塔の上のオメガは、アルファに熱愛される~逃れたいんだが番がそれを許さない~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
77 / 87
8 誰もが秘密を持っている。

8ー7 授乳

しおりを挟む
 8ー7 授乳

 「私が来ることを楽しみにしてなかったと?」
 オーリの笑顔が怖い!
 俺は、慌てて立ち上がるとオーリの前で跪こうとしたが、両腕を掴まれてオーリに抱き寄せられた。
 「そんな可愛くないことを言うのはこの口か?」
 オーリの指が俺の唇に触れる。
 俺は、それだけで胸がうるさく騒ぐ。
 「あれは、その、言葉の」
 「言い訳するのか?」
 オーリが俺の顎に指をあてて上を向かせると俺に口づけする。
 「ぅんっ!」
 オーリのキスは、濃厚で。
 俺は、呼吸を乱して貪られていた。
 舌で口の中をなぞられ、俺は、意識がふわふわしてくるのを感じて思わずオーリの胸元にしがみつく。
 くちゅくちゅという水音が遠くに聞こえる。
 ようやくオーリが気がすんで離れた時には、俺は、涙と唾液で顔がぐちゃぐちゃに汚れていた。
 そんな俺を見下ろしてオーリは、以前にも増してオス臭くなった精悍な顔でにやりと笑う。
 「まだ、泣くのは速いぞ、ミリナルダ」
 「ひぁっ!」
 オーリの肩に担ぎ上げられて俺は、小さく悲鳴を漏らした。
 オーリは、暴れる俺の尻をぱしんと叩くと寝室に向かって歩き出した。
 「ちょ、ちょっと、待って!」
 「待たない」
 オーリが俺をベッドの上に下ろすと俺の上にのし掛かってくる。
 その余裕のない表情に俺は、はっとしてしまう。
 オーリは、赤い瞳を煌めかせて俺の全身を押さえつけると首もとに軽く噛みつく。
 「もう、4年も待ったんだからな!」
 はいっ?
 俺は、わけがわからなくて。
 きょとんとしている俺にオーリがため息をつく。
 「お前が出産した時、ひどく苦しんだということを聞いたから私は、それから欲望を押さえていたんだ。だが、もう、大丈夫だろう?」
 何が?
 俺は、意味がわからなくて。
 ぼうっとしている間にオーリは、俺の着ていた服を剥ぎ取ると下着のみになった俺を見下ろして目を細める。
 「子を成して一段と美しくなったな、ミリナルダ」
 オーリが俺の胸の尖りを指先でぴんと弾いた。
 「あぅっ!」
 「ふふ、そこを子に吸わせたのか?赤く膨れて艶かしいことだな」
 オーリに言われて俺は、どきん、と心臓が跳ねる。
 オメガの男性は、子は成せるがたいていは乳はでないらしい。
 だが、時々、女のように乳が出る者もいるとオーガ君に聞いて俺は、何度か子供たちが幼かった頃に授乳にチャレンジしたことがあった。
 結果は、乳が出た。
 でも、吸われる痛みに俺が堪えられなくて。
 結局、サラさんに頼むことになったのだ。
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!

天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。 なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____ 過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定 要所要所シリアスが入ります。

処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます

ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。 しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。 ——このままじゃ、王太子に処刑される。 前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。 中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。 囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。 ところが動くほど状況は悪化していく。 レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、 カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、 隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。 しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。 周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり—— 自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。 誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う—— ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。

【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

完結|ひそかに片想いしていた公爵がテンセイとやらで突然甘くなった上、私が12回死んでいる隠しきゃらとは初耳ですが?

七角
BL
第12回BL大賞奨励賞をいただきました♡第二王子のユーリィは、美しい兄と違って国を統べる使命もなく、兄の婚約者・エドゥアルド公爵に十年間叶わぬ片想いをしている。 その公爵が今日、亡くなった。と思いきや、禁忌の蘇生魔法で悪魔的な美貌を復活させた上、ユーリィを抱き締め、「君は一年以内に死ぬが、私が守る」と囁いてー? 十二個もあるユーリィの「死亡ふらぐ」を壊していく中で、この世界が「びいえるげえむ」の舞台であり、公爵は「テンセイシャ」だと判明していく。 転生者と登場人物ゆえのすれ違い、ゲームで割り振られた役割と人格のギャップ、世界の強制力に知らず翻弄されるうち、ユーリィは知る。自分が最悪の「カクシきゃら」だと。そして公爵の中の"創真"が、ユーリィを救うため十二回死んでまでやり直していることを。 どんでん返しからの甘々ハピエンです。

処理中です...