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1 スローライフは、突然に
1ー3 勇者の体
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1ー3 勇者の体
目が覚めるともう太陽が空の真上に上っていた。
慌てて起き上がろうとしたけど、体中が痛くて!
「いてっ!」
思わず声が出てしまったのだが、一瞬、辺りがざわめいた。
うん?
辺りを見回して僕は、血の気が引いていくのを感じた。
体が震えるのを止められない。
というのも、僕の周囲には、魔物の大群が蠢いていた!
「うぇえっ!?」
びびっている僕と魔物の大群の間には、小さな一匹の魔物がいた。
フェイルという猫に似た魔物の幼体のようだった。
金色の美しい毛並みのその幼い魔物は、なぜか、眠っている僕が魔物に襲われないように守ってくれていたようだ。
「お前、僕のこと守ってくれてたのか?」
『はやく!魔物を追い払え!サク』
頭の中に勇者の声が!
僕は、訳もわからないままに両手を前に差し出して魔力を放出した。
一瞬にして辺りを取り囲んでいた魔物たちが消し炭になる。
僕と金色のフェイルは、ほぅっとため息をついた。
『よし!よくやった、サク』
勇者の声がまた聞こえて。
首を傾げている僕の膝にフェイルの幼体が飛び乗ってきて覗き込んだ。
『まだ、気がつかんのか?私だ、私。ローリア・フォンス・クレメント、だ!』
「勇者、様?」
勇者を名乗るそのフェイルは、僕に魔王城へと戻るように命じた。
『いつまでも私の体が野ざらしになっているのは、我慢できん!』
仕方ないので僕は、フェイルを抱いて立ち上がると燻っている魔物の死骸の山を越えてもう1度魔王城へとむかう。
開いたままの扉から中を覗くと真っ暗で何も見えない。
僕は、フェイルをぎゅっと抱き締めた。
柔らかな毛並みに少しだけ、心が落ち着く。
僕は、ゆっくりと様子を伺いながら城の中へと入っていった。
だんだんと目が慣れてくると歩を速める。
フェイルが小さく声を上げた。
『急げ!サク』
僕は、頷いて奥へと歩き続けた。
魔王城は、広くて。
僕は、どこに勇者たちの死骸があるのかわからなくなり、きょろきょろしていた。
『こっちだ!はやくしろ!』
勇者の声がして僕は、声が示す方向へと急いだ。
しばらく行くとがらんとした広間に出た。
壁が崩れていて外から光が差し込んで黒こげの魔王の死骸が見えた。
僕は、部屋の中を見回して勇者の遺体を探した。
フェイルが突然、腕の中から飛び下りて駆け出す。
ついていくとそこには、瓦礫の下敷きになった勇者の遺体があった。
目が覚めるともう太陽が空の真上に上っていた。
慌てて起き上がろうとしたけど、体中が痛くて!
「いてっ!」
思わず声が出てしまったのだが、一瞬、辺りがざわめいた。
うん?
辺りを見回して僕は、血の気が引いていくのを感じた。
体が震えるのを止められない。
というのも、僕の周囲には、魔物の大群が蠢いていた!
「うぇえっ!?」
びびっている僕と魔物の大群の間には、小さな一匹の魔物がいた。
フェイルという猫に似た魔物の幼体のようだった。
金色の美しい毛並みのその幼い魔物は、なぜか、眠っている僕が魔物に襲われないように守ってくれていたようだ。
「お前、僕のこと守ってくれてたのか?」
『はやく!魔物を追い払え!サク』
頭の中に勇者の声が!
僕は、訳もわからないままに両手を前に差し出して魔力を放出した。
一瞬にして辺りを取り囲んでいた魔物たちが消し炭になる。
僕と金色のフェイルは、ほぅっとため息をついた。
『よし!よくやった、サク』
勇者の声がまた聞こえて。
首を傾げている僕の膝にフェイルの幼体が飛び乗ってきて覗き込んだ。
『まだ、気がつかんのか?私だ、私。ローリア・フォンス・クレメント、だ!』
「勇者、様?」
勇者を名乗るそのフェイルは、僕に魔王城へと戻るように命じた。
『いつまでも私の体が野ざらしになっているのは、我慢できん!』
仕方ないので僕は、フェイルを抱いて立ち上がると燻っている魔物の死骸の山を越えてもう1度魔王城へとむかう。
開いたままの扉から中を覗くと真っ暗で何も見えない。
僕は、フェイルをぎゅっと抱き締めた。
柔らかな毛並みに少しだけ、心が落ち着く。
僕は、ゆっくりと様子を伺いながら城の中へと入っていった。
だんだんと目が慣れてくると歩を速める。
フェイルが小さく声を上げた。
『急げ!サク』
僕は、頷いて奥へと歩き続けた。
魔王城は、広くて。
僕は、どこに勇者たちの死骸があるのかわからなくなり、きょろきょろしていた。
『こっちだ!はやくしろ!』
勇者の声がして僕は、声が示す方向へと急いだ。
しばらく行くとがらんとした広間に出た。
壁が崩れていて外から光が差し込んで黒こげの魔王の死骸が見えた。
僕は、部屋の中を見回して勇者の遺体を探した。
フェイルが突然、腕の中から飛び下りて駆け出す。
ついていくとそこには、瓦礫の下敷きになった勇者の遺体があった。
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