていない。
欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる