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1ー1 プロポーズは突然に
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1ー1 プロポーズは突然に
「結婚を前提にお付き合いを、ぜひ!」
「はい?」
僕は、カウンター越しに唐突におかしなことを言い出した常連客にひきつった笑顔を浮かべて見せる。
「ご、ゴールディ様?」
「どうか、私のことはグレイシスと呼んで欲しい、アイ」
「グレイシス、様」
唖然としている僕の手をとりグレイシス様は、身を乗り出す。
さすがに騎士団長だけあって目力がハンパなく強い!
肩までの長さの綺麗な金色の髪がさらっと流れて、前髪の奥の緑の瞳がぎらぎらと輝いている。
ぎゅっと握られた手が熱い。
「それとも、誰か、思い人でもいるのか?」
「そんなの、いませんが」
グレイシス様の問いに食い気味に答えるがふと、幼馴染みの聖人の顔がよぎった。
いや、まさか!
僕は、ぶんぶんと頭を振った。
あれだけは、ないし!
答えあぐねている僕をまじまじと見つめてグレイシス様が僕の顔にぐっと顔を寄せる。
「もしかして、あの、聖者殿か?」
「いえっ!それだけは、ありませんから!」
僕は、きっぱりと答える。
総一郎だけは、恋人にできないし!
何より、僕は、総一郎に嫌われてるから!
僕の手を掴んでない方の手でグレイシス様が僕のことをぐっと抱き寄せると流れるように唇を奪う。
一瞬、ちゅっと触れるだけのキスだけど、僕は、はっと息を飲んだ。
一応、これが僕のファーストキスだし!
「き、キス、しましたよね?」
何事もなかったかのように僕から体を離したグレイシス様を見上げて唇を押さえてワナワナと震えている僕を見つめてグレイシス様がにっこりと微笑む。
「したかな?ちょっとだけ、触れあったかもしれないけど、キスというほどではないかな」
「はひっ?」
僕は、涙目になってグレイシス様に責めるような視線をむける。
「触れあうだけって!しっかりはっきり唇と唇がくっつきましたよね?」
「さあ」
グレイシス様がとぼけるようにそっぽを向く。
「一瞬のことだったし」
一瞬って!
僕の初めてが!
こんな不意打ちみたいに奪われるなんて!
「は、初めてだったのに!」
「本当か?」
じわっと涙ぐむ僕を見てグレイシス様が真面目な顔をして答える。
「わかった。責任をとって私がお前を嫁にもらおう!」
はいっ?
僕は、余計にあわああわしてしまう。
責任をとって嫁にって!
顔が熱く火照ってくる。
僕は、うつ向いてぼそっと呟いた。
「キスされたからって結婚なんてしませんから!」
「そうか」
グレイシス様が眉を寄せて困ったような顔をする。
「残念だ。でも、諦めるつもりはないぞ、アイ」
グレイシス様は、カウンターに置かれていたハーブティーをごくっと飲み干すと僕に手を振った。
「また来る」
ふっと微笑む騎士の背を僕は、呆然と見送ったのだった。
「結婚を前提にお付き合いを、ぜひ!」
「はい?」
僕は、カウンター越しに唐突におかしなことを言い出した常連客にひきつった笑顔を浮かべて見せる。
「ご、ゴールディ様?」
「どうか、私のことはグレイシスと呼んで欲しい、アイ」
「グレイシス、様」
唖然としている僕の手をとりグレイシス様は、身を乗り出す。
さすがに騎士団長だけあって目力がハンパなく強い!
肩までの長さの綺麗な金色の髪がさらっと流れて、前髪の奥の緑の瞳がぎらぎらと輝いている。
ぎゅっと握られた手が熱い。
「それとも、誰か、思い人でもいるのか?」
「そんなの、いませんが」
グレイシス様の問いに食い気味に答えるがふと、幼馴染みの聖人の顔がよぎった。
いや、まさか!
僕は、ぶんぶんと頭を振った。
あれだけは、ないし!
答えあぐねている僕をまじまじと見つめてグレイシス様が僕の顔にぐっと顔を寄せる。
「もしかして、あの、聖者殿か?」
「いえっ!それだけは、ありませんから!」
僕は、きっぱりと答える。
総一郎だけは、恋人にできないし!
何より、僕は、総一郎に嫌われてるから!
僕の手を掴んでない方の手でグレイシス様が僕のことをぐっと抱き寄せると流れるように唇を奪う。
一瞬、ちゅっと触れるだけのキスだけど、僕は、はっと息を飲んだ。
一応、これが僕のファーストキスだし!
「き、キス、しましたよね?」
何事もなかったかのように僕から体を離したグレイシス様を見上げて唇を押さえてワナワナと震えている僕を見つめてグレイシス様がにっこりと微笑む。
「したかな?ちょっとだけ、触れあったかもしれないけど、キスというほどではないかな」
「はひっ?」
僕は、涙目になってグレイシス様に責めるような視線をむける。
「触れあうだけって!しっかりはっきり唇と唇がくっつきましたよね?」
「さあ」
グレイシス様がとぼけるようにそっぽを向く。
「一瞬のことだったし」
一瞬って!
僕の初めてが!
こんな不意打ちみたいに奪われるなんて!
「は、初めてだったのに!」
「本当か?」
じわっと涙ぐむ僕を見てグレイシス様が真面目な顔をして答える。
「わかった。責任をとって私がお前を嫁にもらおう!」
はいっ?
僕は、余計にあわああわしてしまう。
責任をとって嫁にって!
顔が熱く火照ってくる。
僕は、うつ向いてぼそっと呟いた。
「キスされたからって結婚なんてしませんから!」
「そうか」
グレイシス様が眉を寄せて困ったような顔をする。
「残念だ。でも、諦めるつもりはないぞ、アイ」
グレイシス様は、カウンターに置かれていたハーブティーをごくっと飲み干すと僕に手を振った。
「また来る」
ふっと微笑む騎士の背を僕は、呆然と見送ったのだった。
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