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11 学園祭の花は、誰だ?
11-10 それぞれの戦う理由
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11ー10 それぞれの戦う理由
クラス対抗試合は、魔法の部個人戦と剣技の部が隣り合った闘技場で同時に行われる。
俺とアレイアスは、別々の試合会場へと入っていった。
闘技場は、大入り満員で観客のざわめきでうるさいぐらいだ。
第一試合は、特別クラスのライザと他クラスの女子との試合だったが、ライザの瞬殺だった。
俺は、一回戦の最後の組だったから、のんびりと試合見物を楽しんでいた。
「君がメリッサ?」
地味なモブ系の少年が声をかけてきた。
「僕は、『落ちこぼれクラス』のモーリス・ケイだ。よろしく」
そう、第一回戦のラストを飾るのは、『落ちこぼれクラス』と『花嫁クラス』の対戦だった。
「こちらこそ」
俺は、モーリスの差し出した手を握った。
「よろしく」
一回戦は、ほとんどの試合が瞬殺で面白味がなかった。
あっという間に一回戦の最終試合である俺とモーリスの番となった。
審判をしているリューイ先生の手が振り下ろされて試合が開始されると、すぐにモーリスは、魔法の詠唱を始めた。
うん。
残念だな。
俺は、モーリスの詠唱をききながら思っていた。
なかなか筋はいいのに、遅い。
俺は、無詠唱で光の矢を放った。
矢は伸びて、光の糸となりモーリスの体を縛り付ける。
「ええっ?」
モーリスが声をあげた。
「マジか!」
光の糸で縛られて身動きがとれなくなったモーリスが審判に降参を告げた。
リューイ先生は、俺の勝ちを宣言した。
俺が光の糸を解いて解放してやると、モーリスは、溜め息をついた。
「あーあ、最低だな。『花嫁クラス』に負けるなんて」
「まあ、たまには、そんなこともあるんじゃねぇの?」
俺が言うと、モーリスが俺を睨んだ。
「適当な慰め言ってんなよな。あんた、無詠唱だったよな?なんで、あんたみたいなのが『花嫁クラス』なんかにいるわけ?」
「さあ、なんでかな」
俺は、笑って、モーリスが立ち上がるのに手を貸してやった。
二回戦は、2試合だ。
俺は、下位クラスの2組の内、勝った方と戦うことになる。
俺がぼんやりと試合を見ていると隣の闘技場でわっと歓声があがった。
アレイアス、大丈夫かなぁ。
俺は、アレイアスのことは、アル兄に任せていたんだが、やっぱり気になるな。
耳をすませると、笑い声を含んだ歓声が聞こえてくる。
「余裕だな、ガーランド」
ライザが声をかけてきた。
ああ、第2試合が終わったのか。
「試合、どうだった?」
俺がきくと、ライザは、冷ややかに答えた。
「誰にきいている?」
わぁ。
さすが、氷の姫君。
ひやっこいな!
「お前こそ、次の試合、必ず勝て。そして、私と戦え、ガーランド」
はい?
俺は、ライザの方を見た。
なんでライバル視されてるの?
まあ、俺が勝つんだけどな。
俺は、はぁっと息をついた。
俺は、勝たなきゃ、落第の危機なんだよ!
「もちろん、勝つさ」
俺は、答えた。
「それに、あんたにも、な」
「ほざくな!」
ライザが俺を壁際に押し付けて壁ドンしてきた。
「貴様にはわかるまい。天才魔導師と呼ばれる父を持つ者の気持ちなど!」
天才魔導師?
俺は、なんかが引っ掛かったけど気のせいかな、と思っていた。だが、ライザは、言った。
「父は、学生時代、このクラス対抗試合で優勝した。私も、これに勝たねばならない。そうしなくては、父の子だと認められはしないのだ!」
ええっ?
俺は、あまりの重い話に軽くひいていた。
「なんで勝たなきゃ、親父さんの子だと認められないわけ?」
「それは・・」
ライザの表情が曇った。
うん。
勝たせてあげたいのはやまやまだけど、俺も勝たなきゃならない理由があるんだよ!
