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458.馬鹿な男〜マーガレット側妃side
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「エリュウはまだ戻らないの?」
早くグレインビル令嬢を見つけて、エリュウに既成事実を強制的に作らせてでも、縛りつけないと。
エリュウには、私の価値を高める息子になってもらわないといけないの。
「はぁ、お伝えしました通り、聖女ティキー共々、魔力枯渇の症状が激しく、離宮にて静養しております。
どのみち今は使い物にはなりますまい。
それにあの獣人の聖女は供物にできましょうが、王子はどのみち生かさねばなりません。
今は目の上の瘤のような邪魔な王家ですが、かの第一王子さえ亡き者にすれば、エリュウシウェル殿下が王位を継ぐのですから。
本来王家など取り潰してしまいたいのは山々ですが、長らく国の主として統治してきた分、他国との関係もありますからな。
どのみちかの王女が味方でいる限り、時間はたっぷりあるので、気長にいくとしよう」
この男の欲は、いずれザルハード王家を滅ぼすのでしょうね。
人の身で寿命という概念を失くすと、こうも欲深くなるものなのね。
「その為に、まず真っ先に当時は神童と言われ、よりによって闇の精霊を従えかけた第2王子を殺したのです。
そして王妃の生家の者達もあの方が手を下してゆっくりとなぶり殺していった。
あの死んだネルシス令息のように。
1人残った息子も、いずれはそうなるかもしれないとわからせる為に、ゆっくりと。
回復魔法も治癒魔法も効かないのだから、王妃はさぞ恐ろしかったでしょうな。
あの国王すらも息子の為に口を噤み、私のする事に目を瞑ったのだから」
はあ、ベラベラ得意気に喋り始めたわ。
まるで自分が成したような言い方だけど、そうしたのはあの女よ。
「ねえ、私はとっくに知っているんだから、一々言わなくていいのよ。
それよりエリュウが駄目なら、せめてグレインビル嬢だけでも見つけて欲しいのだけど?」
「まったく。
やはり平民が側妃になどなると、身の程をわきまえられんようになるのか。
動かしたくとも、今は人手が足りん」
この男の素は、昔から高圧的で、苛々する。
私もあんたも運が良かっただけの、平民じゃない。
「我が聖フェルメシア教会の権威を他国に知らしめ、国教ではなくこの世界唯一の世界教にする為に、我らは一丸となって動いているのだ」
「一丸と、ねえ」
良く言うわ。
あの女が今の王女になる前から、甘い蜜を吸い続けて、止められなくなっているだけのくせに。
今や言いなりに近い。
あのヒュイグル国の廃太子だって、お金の他にもあの女の口利きがあったから引き取っていたんじゃない。
でなければ私もこの男も、今のように若いままでいられなかった。
アンタも私も本当なら、今頃は老いてとっくに死んでいても不思議じゃない。
私も息子も、この欲深い男にとっては単なる道具でしかない。
もちろん地下に集められた神官と聖女候補達も。
この口調なら、聖騎士達も道具として使うんじゃないかしら。
だって元々この支部にいた者達以外も、今はあの女に言われるがまま、移動させている物。
もちろん私も人の事は言えない。
だってあの女がいる限り、私達は不老長寿を得たのと同じ事。
私に価値がある限り、あの女は私にお金では決して買えない若さを与えてくれるの。
ああ、あの女が持っている若返りの魔具を、私も扱えたらどれだけ良かったか。
「ふん、やはり傲慢になったな。
そなたの息子は全てが終わり次第、王女様にお願いして、今度こそ稀有なる魔法で魅縛していただけば良いのだ。
むしろそれまでは余計な事をせずに眠っておくくらいが丁度良い。
それより側妃も王女も何故、あの無礼な魔力0で魔法も使えぬグレインビル侯爵令嬢にこだわる?」
訝しげにたずねて、私の様子を窺ってくるけど、本当の事は言うはずがない。
出し抜いて、私の価値を更に高めてから、この男は始末してやるわ。
「教皇は魔力に価値があるだなんて、本気で思っているのかしら?」
「当然でしょう」
「でもお金と比べれば、微々たるものよ。
グレインビル令嬢はね、ご自身で今や世界屈指の富を手に入れているの。
もちろん当主や兄達を隠れ蓑に使っているから、王家に居てその動向を見ていなければ、あの年齢と見た目に騙されるのも仕方ない事だけれど」
嘘ではないけど、それが私やあの女にとっての1番ではない理由、けれどこの男にとっては1番の理由を伝えれば……ね?
