23 / 30
3 こうして始まる犬生活?
3ー3 誓約書
しおりを挟む
3ー3 誓約書
店を片付けてから僕たちは、三階の共用ダイニングのテーブルについた。
僕を取り囲んで右にオーナー、左に総一郎が腰掛け、正面にキュリアが腰を下ろす。
「では」
オーナーがにっこりと微笑んだ。
「これからの私たちの輝かしい未来についてのお話をしましょうか」
「はぁ……」
僕は、びくびくしていた。
ぎゅっと総一郎が僕の左手に手を重ねてくる。
「大丈夫、だ。何があっても俺がお前を守る!」
「総一郎?」
僕は、総一郎のことをまじまじと見つめた。
相変わらず長い金色の睫をしている。
まるで映画に出てくる俳優みたいにきれいな顔をしているな 。
僕がしばらく総一郎と見つめあっていると隣のオーナーが咳払いをした。
「本題に入ってもいいかしら?」
「ああ」
総一郎が僕から視線を外して頷く。
オーナーは、どん、と僕の前のテーブルに何かの書類を置くと僕に向かって笑顔を向けた。
「とりあえず、これにサインをして欲しいの、アイ」
ええっ?
僕は、書類を手に取り文面を読もうとしたが、何が書いてあるのか、まったくわからない。
僕は、この世界の字が読めない。
書くこともできない。
そのせいで王宮でもかなりバカにされていた。
「あの、僕は、字が読めないし、サインも書けません」
「そうだったな」
総一郎が訳知りで僕の肩に手を回して耳元で話した。
「内容は、俺が教えてやるし、サインも手伝ってやる」
「そうね」
オーナーも僕の右手をそっと撫でる。
「決して、あなたに悪いようにはしないから、ね」
いやっ!
僕は、不安でいっぱいだった。
嫌な予感しかしないし!
僕は、ちらっとキュリアの方をうかがった。
キュリアは、テーブルに両ひじをついて僕らのことを観察しているようだ。
「キュリアは、どう思う?」
僕が意見を求めるとキュリアは、くいっとメガネを指先で直してから口を開いた。
「俺なら、そんな書類にほいほいサインしたりはしないな」
そんな書類?
僕は、書類をキュリアに差し出すと懇願した。
「キュリア、これになんて書いてあるのか、読んで!お願いだから!」
ほぼ同時に左右からちっ、という舌打ちが聞こえたのは、気のせいかな?
キュリアは、ふぅっとため息をつくと嫌そうに僕から書類を受け取って読み始めた。
「異世界召喚により聖者とともにこの世界リファーズにやってきた異世界の賎民アイの所有権は、アレクセイ・ローナ・ディア・グランティスにあるが、その能力についての使用権は聖者であるソーイチローにあると認め、2人が共同でこの者を管理することをここに認める、だってさ」
はいっ?
僕は、首を傾げていた。
どういうことですか?
僕の所有権?
それに、能力の使用権?
まったく理解できないし!
「これって、奴隷の誓約書ですか?」
僕がおそるおそる聞くとオーナーと総一郎が一瞬、アイコンタクトをとってから僕に向き直った。
店を片付けてから僕たちは、三階の共用ダイニングのテーブルについた。
僕を取り囲んで右にオーナー、左に総一郎が腰掛け、正面にキュリアが腰を下ろす。
「では」
オーナーがにっこりと微笑んだ。
「これからの私たちの輝かしい未来についてのお話をしましょうか」
「はぁ……」
僕は、びくびくしていた。
ぎゅっと総一郎が僕の左手に手を重ねてくる。
「大丈夫、だ。何があっても俺がお前を守る!」
「総一郎?」
僕は、総一郎のことをまじまじと見つめた。
相変わらず長い金色の睫をしている。
まるで映画に出てくる俳優みたいにきれいな顔をしているな 。
僕がしばらく総一郎と見つめあっていると隣のオーナーが咳払いをした。
「本題に入ってもいいかしら?」
「ああ」
総一郎が僕から視線を外して頷く。
オーナーは、どん、と僕の前のテーブルに何かの書類を置くと僕に向かって笑顔を向けた。
「とりあえず、これにサインをして欲しいの、アイ」
ええっ?
