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4 賢者の石の宿主は、賢者なんですか?
4-8 墓を堀る者たち
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4ー8 墓を掘る者たち
俺は、島の地中深くに眠っていたこの島の力を目覚めさせ、解放した。
腐った大地を浄化し、その奥に眠る生命を呼び覚ます。
木々は芽吹き、天を目指してその命を伸ばしていく。
巨岩の頂から清水が溢れ、流れ出していく。
俺の足元を濡らすその冷たい水に腰まで浸かって、俺は、水しぶきを飛ばして微笑んだ。
この島は、甦ったのだ。
「どういうことだ?」
クロが俺に訊ねた。
「この力は、なんだ?メリッサ、お前がやったのか?」
「俺であって、俺でない」
俺は、クロに向かって言った。
「俺と俺の中にいるラニ、『賢者の石』がやったことだ」
俺は、立ち上がって島を見下ろした。
緑が溢れる、美しい島だ。
小川は流れ、木々は、ざわめく。
この島は、もう死の島なんかじゃない。
俺は、何か言いたそうなクロを促して、岩山の下の森へと降りていった。
それは、原始の森。
何者の手もまだ触れていない森だった。
そこには、様々な木の実や、キノコ類があった。
俺には、なぜか、どの実やキノコが食べられ、どれが危険なものかがわかった。
俺たちは、大量の食料を収穫して海辺の草原へと向かった。
そこには、3人の男たちがいて、作業していた。
俺とクロは、少し離れた場所から彼らを見守ることにした。
彼らは、黙々と土を掘っては、死体を埋めていた。
もしかして、墓を作ってる?
「許してくれ、俺たちは、どうしても生きて帰らなくてはならないんだ」
男たちの内の1人が呟いた。
「俺たちは、国を、国民たちを救わねばならないという使命がある」
国を救う使命?
なんのことだ?
俺は、クロを見上げた。
クロは、聖獣の姿のままで俺をひょいと咥えて背に乗せると男たちの方へと向かった。
「な、なんだ?」
男たちがクロの姿に驚き、身構えるのを見て、俺は言った。
「俺たちは、敵じゃない。たぶん」
「たぶん?」
男たちが疑うように俺たちを見た。
「この島に、何か魔法をかけたのは、お前たちか?」
「ああ」
俺は頷いた。
「向こうに食料もある」
「食料が?」
男たちがごくりと喉を鳴らした。
「・・本当か?」
「決まってるだろうが!」
クロが唸った。
「だが、メリッサに危害を加えようとするものは、ここで殺す!」
「メリッサって・・その子のことか?」
男たちの1人、1番年配らしい者がきいたので、俺は頷いた。
その男は、不意に涙ぐんだ。
「よかった。心配してたんだ。無事だったんだな、嬢ちゃん」
「ほんとに、よかった」
薄汚れた金髪の若い男が言ったのに、もう1人の黒髪の男も頷いた。
クロが唸り声をあげた。
「騙されるな!メリッサ。こいつらは、お前のことを犯そうとした連中だぞ!」
「いや」
俺は、クロに言った。
「この人たちは、俺にあのとき何もしなかった」
そう。
乱暴もしなかったが、助けもしなかった。
俺は、島の地中深くに眠っていたこの島の力を目覚めさせ、解放した。
腐った大地を浄化し、その奥に眠る生命を呼び覚ます。
木々は芽吹き、天を目指してその命を伸ばしていく。
巨岩の頂から清水が溢れ、流れ出していく。
俺の足元を濡らすその冷たい水に腰まで浸かって、俺は、水しぶきを飛ばして微笑んだ。
この島は、甦ったのだ。
「どういうことだ?」
クロが俺に訊ねた。
「この力は、なんだ?メリッサ、お前がやったのか?」
「俺であって、俺でない」
俺は、クロに向かって言った。
「俺と俺の中にいるラニ、『賢者の石』がやったことだ」
俺は、立ち上がって島を見下ろした。
緑が溢れる、美しい島だ。
小川は流れ、木々は、ざわめく。
この島は、もう死の島なんかじゃない。
俺は、何か言いたそうなクロを促して、岩山の下の森へと降りていった。
それは、原始の森。
何者の手もまだ触れていない森だった。
そこには、様々な木の実や、キノコ類があった。
俺には、なぜか、どの実やキノコが食べられ、どれが危険なものかがわかった。
俺たちは、大量の食料を収穫して海辺の草原へと向かった。
そこには、3人の男たちがいて、作業していた。
俺とクロは、少し離れた場所から彼らを見守ることにした。
彼らは、黙々と土を掘っては、死体を埋めていた。
もしかして、墓を作ってる?
「許してくれ、俺たちは、どうしても生きて帰らなくてはならないんだ」
男たちの内の1人が呟いた。
「俺たちは、国を、国民たちを救わねばならないという使命がある」
国を救う使命?
なんのことだ?
俺は、クロを見上げた。
クロは、聖獣の姿のままで俺をひょいと咥えて背に乗せると男たちの方へと向かった。
「な、なんだ?」
男たちがクロの姿に驚き、身構えるのを見て、俺は言った。
「俺たちは、敵じゃない。たぶん」
「たぶん?」
男たちが疑うように俺たちを見た。
「この島に、何か魔法をかけたのは、お前たちか?」
「ああ」
俺は頷いた。
「向こうに食料もある」
「食料が?」
男たちがごくりと喉を鳴らした。
「・・本当か?」
「決まってるだろうが!」
クロが唸った。
「だが、メリッサに危害を加えようとするものは、ここで殺す!」
「メリッサって・・その子のことか?」
男たちの1人、1番年配らしい者がきいたので、俺は頷いた。
その男は、不意に涙ぐんだ。
「よかった。心配してたんだ。無事だったんだな、嬢ちゃん」
「ほんとに、よかった」
薄汚れた金髪の若い男が言ったのに、もう1人の黒髪の男も頷いた。
クロが唸り声をあげた。
「騙されるな!メリッサ。こいつらは、お前のことを犯そうとした連中だぞ!」
「いや」
俺は、クロに言った。
「この人たちは、俺にあのとき何もしなかった」
そう。
乱暴もしなかったが、助けもしなかった。
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