思った通り、ニヤリと悪巧みした顔になったわ。
ふふふ、短絡的で、馬鹿なんだから。
早くグレインビル令嬢を見つけて、エリュウに既成事実を強制的に作らせてでも、縛りつけないと。
エリュウには、私の価値を高める息子になってもらわないといけないの。
「はぁ、お伝えしました通り、聖女ティキー共々、魔力枯渇の症状が激しく、離宮にて静養しております。
どのみち今は使い物にはなりますまい。
それにあの獣人の聖女は供物にできましょうが、王子はどのみち生かさねばなりません。
今は目の上の瘤のような邪魔な王家ですが、かの第一王子さえ亡き者にすれば、エリュウシウェル殿下が王位を継ぐのですから。
本来王家など取り潰してしまいたいのは山々ですが、長らく国の主として統治してきた分、他国との関係もありますからな。
どのみちかの王女が味方でいる限り、時間はたっぷりあるので、気長にいくとしよう」
この男の欲は、いずれザルハード王家を滅ぼすのでしょうね。
人の身で寿命という概念を失くすと、こうも欲深くなるものなのね。
「その為に、まず真っ先に当時は神童と言われ、よりによって闇の精霊を従えかけた第2王子を殺したのです。
そして王妃の生家の者達もあの方が手を下してゆっくりとなぶり殺していった。
あの死んだネルシス令息のように。
1人残った息子も、いずれはそうなるかもしれないとわからせる為に、ゆっくりと。
回復魔法も治癒魔法も効かないのだから、王妃はさぞ恐ろしかったでしょうな。
あの国王すらも息子の為に口を噤み、私のする事に目を瞑ったのだから」
はあ、ベラベラ得意気に喋り始めたわ。
まるで自分が成したような言い方だけど、そうしたのはあの女よ。
「ねえ、私はとっくに知っているんだから、一々言わなくていいのよ。
それよりエリュウが駄目なら、せめてグレインビル嬢だけでも見つけて欲しいのだけど?」
「まったく。
やはり平民が側妃になどなると、身の程をわきまえられんようになるのか。
動かしたくとも、今は人手が足りん」
この男の素は、昔から高圧的で、苛々する。
私もあんたも運が良かっただけの、平民じゃない。
「我が聖フェルメシア教会の権威を他国に知らしめ、国教ではなくこの世界唯一の世界教にする為に、我らは一丸となって動いているのだ」
「一丸と、ねえ」
良く言うわ。
あの女が今の王女になる前から、甘い蜜を吸い続けて、止められなくなっているだけのくせに。
今や言いなりに近い。
あのヒュイグル国の廃太子だって、お金の他にもあの女の口利きがあったから引き取っていたんじゃない。
でなければ私もこの男も、今のように若いままでいられなかった。
アンタも私も本当なら、今頃は老いてとっくに死んでいても不思議じゃない。
私も息子も、この欲深い男にとっては単なる道具でしかない。
もちろん地下に集められた神官と聖女候補達も。
この口調なら、聖騎士達も道具として使うんじゃないかしら。
だって元々この支部にいた者達以外も、今はあの女に言われるがまま、移動させている物。
もちろん私も人の事は言えない。
だってあの女がいる限り、私達は不老長寿を得たのと同じ事。
私に価値がある限り、あの女は私にお金では決して買えない若さを与えてくれるの。
ああ、あの女が持っている若返りの魔具を、私も扱えたらどれだけ良かったか。
「ふん、やはり傲慢になったな。
そなたの息子は全てが終わり次第、王女様にお願いして、今度こそ稀有なる魔法で魅縛していただけば良いのだ。
むしろそれまでは余計な事をせずに眠っておくくらいが丁度良い。
それより側妃も王女も何故、あの無礼な魔力0で魔法も使えぬグレインビル侯爵令嬢にこだわる?」
訝しげにたずねて、私の様子を窺ってくるけど、本当の事は言うはずがない。
出し抜いて、私の価値を更に高めてから、この男は始末してやるわ。
「教皇は魔力に価値があるだなんて、本気で思っているのかしら?」
「当然でしょう」
「でもお金と比べれば、微々たるものよ。
グレインビル令嬢はね、ご自身で今や世界屈指の富を手に入れているの。
もちろん当主や兄達を隠れ蓑に使っているから、王家に居てその動向を見ていなければ、あの年齢と見た目に騙されるのも仕方ない事だけれど」
嘘ではないけど、それが私やあの女にとっての1番ではない理由、けれどこの男にとっては1番の理由を伝えれば……ね?
思った通り、ニヤリと悪巧みした顔になったわ。
ふふふ、短絡的で、馬鹿なんだから。
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