「とにかく、俺は、誰にも負けるつもりはないからな」
俺は、ライザに言った。ライザは、ふん、と鼻を鳴らした。
「それは、こちらの台詞だ」
クラス対抗試合は、魔法の部個人戦と剣技の部が隣り合った闘技場で同時に行われる。
俺とアレイアスは、別々の試合会場へと入っていった。
闘技場は、大入り満員で観客のざわめきでうるさいぐらいだ。
第一試合は、特別クラスのライザと他クラスの女子との試合だったが、ライザの瞬殺だった。
俺は、一回戦の最後の組だったから、のんびりと試合見物を楽しんでいた。
「君がメリッサ?」
地味なモブ系の少年が声をかけてきた。
「僕は、『落ちこぼれクラス』のモーリス・ケイだ。よろしく」
そう、第一回戦のラストを飾るのは、『落ちこぼれクラス』と『花嫁クラス』の対戦だった。
「こちらこそ」
俺は、モーリスの差し出した手を握った。
「よろしく」
一回戦は、ほとんどの試合が瞬殺で面白味がなかった。
あっという間に一回戦の最終試合である俺とモーリスの番となった。
審判をしているリューイ先生の手が振り下ろされて試合が開始されると、すぐにモーリスは、魔法の詠唱を始めた。
うん。
残念だな。
俺は、モーリスの詠唱をききながら思っていた。
なかなか筋はいいのに、遅い。
俺は、無詠唱で光の矢を放った。
矢は伸びて、光の糸となりモーリスの体を縛り付ける。
「ええっ?」
モーリスが声をあげた。
「マジか!」
光の糸で縛られて身動きがとれなくなったモーリスが審判に降参を告げた。
リューイ先生は、俺の勝ちを宣言した。
俺が光の糸を解いて解放してやると、モーリスは、溜め息をついた。
「あーあ、最低だな。『花嫁クラス』に負けるなんて」
「まあ、たまには、そんなこともあるんじゃねぇの?」
俺が言うと、モーリスが俺を睨んだ。
「適当な慰め言ってんなよな。あんた、無詠唱だったよな?なんで、あんたみたいなのが『花嫁クラス』なんかにいるわけ?」
「さあ、なんでかな」
俺は、笑って、モーリスが立ち上がるのに手を貸してやった。
二回戦は、2試合だ。
俺は、下位クラスの2組の内、勝った方と戦うことになる。
俺がぼんやりと試合を見ていると隣の闘技場でわっと歓声があがった。
アレイアス、大丈夫かなぁ。
俺は、アレイアスのことは、アル兄に任せていたんだが、やっぱり気になるな。
耳をすませると、笑い声を含んだ歓声が聞こえてくる。
「余裕だな、ガーランド」
ライザが声をかけてきた。
ああ、第2試合が終わったのか。
「試合、どうだった?」
俺がきくと、ライザは、冷ややかに答えた。
「誰にきいている?」
わぁ。
さすが、氷の姫君。
ひやっこいな!
「お前こそ、次の試合、必ず勝て。そして、私と戦え、ガーランド」
はい?
俺は、ライザの方を見た。
なんでライバル視されてるの?
まあ、俺が勝つんだけどな。
俺は、はぁっと息をついた。
俺は、勝たなきゃ、落第の危機なんだよ!
「もちろん、勝つさ」
俺は、答えた。
「それに、あんたにも、な」
「ほざくな!」
ライザが俺を壁際に押し付けて壁ドンしてきた。
「貴様にはわかるまい。天才魔導師と呼ばれる父を持つ者の気持ちなど!」
天才魔導師?
俺は、なんかが引っ掛かったけど気のせいかな、と思っていた。だが、ライザは、言った。
「父は、学生時代、このクラス対抗試合で優勝した。私も、これに勝たねばならない。そうしなくては、父の子だと認められはしないのだ!」
ええっ?
俺は、あまりの重い話に軽くひいていた。
「なんで勝たなきゃ、親父さんの子だと認められないわけ?」
「それは・・」
ライザの表情が曇った。
うん。
勝たせてあげたいのはやまやまだけど、俺も勝たなきゃならない理由があるんだよ!
「とにかく、俺は、誰にも負けるつもりはないからな」
俺は、ライザに言った。ライザは、ふん、と鼻を鳴らした。
「それは、こちらの台詞だ」
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