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2 幼年期の終わる頃
2-1 蜜と木登り
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2ー1 蜜と木登り
「待ってよ、メル!」
アル兄は、もう肩で息をしながら懸命に俺の後についてきていた。俺は、アル兄を振り向いて言った。
「もう少し、だよ!がんばって、アル兄」
俺たちは、今、うちの村の近くの森にある1本のシギの巨木に登っていた。
シギというのは、秋に白い花をつける常緑樹で、この世界では、よく建材に使われる木だ。
シギの木は、わりと大きくなる木だったが、この木は、特に大きくて村のシンボルツリーのようなものだった。
俺は、子供の頃から何度もこの木に登っていたが、アル兄は、いつもそんな俺のことを下から見守ってくれていた。
そんなアル兄が、なぜ、今日は、俺と一緒に木登りをしているのかというと、それは、明日のパーティーのためだった。
明日、クララ母様の誕生パーティーが開かれるのだが、俺は、そのときに母様のために美味しいケーキを作りたいと思ったのだ。
クララ母様は、甘いものが大好きだった。
だけど、この田舎では、お菓子など限られていた。
かつて、王都で貴族につかえていたということが自慢の料理長のヒンデルさんは、時々、焼き菓子を作ってくれていたが、 彼が作る焼き菓子は、固くって甘ったるくって、あまり美味しくない。
だから、俺は、クララ母様のために美味しいお菓子を作るつもりだった。
といっても、この世界にないものをどうして俺が作れるのか?
それは、俺のユニークスキルである空想辞典のおかげだった。
俺は、辞典を持っていて、その辞典は、俺の空想するものについていろんなことを俺に教えてくれるのだ。
例えば、クッキーのことを俺が思い浮かべたなら、この辞典は、その作り方やら、材料などを教えてくれるのだ。
この辞典に従って、俺は、数日前からケーキの材料を集めていた。
そして、最後の1つであるムートの蜜がこの木にあるのだった。
この計画を話すと、アル兄は、一緒にムートの蜜をとりに行きたいといいだしたのだが、正直、アル兄には、厳しい話だった。
なぜなら、アル兄は、木登りが苦手だったから。
「アル兄は、木の下で待ってて。俺がとってくるから」
俺は、そう言ったのだが、アル兄は、一緒に行くと言ってきかなかった。
それで、今、彼は、青い顔をして必死に俺の後を追ってこのシギの木によじ登っているのだった。
アル兄は、俺より4才年上の14才だったけど、背も低いし、剣でも魔法でも俺には及ばない。
だが、勉強では、俺は、アル兄に敵わなかった。
特に、商業や、政治についての勉強は、アル兄さんは、家庭教師のルイド先生にも負けていなかった。
俺たちは、1年前に父様から金貨50枚を借りて、小さな商会を作った。
これは、『アルとメル商会』と俺たちが名付けた、要するに会社のようなものだった。
俺たちは、この会社で、いくつかの玩具を作って売り出した。
それによって、俺たちは、商業ギルドからも認められる商人となっていた。
俺がアイデアを思い付いたら、アル兄がそれを商品化して売り出す。
俺たちは、最強のパートナーだった。
「待ってよ、メル!」
アル兄は、もう肩で息をしながら懸命に俺の後についてきていた。俺は、アル兄を振り向いて言った。
「もう少し、だよ!がんばって、アル兄」
俺たちは、今、うちの村の近くの森にある1本のシギの巨木に登っていた。
シギというのは、秋に白い花をつける常緑樹で、この世界では、よく建材に使われる木だ。
シギの木は、わりと大きくなる木だったが、この木は、特に大きくて村のシンボルツリーのようなものだった。
俺は、子供の頃から何度もこの木に登っていたが、アル兄は、いつもそんな俺のことを下から見守ってくれていた。
そんなアル兄が、なぜ、今日は、俺と一緒に木登りをしているのかというと、それは、明日のパーティーのためだった。
明日、クララ母様の誕生パーティーが開かれるのだが、俺は、そのときに母様のために美味しいケーキを作りたいと思ったのだ。
クララ母様は、甘いものが大好きだった。
だけど、この田舎では、お菓子など限られていた。
かつて、王都で貴族につかえていたということが自慢の料理長のヒンデルさんは、時々、焼き菓子を作ってくれていたが、 彼が作る焼き菓子は、固くって甘ったるくって、あまり美味しくない。
だから、俺は、クララ母様のために美味しいお菓子を作るつもりだった。
といっても、この世界にないものをどうして俺が作れるのか?
それは、俺のユニークスキルである空想辞典のおかげだった。
俺は、辞典を持っていて、その辞典は、俺の空想するものについていろんなことを俺に教えてくれるのだ。
例えば、クッキーのことを俺が思い浮かべたなら、この辞典は、その作り方やら、材料などを教えてくれるのだ。
この辞典に従って、俺は、数日前からケーキの材料を集めていた。
そして、最後の1つであるムートの蜜がこの木にあるのだった。
この計画を話すと、アル兄は、一緒にムートの蜜をとりに行きたいといいだしたのだが、正直、アル兄には、厳しい話だった。
なぜなら、アル兄は、木登りが苦手だったから。
「アル兄は、木の下で待ってて。俺がとってくるから」
俺は、そう言ったのだが、アル兄は、一緒に行くと言ってきかなかった。
それで、今、彼は、青い顔をして必死に俺の後を追ってこのシギの木によじ登っているのだった。
アル兄は、俺より4才年上の14才だったけど、背も低いし、剣でも魔法でも俺には及ばない。
だが、勉強では、俺は、アル兄に敵わなかった。
特に、商業や、政治についての勉強は、アル兄さんは、家庭教師のルイド先生にも負けていなかった。
俺たちは、1年前に父様から金貨50枚を借りて、小さな商会を作った。
これは、『アルとメル商会』と俺たちが名付けた、要するに会社のようなものだった。
俺たちは、この会社で、いくつかの玩具を作って売り出した。
それによって、俺たちは、商業ギルドからも認められる商人となっていた。
俺がアイデアを思い付いたら、アル兄がそれを商品化して売り出す。
俺たちは、最強のパートナーだった。
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