乙女系モブ騎士は、只今絶賛婚活中~子作りを前提にお付き合いを希望しているのになぜか男ばかりに執着されています~

トモモト ヨシユキ

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7 新しい命

7ー9 転生の門

 7ー9 転生の門

 家に帰った俺は、数日、寝込んでしまった。
 高熱が出て、兄が呼んだ治癒師は、俺が死ぬかもしれないと宣告した。
 俺の熱は、原因不明で、治癒師の力も効かなかった。
 兄達は、王都の女神の神殿に行き俺のことを話して助けてくれるようにと訴えたのだという。
 エドも。
 女神の神殿へと足を運び祈りを捧げてくれた。
 それでも俺の熱は下がらなかった。
 このままでは、もう、俺の体がもたないと思った治癒師が俺の体を冷やそうとして王都の近くにある湖の氷を手に入れてくれた。
 その氷は、決して溶けることのない魔法のかけられた氷山から削り取られたものだった。
 その氷に触れた時、俺の苦しかった呼吸がふっと楽になるのを感じた。そして、俺は、体から魂が解き放たれるのを感じていた。
 俺は、気がつくと白い壁に囲まれた場所にいた。
 そこには、大きな白い門があり、その前には、オーガのような角のはえた衛兵が立っていた。
 俺は、その門へと手を伸ばそうとした。
 その俺の手を誰かの手ががしっと掴んだ。
 「ディア!」
 振り向いた俺の目の前にディアの姿があった。
 俺が知っている、強くて、たくましくて、優しい騎士であるディアのままの姿でそこに彼は、立っていた。
 「ディア・・!」
 俺は、その場に座り込んで涙を流した。
 悲しみと、ディアへの申し訳なさで俺は、押し潰されそうになっていた。
 「なぜ、お前がここにいる?」
 ディアが俺に訊ねた。
 「ここは、転生の門。ここに来れるのは、死者と転生者だけだ。お前が死んだのならわかるが、死んでないのなら・・」
 ディアがふっと俺に微笑みかけた。
 「そうか・・お前は、転生者だったのか」
 ディアは、俺の前にしゃがみこむとそっと俺の涙に濡れた頬に触れた。
 「泣かないでくれ、ライナス・・俺の肉体が死しても、俺は、死なない」
 俺の心にディアの言葉がゆっくりと染み渡っていく。
 「ここは、転生の門。俺は、次の命へ転生するのだから」
 ディアが俺に優しく微笑みかけた。
 「さあ、アデレイドのもとへ戻るがいい。今は、今だけは、奴にお前を預けよう。だが、すぐに俺のものにする。それまで待っていてくれ、ライナス」
 ディアの姿が透明になって。
 じょじょに消えていく。
 俺は、慌てて手を伸ばしたが俺の手はもう、ディアには届くことがなかった。
 
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