異世界から嫁に来ました~すったもんだがありましたが、すっかり溺愛されてます~

トモモト ヨシユキ

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4 俺の秘密と悪魔の囁き

4ー3 城攻め

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 4ー3 城攻め

 翌日のことだ。
 いつまでもラーが人に戻ったことを隠しておくわけにもいかず、俺は、クーラントにラーのことを引き会わせた。
 クーラントは、俺が連れてきたラーを見て固まってしまった。
 「アルバート国王陛下?」
 「そうだ、私だ」
 ラーが偉そうに言うので俺は、慌ててクーラントに説明した。
 魔法で猫になっていたんだけど夕べ魔法が解けて人に戻った、という俺の説明にクーラントは、無になった。
 うん。
 表情筋が死んでる?
 俺は、無言のままのクーラントに呼び掛けた。
 「あの・・クーラント、さん?」
 「ばっかかぁ?」
 クーラントが急に声を張り上げた。
 「お前ら!何、揉め事ばっか俺の店に持ち込んでんだ?騎士団長の次は、王様?次は、何、持ち込む気だ?ここは、どこか知ってるか?娼館!しょ・う・か・ん、だよ!客が娼婦とかを買ってきゃっきゃっ、うふふって楽しむ場所なんだよ!猫連れ込むとか、あろうことかその猫が人になるとか、そういう場所じゃねぇんだよ!わかったかっつうの!」
 いいたいことを言ってしまったクーラントは、はぁはぁと肩で呼吸をしていた。
 俺は、困っていた。
 ここを今、追い出されたら俺たち、どこに行けばいいんだ?
 ラーが俺の肩にそっと手を置いて俺を抱き寄せたので、俺は、ラーを見上げた。
 ラーは、俺にふっと微笑みかけた。
 「安心しろ。お前が望むならあんな城、私が1人で堕としてやるし、お前と敵対する者の全てを倒して見せる。何、全てを片付けるのに1日もかからないだろう」
 はいっ?
 何、言ってるの?
 この人、俺のために城攻めしようとしてるの?
 ヤバい!
 これ、ヤバいやつだ!
 俺は、ラーにすがり付いた。
 「ラー、大丈夫、だから!問題は、全部、俺と俺の侍従だちで片付けるから!ラーは、何もしなくても、いいから!」
 「そうなのか?」
 ちょっと残念そうにラーが俺にきく。
 「じゃあ、いつ、城に帰れる?」
 「それは、ちょっと・・」
 俺は、クーラントの方をちらっと見た。
 クーラントも俺のことを食い入るように見ている。
 「その・・しばらく、ここで暮らそうよ、ラー。誰も邪魔する人もいないし。ずっと、一緒にいられるよ?」
 
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