塔の上のオメガは、アルファに熱愛される~逃れたいんだが番がそれを許さない~

トモモト ヨシユキ

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8 誰もが秘密を持っている。

8ー3 双子

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 8ー3 双子

 それから丸々一晩かけて俺は、二人の子供を産み落とした。
 いや!
 もう、二度とやりたくない。
 身体が裂けるかというぐらいの痛みに堪えてようやく子供たちを産んだんだ。
 二人の元気な鳴き声を聞いて初めて俺は、安心して身体の力を緩めた。
 オーガ君とじいちゃんに抱かれた赤ん坊たちは、顔を真っ赤にして産声を上げている。
 「おめでとうございます、元気な王子様たちでございますよ、ミリナルダ様」
 じいちゃんが目を潤ませている。
 俺は、二人の子供たちを見て口許に笑みを浮かべていた。
 じいちゃんが抱いているのが長男。
 オーガ君が抱いているのが次男らしい。
 長男は、黒髪でオーリとよく似ている。
 でも。
 次男は、明るい茶色の髪をしてて。
 うん。
 きっと、大きくなったら俺に似て金髪になるのかも。
 そんなことを思いながら俺は、眠りについたんだ。

 目覚めると側にオーリがいた。
 オーリは、今までにないぐらい優しい眼差しで俺を見つめていた。
 そっと触れる指先に俺は、ふる、と身体を震えさせた。
 「ありがとう、ミリナルダ。お前は、私に最高の贈り物をくれたんだな」
 ゆっくりとオーリの顔が近づいてきて俺の唇を奪った。
 ついばむような口づけを受けながら俺は、くすぐったさにくすくすっと笑ってしまう。
 「子供たち、は?」
 俺がきくとオーリが微笑んだ。
 「守役たちと子供部屋ですごしている」
 「顔が見たい」
 俺が言うとオーリが俺を抱き上げた。
 「ひぁっ!」
 俺は、慌ててオーリの首もとにすがりつく。
 オーリは、俺を抱いて俺の部屋の隣に作られた子供部屋へと向かった。
 そこには、オーガ君の妹のラーダさんとルーダさんに抱かれて眠っている双子がいた。
 そうか。
 俺は、一瞬で理解した。
 オーガ君の妹たちが俺とオーリの子供たちを守ってくれるんだ。
 俺は、二人に向かってにっこりと微笑んだ。
 「安心して眠っているね」
 「ああ」
 オーリが頷く。
 「この世界の最高の宝物だ」
 俺とオーリで、双子の名前を決めた。
 長男の黒髪の子がエイル。
 次男の茶髪の子がアイン。
 俺とオーリは、双子たちの寝顔を見つめながらお互いの指を絡めて。
 こんなにも暖かい気持ちになれるなんて。
 俺は、オーリの腕に抱かれて涙を流していた。
 「泣くな」
 オーリは、俺の涙を指先で拭うとちゅっ、と頬に口づける。
 「泣いたら、幸せが逃げる」
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