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7 領地再建
7ー3 祝い
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7ー3 祝い
その翌日、俺は、ライゾさんに呼ばれて町の住人たちが過ごしているテント村を訪れることになった。
とはいえ、俺とリュートのテントからたいして離れているわけではない。
それなのに。
「下ろしてくれませんか?ラインズゲート侯爵様」
リュートは、まったく聞く耳を持たない様子で俺を横抱きにして運んでいく。
てか、なんで?
俺が歩けなかったのは、リュートとの閨でのことが原因だったんだけど?
確かに、ここに来てから毎夜、俺たちは、一緒に寝てるわけだが。
俺は、かぁっと顔が火照ってくる。
夜毎、リュートは、何かと理由をつけては、自分の魔力を注ぎ込もうとしてくるから俺は、魔力過多でなんだかすごく調子がいいんだけど!
確かに、朝起きた時、足腰が立たないことはある。
でも、体調は、すこぶるいいのだ。
今までにないぐらい元気だし!
というか、体内に魔力がたくさん在りすぎるとなんか、変な感じがするんだよ!
その。
ちょっと誰かに触れられただけでおかしな声が出ちゃいそうになるし!
気を抜いたらなんか、体がうずうずしてくるし!
しかし、こんな状態で領民の前に出るのはちょっと不味いんじゃ?
「やっぱり下ろしてくださ」
「ご領主様!」
ライゾさんが駆け寄ってくる。
「どうぞ、こちらへ!みな、心待にしております」
ライゾさんは、きらきらした目で俺を見つめてくるので、俺は、なんだか恥ずかしくなってくる。
毎晩、リュートに抱かれて乱れている自分がすごくダメなように思えてくる。
いくら、そういう契約だとはいえ、ちょっと身が持ちそうにないし!
俺のそんな気持ちも知らずにリュートは、俺を抱いたままライゾさんの後をついていく。
ライゾさんは、テント村の中央にある広場の真ん中へと俺たちを導いた。
うん。
なんか、すごく気まずい。
広場には、おそらく全町民が集まっていて。
その人たちがみな、一様に俺に対してひれ伏している?
リュートは、俺を抱いたまま中央に置かれたクッションを並べられた台の上に腰を下ろす。
俺は、リュートを下からきっ、と見つめた。
「もう、下ろしてください!ラインズゲート侯爵様!」
俺にきつく言われてリュートは、一瞬、しゅんと萎れるが、すぐに顔を上げてライゾさんたちに訊ねた。
「お前たち、アンリを呼び出して、いったいなんの用だ?」
「はいぃっ!」
ライゾさんがみなを代表して俺たちの方へと近づいてくるときらきら輝く眼差しを俺に向けた。
「この度、ご領主様であられるアンリ様がめでたくも賢きこの地を守護されている神イキナムチ様の御子であることがわかりましたことを祝いましてまことに簡単なものではございますが祝いの席を設けさせていただきました次第でございます」
はいっ?
ライゾさんがぱんぱんと手を叩くと奥の方から何やらお膳を捧げ持った若い娘たちが現れて次々に俺たちの前にご馳走を並べていく。
美味しそうな焼き肉や、山菜料理。それに小さいが果物なども並べられているのを見て俺は、驚いていた。
「これ、いったいどうやって用意したんです?」
「はい。昨夜の内に町の若衆が山に入って狩ってきました。少しですが酒も用意しております。どうか、お召し上がりくださいませ」
ライゾさんに促されて美しい亜麻色の髪の少女が俺たちに杯を差し出す。
俺とリュートが受け取ると少女は、用意されていた白い素焼きの瓶から透明な酒を杯に注ぐ。
「いただこう」
リュートが杯を口許に運ぶとくぃっと飲み干して驚いた表情を浮かべる。
「これは……初めて飲む酒だが、なかなかうまいな」
リュートの杯に少女がまた酒を注いだ。
リュートは、ぐいぐい遠慮なく杯を重ねていた。
俺は、くん、と酒の匂いを嗅いだ。
爽やかな、とてもいい香りがする。
これ、もしかして?
俺は、ぐっと杯から酒を飲んだ。
やっぱり!
これ、日本酒だ!
