塔の上のオメガは、アルファに熱愛される~逃れたいんだが番がそれを許さない~

トモモト ヨシユキ

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3 偽りの王子と塔の中のオメガ

3ー5 欠陥品

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 3ー5 欠陥品

 「でもっ!オメガは、王子でも殺さないんじゃ?」
 俺がきくと騎士は、はぁっとため息をつく。
 「あんた、あいつがオメガに見えるか?あいつは、明らかにアルファの特性を持っている」
 騎士は、じっと俺を見つめた。
 「遺恨を絶つためにもあいつは生かしておくわけにはいかないんだよ」
 「そん、な……」
 俺は、震える手で騎士の胸元にすがりついた。
 「ルシー君を、殺すの?そんなこと!」
 「あんた、あの従者君とどんな関係なわけ?」
 騎士がくん、と鼻を鳴らす。
 「あんたから、あいつの匂いがぷんぷんしてるぞ。つまり、あいつはあんたにマーキングしてたわけだ。ってことは、あいつとあんたは、深い仲ってことか?」
 「マーキング?」
 俺は、キョトンとする。
 騎士が呆れたような表情をする。
 「アルファのマーキングも知らないのか?いいか?あんたの従者は、あんたを自分の物だって匂いを擦り付けてたんだよ」
 「ルシー君が?俺に?」
 ますます混乱している俺を見て騎士は、はぁっと深いため息を漏らす。
 「そんな無防備で、今までよく項を噛まれなかったんだな。まあ、姫様にそこまでの無体はさすがにあいつも気が引けたってことか?」
 騎士が俺の体を無遠慮に覗き見る。
 「まあ、こんなとこに二人っきりで暮らしてたんだ。体の関係は当然あったんだろうけどな。うちの王子様もそれぐらいは覚悟の上だから安心しな」
 騎士の言葉をきいて俺は、かぁっと顔が火照るのを感じた。
 俺とルシー君が?
 確かに、ちょっとは、そういうこともあったかもしれないけど、その、最後まではしてないし!
 「俺たちは、そんなことしてないし!」
 俺が怒りと恥ずかしさに震えながら訴えると騎士が奇妙な顔をする。
 「そうなのか?というか、もしかして、あんた、ヒートを発症したこと、ないの?」
 ヒート?
 俺がわけがわからないって顔をしていると騎士が難しい顔をする。
 「あんた、いくつだ?」
 「20、もうすぐ21だ」
 俺の返答をきくと騎士は、考え込んだ。
 「もし、その年までヒートがなかったっていうなら……それは、問題だぞ」
 ええっ?
 俺は、なんのことやらますますわからなくて。
 騎士がぶつぶつ言っているのを黙ってきいていると、どうやら俺は、オメガとして欠陥品の可能性があるってことらしい。
 俺は、ぼんやりと納得していた。
 うん。
 俺が欠陥品?
 あり得る話だな。
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