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7 領地再建
7ー5 酔っぱらい?
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7ー5 酔っぱらい?
俺たちのいるこの国、マクシーナ王国は、この大陸で一番大きな大国だ。
人々は、ルトアニムス教団の教えに従い平和に暮らしている。
ルトアニムス教団は、豊穣の女神であるラザ神を祭っているが、決して一神教というわけではなく、領地によっては祭る神が異なることもあったりする。
しかし、グレイスフィールド伯爵領のように異国の神を祭っているのは、珍しい。
「本当であれば、我々もこの国の神々の内から祭る神をお選びするべきとされるのでしょうが、幸いなことにこのグレイスフィールド伯爵家は、おおらかな家風であり我々、領民の信仰については、暗黙の了解があったのです」
ライゾさんが話してくれる。
うん。
会ったことないんだけど、きっと、おおらかな人だったんだろうね、前伯爵様って。
俺がそう思っているとリュートが渋い顔をする。
「確かに。ロイズもその父親もおおらか、というか、世間知らずなところはあったな」
なんでも俺の旦那様になる予定だったロイズ・リトラム・グレイスフィールド伯爵は、リュートの貴族学院での同級生だとか。
いわゆる腐れ縁ってやつ?
何かと関わる内に周囲から友人認定されてたらしい。
でも、リュートも伯爵のことを嫌いじゃなかったみたいだしな。
じゃなきゃ、家に出入りしないし、家の危機を救ってやろうなんて思わないだろう。
ロイズは、ちょっと準備に時間がかかって貴族学院に入学するのが遅れたんだとか。
詳しくはしらないけど、字が読めなかったらしい。
だから、年が離れたリュートと学友だったんだと。
俺は、前グレイスフィールド伯爵のこと、まったく知らないんだけど、字が読めなくても貴族学院をちゃんと卒業してるとか、すごいと思う。
それに、亡くなったのも災害にあった領地を心配して訪れて事故に巻き込まれてのことだし。
決して悪い人ではなかったんじゃないかな。
現に、領地の人たちからは、どっちかというと好かれてたみたいだしな。
俺は、知らない夫のことに思いを馳せていた。
もし、彼が生きてたら。
俺、どうなってたのかな。
最初の頃の屋敷でのみなさんの対応を思い出すと、ちょっとうまくやれた自信がない。
たぶん、すぐに、逃げ出してたかも。
そんなことを考えてたらリュートにきゅっと鼻先を摘ままれた。
「にゃっ!」
「何を考えてる?」
リュートがじっと金色の目を細めて俺を睨んでいる。
ちょっと、目が座っている?
もしかして酔っぱらってる?
俺は、杯を重ねているリュートの手をそっと止める。
「もう、酒は、よした方が」
「なぜ?これ、すごく飲みやすくて、うまいぞ」
リュートが俺にふにゃっと笑う。
マジで?
俺は、なんだか胸が高鳴るのを止められない。
いつも貴族の棟梁みたいなすました顔をしてるのに、そんな油断しきった顔を見せるなんて。
俺たちのいるこの国、マクシーナ王国は、この大陸で一番大きな大国だ。
人々は、ルトアニムス教団の教えに従い平和に暮らしている。
ルトアニムス教団は、豊穣の女神であるラザ神を祭っているが、決して一神教というわけではなく、領地によっては祭る神が異なることもあったりする。
しかし、グレイスフィールド伯爵領のように異国の神を祭っているのは、珍しい。
「本当であれば、我々もこの国の神々の内から祭る神をお選びするべきとされるのでしょうが、幸いなことにこのグレイスフィールド伯爵家は、おおらかな家風であり我々、領民の信仰については、暗黙の了解があったのです」
ライゾさんが話してくれる。
うん。
会ったことないんだけど、きっと、おおらかな人だったんだろうね、前伯爵様って。
俺がそう思っているとリュートが渋い顔をする。
「確かに。ロイズもその父親もおおらか、というか、世間知らずなところはあったな」
なんでも俺の旦那様になる予定だったロイズ・リトラム・グレイスフィールド伯爵は、リュートの貴族学院での同級生だとか。
いわゆる腐れ縁ってやつ?
何かと関わる内に周囲から友人認定されてたらしい。
でも、リュートも伯爵のことを嫌いじゃなかったみたいだしな。
じゃなきゃ、家に出入りしないし、家の危機を救ってやろうなんて思わないだろう。
ロイズは、ちょっと準備に時間がかかって貴族学院に入学するのが遅れたんだとか。
詳しくはしらないけど、字が読めなかったらしい。
だから、年が離れたリュートと学友だったんだと。
俺は、前グレイスフィールド伯爵のこと、まったく知らないんだけど、字が読めなくても貴族学院をちゃんと卒業してるとか、すごいと思う。
それに、亡くなったのも災害にあった領地を心配して訪れて事故に巻き込まれてのことだし。
決して悪い人ではなかったんじゃないかな。
現に、領地の人たちからは、どっちかというと好かれてたみたいだしな。
俺は、知らない夫のことに思いを馳せていた。
もし、彼が生きてたら。
俺、どうなってたのかな。
最初の頃の屋敷でのみなさんの対応を思い出すと、ちょっとうまくやれた自信がない。
たぶん、すぐに、逃げ出してたかも。
そんなことを考えてたらリュートにきゅっと鼻先を摘ままれた。
「にゃっ!」
「何を考えてる?」
リュートがじっと金色の目を細めて俺を睨んでいる。
ちょっと、目が座っている?
もしかして酔っぱらってる?
俺は、杯を重ねているリュートの手をそっと止める。
「もう、酒は、よした方が」
「なぜ?これ、すごく飲みやすくて、うまいぞ」
リュートが俺にふにゃっと笑う。
マジで?
俺は、なんだか胸が高鳴るのを止められない。
いつも貴族の棟梁みたいなすました顔をしてるのに、そんな油断しきった顔を見せるなんて。
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