というか、米の酒だよ!
その翌日、俺は、ライゾさんに呼ばれて町の住人たちが過ごしているテント村を訪れることになった。
とはいえ、俺とリュートのテントからたいして離れているわけではない。
それなのに。
「下ろしてくれませんか?ラインズゲート侯爵様」
リュートは、まったく聞く耳を持たない様子で俺を横抱きにして運んでいく。
てか、なんで?
俺が歩けなかったのは、リュートとの閨でのことが原因だったんだけど?
確かに、ここに来てから毎夜、俺たちは、一緒に寝てるわけだが。
俺は、かぁっと顔が火照ってくる。
夜毎、リュートは、何かと理由をつけては、自分の魔力を注ぎ込もうとしてくるから俺は、魔力過多でなんだかすごく調子がいいんだけど!
確かに、朝起きた時、足腰が立たないことはある。
でも、体調は、すこぶるいいのだ。
今までにないぐらい元気だし!
というか、体内に魔力がたくさん在りすぎるとなんか、変な感じがするんだよ!
その。
ちょっと誰かに触れられただけでおかしな声が出ちゃいそうになるし!
気を抜いたらなんか、体がうずうずしてくるし!
しかし、こんな状態で領民の前に出るのはちょっと不味いんじゃ?
「やっぱり下ろしてくださ」
「ご領主様!」
ライゾさんが駆け寄ってくる。
「どうぞ、こちらへ!みな、心待にしております」
ライゾさんは、きらきらした目で俺を見つめてくるので、俺は、なんだか恥ずかしくなってくる。
毎晩、リュートに抱かれて乱れている自分がすごくダメなように思えてくる。
いくら、そういう契約だとはいえ、ちょっと身が持ちそうにないし!
俺のそんな気持ちも知らずにリュートは、俺を抱いたままライゾさんの後をついていく。
ライゾさんは、テント村の中央にある広場の真ん中へと俺たちを導いた。
うん。
なんか、すごく気まずい。
広場には、おそらく全町民が集まっていて。
その人たちがみな、一様に俺に対してひれ伏している?
リュートは、俺を抱いたまま中央に置かれたクッションを並べられた台の上に腰を下ろす。
俺は、リュートを下からきっ、と見つめた。
「もう、下ろしてください!ラインズゲート侯爵様!」
俺にきつく言われてリュートは、一瞬、しゅんと萎れるが、すぐに顔を上げてライゾさんたちに訊ねた。
「お前たち、アンリを呼び出して、いったいなんの用だ?」
「はいぃっ!」
ライゾさんがみなを代表して俺たちの方へと近づいてくるときらきら輝く眼差しを俺に向けた。
「この度、ご領主様であられるアンリ様がめでたくも賢きこの地を守護されている神イキナムチ様の御子であることがわかりましたことを祝いましてまことに簡単なものではございますが祝いの席を設けさせていただきました次第でございます」
はいっ?
ライゾさんがぱんぱんと手を叩くと奥の方から何やらお膳を捧げ持った若い娘たちが現れて次々に俺たちの前にご馳走を並べていく。
美味しそうな焼き肉や、山菜料理。それに小さいが果物なども並べられているのを見て俺は、驚いていた。
「これ、いったいどうやって用意したんです?」
「はい。昨夜の内に町の若衆が山に入って狩ってきました。少しですが酒も用意しております。どうか、お召し上がりくださいませ」
ライゾさんに促されて美しい亜麻色の髪の少女が俺たちに杯を差し出す。
俺とリュートが受け取ると少女は、用意されていた白い素焼きの瓶から透明な酒を杯に注ぐ。
「いただこう」
リュートが杯を口許に運ぶとくぃっと飲み干して驚いた表情を浮かべる。
「これは……初めて飲む酒だが、なかなかうまいな」
リュートの杯に少女がまた酒を注いだ。
リュートは、ぐいぐい遠慮なく杯を重ねていた。
俺は、くん、と酒の匂いを嗅いだ。
爽やかな、とてもいい香りがする。
これ、もしかして?
俺は、ぐっと杯から酒を飲んだ。
やっぱり!
これ、日本酒だ!
というか、米の酒だよ!
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