異世界カフェの雇われ店長になりました~常連の騎士様や幼馴染みの聖者の熱愛に絆されそうです~

トモモト ヨシユキ

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3 こうして始まる犬生活?

3ー3 誓約書

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 3ー3 誓約書

 店を片付けてから僕たちは、三階の共用ダイニングのテーブルについた。
 僕を取り囲んで右にオーナー、左に総一郎が腰掛け、正面にキュリアが腰を下ろす。
 「では」
 オーナーがにっこりと微笑んだ。
 「これからの私たちの輝かしい未来についてのお話をしましょうか」
 「はぁ……」
 僕は、びくびくしていた。
 ぎゅっと総一郎が僕の左手に手を重ねてくる。
 「大丈夫、だ。何があっても俺がお前を守る!」
 「総一郎?」
 僕は、総一郎のことをまじまじと見つめた。
 相変わらず長い金色の睫をしている。
 まるで映画に出てくる俳優みたいにきれいな顔をしているな 。
 僕がしばらく総一郎と見つめあっていると隣のオーナーが咳払いをした。
 「本題に入ってもいいかしら?」
 「ああ」
 総一郎が僕から視線を外して頷く。
 オーナーは、どん、と僕の前のテーブルに何かの書類を置くと僕に向かって笑顔を向けた。
 「とりあえず、これにサインをして欲しいの、アイ」
 ええっ?
 僕は、書類を手に取り文面を読もうとしたが、何が書いてあるのか、まったくわからない。
 僕は、この世界の字が読めない。
 書くこともできない。
 そのせいで王宮でもかなりバカにされていた。
 「あの、僕は、字が読めないし、サインも書けません」
 「そうだったな」
 総一郎が訳知りで僕の肩に手を回して耳元で話した。
 「内容は、俺が教えてやるし、サインも手伝ってやる」
 「そうね」
 オーナーも僕の右手をそっと撫でる。
 「決して、あなたに悪いようにはしないから、ね」
 いやっ!
 僕は、不安でいっぱいだった。
 嫌な予感しかしないし!
 僕は、ちらっとキュリアの方をうかがった。
 キュリアは、テーブルに両ひじをついて僕らのことを観察しているようだ。
 「キュリアは、どう思う?」
 僕が意見を求めるとキュリアは、くいっとメガネを指先で直してから口を開いた。
 「俺なら、そんな書類にほいほいサインしたりはしないな」
 そんな書類?
 僕は、書類をキュリアに差し出すと懇願した。
 「キュリア、これになんて書いてあるのか、読んで!お願いだから!」
 ほぼ同時に左右からちっ、という舌打ちが聞こえたのは、気のせいかな?
 キュリアは、ふぅっとため息をつくと嫌そうに僕から書類を受け取って読み始めた。
 「異世界召喚により聖者とともにこの世界リファーズにやってきた異世界の賎民アイの所有権は、アレクセイ・ローナ・ディア・グランティスにあるが、その能力についての使用権は聖者であるソーイチローにあると認め、2人が共同でこの者を管理することをここに認める、だってさ」
 はいっ?
 僕は、首を傾げていた。
 どういうことですか?
 僕の所有権?
 それに、能力の使用権?
 まったく理解できないし!
 「これって、奴隷の誓約書ですか?」
 僕がおそるおそる聞くとオーナーと総一郎が一瞬、アイコンタクトをとってから僕に向き直った。
 
 
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