僕は、書類を手に取り文面を読もうとしたが、何が書いてあるのか、まったくわからない。
僕は、この世界の字が読めない。
書くこともできない。
そのせいで王宮でもかなりバカにされていた。
「あの、僕は、字が読めないし、サインも書けません」
「そうだったな」
総一郎が訳知りで僕の肩に手を回して耳元で話した。
「内容は、俺が教えてやるし、サインも手伝ってやる」
「そうね」
オーナーも僕の右手をそっと撫でる。
「決して、あなたに悪いようにはしないから、ね」
いやっ!
僕は、不安でいっぱいだった。
嫌な予感しかしないし!
僕は、ちらっとキュリアの方をうかがった。
キュリアは、テーブルに両ひじをついて僕らのことを観察しているようだ。
「キュリアは、どう思う?」
僕が意見を求めるとキュリアは、くいっとメガネを指先で直してから口を開いた。
「俺なら、そんな書類にほいほいサインしたりはしないな」
そんな書類?
僕は、書類をキュリアに差し出すと懇願した。
「キュリア、これになんて書いてあるのか、読んで!お願いだから!」
ほぼ同時に左右からちっ、という舌打ちが聞こえたのは、気のせいかな?
キュリアは、ふぅっとため息をつくと嫌そうに僕から書類を受け取って読み始めた。
「異世界召喚により聖者とともにこの世界リファーズにやってきた異世界の賎民アイの所有権は、アレクセイ・ローナ・ディア・グランティスにあるが、その能力についての使用権は聖者であるソーイチローにあると認め、2人が共同でこの者を管理することをここに認める、だってさ」
はいっ?
僕は、首を傾げていた。
どういうことですか?
僕の所有権?
それに、能力の使用権?
まったく理解できないし!
「これって、奴隷の誓約書ですか?」
僕がおそるおそる聞くとオーナーと総一郎が一瞬、アイコンタクトをとってから僕に向き直った。
33
あなたにおすすめの小説
猫を追いかけて異世界に来たら、拾ってくれたのは優しい貴族様でした
水無瀬 蒼
BL
清石拓也はある日飼い猫の黒猫・ルナを追って古びた神社に紛れ込んだ。
そこで、御神木の根に足をひっかけて転んでしまう。
倒れる瞬間、大きな光に飲み込まれる。
そして目を覚ましたのは、遺跡の中だった。
体調の悪い拓也を助けてくれたのは貴族のレオニス・アーゼンハイツだった。
2026.1.5〜
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
勇者になるのを断ったらなぜか敵国の騎士団長に溺愛されました
雪
BL
「勇者様!この国を勝利にお導きください!」
え?勇者って誰のこと?
突如勇者として召喚された俺。
いや、でも勇者ってチート能力持ってるやつのことでしょう?
俺、女神様からそんな能力もらってませんよ?人違いじゃないですか?
魔王様が子供化したので勇者の俺が責任持って育てていたら、いつの間にか溺愛されているみたい
カミヤルイ
BL
顔だけが取り柄の勇者の血を引くジェイミーは、民衆を苦しめていると噂の魔王の討伐を指示され、嫌々家を出た。
ジェイミーの住む村には実害が無い為、噂だけだろうと思っていた魔王は実在し、ジェイミーは為すすべなく倒れそうになる。しかし絶体絶命の瞬間、雷が魔王の身体を貫き、目の前で倒れた。
それでも剣でとどめを刺せない気弱なジェイミーは、魔王の森に来る途中に買った怪しい薬を魔王に使う。
……あれ?小さくなっちゃった!このまま放っておけないよ!
そんなわけで、魔王様が子供化したので子育てスキル0の勇者が連れて帰って育てることになりました。
でも、いろいろありながらも成長していく魔王はなんだかジェイミーへの態度がおかしくて……。
時々シリアスですが、ふわふわんなご都合設定のお話です。
こちらは2021年に創作したものを掲載しています。
初めてのファンタジーで右往左往していたので、設定が甘いですが、ご容赦ください
素敵な表紙は漫画家さんのミミさんにお願いしました。
@Nd1KsPcwB6l90ko
異世界で勇者をやったら執着系騎士に愛された
よしゆき
BL
平凡な高校生の受けが異世界の勇者に選ばれた。女神に美少年へと顔を変えられ勇者になった受けは、一緒に旅をする騎士に告白される。返事を先伸ばしにして受けは攻めの前から姿を消し、そのまま攻めの告白をうやむやにしようとする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる