乙女系モブ騎士は、只今絶賛婚活中~子作りを前提にお付き合いを希望しているのになぜか男ばかりに執着されています~

トモモト ヨシユキ

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番外編 僕の初恋~グレイアース~

3 朝

 3 朝

 僕がわんわん泣いたものだから、父様は、すっかりびっくりしてしまっていた。
 でも。
 僕は、涙が止まらなくて。
 いつの間にか、泣きながら眠ってしまった僕を父様が抱いてくれてるのを感じて。
 父様の温もりに包まれて僕は、夢を見ていた。
 それは、僕が生まれ変わる前の話。
 父様がまだ騎士団員だった頃のこと。
 僕は、いつも気がついたら父様のことを目で追いかけていた。
 僕は、父様のことが好きで好きで。
 ずっと、見守っていた。
 愛おしくて、離したくないと思っていた。
 それがある日、突然現れた父上に拐われそうになって。
 僕は、すごく悔しくて、悲しくて。
 いっぱい父様に意地悪したことを思い出した。
 でも。
 それでも僕は、父様が好きで。
 好きで好きで。
 大好きで。
 
 目が覚めた時、僕は、前世の記憶を思い出していた。
 僕は、生まれ変わる前、父様が所属していた騎士団の団長だった。
 グレイアース・ディア・レイダース
 それが僕のもう一つの名前だった。
 僕は、じっと自分の手を見つめた。
 小さな小さな、子供の手だ。
 こんな手では、何も守ることができない。
 愛しい人を抱き締めることも。
 そのとき。
 声が聞こえた。
 『俺のかわいい天使は、まだおねむかな?』
 父様の声だ!
 僕は、いそいで布団に潜り込んで目を閉じた。
 部屋の扉が開き父様が入ってくるのがわかった。
 『昨日は、あんなに泣いて。いったいどうしたんだ?グレイアースは。普段は、あまり泣いたりしないんだけど。体調が悪いんじゃなければいいんだけど。一応、治癒師様に見てもらった方がいいかも』
 父様は、僕のすぐ側に腰を下ろすと眠ったふりをしている僕の頬をそっと撫でて、そして、軽くキスをした。
 そのキスの感触に僕は、胸がときめくのを感じていた。
 あんなにも恋い焦がれた人が僕にキスをしてくれた!
 ああ!
 僕も父様にキスできたら!
 父様は、僕の方を優しく揺すると僕の名を呼んだ。
 「グレイアース・・ディア・・おはよう」
 僕は、しばらく目が開けられなかった。
 もし、瞳を開いていたら僕は、きっと泣いていたから。
 
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