112 / 117
番外編 僕の初恋~グレイアース~
3 朝
3 朝
僕がわんわん泣いたものだから、父様は、すっかりびっくりしてしまっていた。
でも。
僕は、涙が止まらなくて。
いつの間にか、泣きながら眠ってしまった僕を父様が抱いてくれてるのを感じて。
父様の温もりに包まれて僕は、夢を見ていた。
それは、僕が生まれ変わる前の話。
父様がまだ騎士団員だった頃のこと。
僕は、いつも気がついたら父様のことを目で追いかけていた。
僕は、父様のことが好きで好きで。
ずっと、見守っていた。
愛おしくて、離したくないと思っていた。
それがある日、突然現れた父上に拐われそうになって。
僕は、すごく悔しくて、悲しくて。
いっぱい父様に意地悪したことを思い出した。
でも。
それでも僕は、父様が好きで。
好きで好きで。
大好きで。
目が覚めた時、僕は、前世の記憶を思い出していた。
僕は、生まれ変わる前、父様が所属していた騎士団の団長だった。
グレイアース・ディア・レイダース
それが僕のもう一つの名前だった。
僕は、じっと自分の手を見つめた。
小さな小さな、子供の手だ。
こんな手では、何も守ることができない。
愛しい人を抱き締めることも。
そのとき。
声が聞こえた。
『俺のかわいい天使は、まだおねむかな?』
父様の声だ!
僕は、いそいで布団に潜り込んで目を閉じた。
部屋の扉が開き父様が入ってくるのがわかった。
『昨日は、あんなに泣いて。いったいどうしたんだ?グレイアースは。普段は、あまり泣いたりしないんだけど。体調が悪いんじゃなければいいんだけど。一応、治癒師様に見てもらった方がいいかも』
父様は、僕のすぐ側に腰を下ろすと眠ったふりをしている僕の頬をそっと撫でて、そして、軽くキスをした。
そのキスの感触に僕は、胸がときめくのを感じていた。
あんなにも恋い焦がれた人が僕にキスをしてくれた!
ああ!
僕も父様にキスできたら!
父様は、僕の方を優しく揺すると僕の名を呼んだ。
「グレイアース・・ディア・・おはよう」
僕は、しばらく目が開けられなかった。
もし、瞳を開いていたら僕は、きっと泣いていたから。
僕がわんわん泣いたものだから、父様は、すっかりびっくりしてしまっていた。
でも。
僕は、涙が止まらなくて。
いつの間にか、泣きながら眠ってしまった僕を父様が抱いてくれてるのを感じて。
父様の温もりに包まれて僕は、夢を見ていた。
それは、僕が生まれ変わる前の話。
父様がまだ騎士団員だった頃のこと。
僕は、いつも気がついたら父様のことを目で追いかけていた。
僕は、父様のことが好きで好きで。
ずっと、見守っていた。
愛おしくて、離したくないと思っていた。
それがある日、突然現れた父上に拐われそうになって。
僕は、すごく悔しくて、悲しくて。
いっぱい父様に意地悪したことを思い出した。
でも。
それでも僕は、父様が好きで。
好きで好きで。
大好きで。
目が覚めた時、僕は、前世の記憶を思い出していた。
僕は、生まれ変わる前、父様が所属していた騎士団の団長だった。
グレイアース・ディア・レイダース
それが僕のもう一つの名前だった。
僕は、じっと自分の手を見つめた。
小さな小さな、子供の手だ。
こんな手では、何も守ることができない。
愛しい人を抱き締めることも。
そのとき。
声が聞こえた。
『俺のかわいい天使は、まだおねむかな?』
父様の声だ!
僕は、いそいで布団に潜り込んで目を閉じた。
部屋の扉が開き父様が入ってくるのがわかった。
『昨日は、あんなに泣いて。いったいどうしたんだ?グレイアースは。普段は、あまり泣いたりしないんだけど。体調が悪いんじゃなければいいんだけど。一応、治癒師様に見てもらった方がいいかも』
父様は、僕のすぐ側に腰を下ろすと眠ったふりをしている僕の頬をそっと撫でて、そして、軽くキスをした。
そのキスの感触に僕は、胸がときめくのを感じていた。
あんなにも恋い焦がれた人が僕にキスをしてくれた!
ああ!
僕も父様にキスできたら!
父様は、僕の方を優しく揺すると僕の名を呼んだ。
「グレイアース・・ディア・・おはよう」
僕は、しばらく目が開けられなかった。
もし、瞳を開いていたら僕は、きっと泣いていたから。
あなたにおすすめの小説
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。