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第11章 交流戦
11ー3 王城にて
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11ー3 王城にて
王城に到着したわたしは、すぐに他の交流戦の出場者たちと合流した。
赤いドレス姿のセシリア様がわたしのドレス姿に目を見張った。
「まあ!カイラ。あなた、なんてステキなの!」
「ほんとに!」
ピンクのかわいらしいドレス姿のルゥと淡いクリーム色のドレス姿のルチアが頬をポッと染めてため息をついた。
エラード様は、にっこりと微笑んだ。
「少し、ルシーディア様が羨ましくなってしまうね、カイラ」
そう言うとエラード様は、隣に突っ立っているライモンドの脇腹を肘で小突いた。
「なんとか言ったらどうだ?ライモンド」
「は、はひっ!」
ライモンドがおかしな声をあげる。
エラード様がクスクス笑った。
「あんまりじっと見つめているとルシーディア様のお怒りをかうぞ、ライモンド」
わたしたちは、和やかに笑った。
体調の優れない国王様にかわり壇上の玉座に座ったルシーディア様の方をわたしは、ちらっと眺めた。
うん?
目が合った。
ルシーディア様が微笑まれるのをみてわたしは、なぜか頬が熱くなるのを感じていた。
しばらくして辺りが静まり、玉座の間の中央の扉が開かれて数名の男女が入場してきた。
「きたぞ、我々の敵が」
エラード様の囁きにセシリア様が小声で反論した。
「敵だなんて。あれは、大切なお客様方でしょう?」
わたしは、玉座の前に近づいてくる彼らをじっと見つめていた。
すごく可愛らしい淡いピンクのドレス姿に金の糸のような美しい髪を高く結い上げたお人形のように可愛らしい少女がわたしに微笑みかけてきた。
「あれが、前回、ルシーディア様を破った聖女候補生のリータ様だよ」
エラード様がそっとわたしに囁く。
わたしは、彼女をじっと見つめたままにっこりと微笑み返した。
ルシーディア様の婚約者(仮)としては、ここで簡単に迫力負けするわけにはいかない。
リータ様は、わたしをかなりきつい目付きで見つめてきた。
あ、もしかして怒らせちゃった?
わたしたちが沈黙したままにらみ合っているとルシーディア様が立ち上がって声を発せられた。
「3年ぶりのムスタファ王国と我が国メルロープ王国、両国の最高学府である魔法学園の交流戦にこの場に集ってくれたこと大義である。双方、明日からの戦いを前にゆっくりと交流を深めて欲しい」
わたしたちは、玉座の間から場所を舞踏会場へと移した。
毎回の伝統として交流戦の選手たちは、お互いにダンスに誘いあうことになっていた。
エラード様が流れるようにリータ様の手をとり音楽にのって踊り始める。
セシリア様もムスタファ王国側の背の高い色黒の赤い髪の男子に手をとられて会場の中央へと進み出る。
他の選手たちも徐々にダンスの相手を選んで踊り始めたが、わたしとライモンドは、二人だけ取り残されていた。
というか、相手の残り二人と見つめあってお互いに身動きがとれなかったのだ。
相手の残された二人は、熊のような大柄なボサボサの黒髪の男子と小柄な栗色の髪の地味な印象の少女だった。
王城に到着したわたしは、すぐに他の交流戦の出場者たちと合流した。
赤いドレス姿のセシリア様がわたしのドレス姿に目を見張った。
「まあ!カイラ。あなた、なんてステキなの!」
「ほんとに!」
ピンクのかわいらしいドレス姿のルゥと淡いクリーム色のドレス姿のルチアが頬をポッと染めてため息をついた。
エラード様は、にっこりと微笑んだ。
「少し、ルシーディア様が羨ましくなってしまうね、カイラ」
そう言うとエラード様は、隣に突っ立っているライモンドの脇腹を肘で小突いた。
「なんとか言ったらどうだ?ライモンド」
「は、はひっ!」
ライモンドがおかしな声をあげる。
エラード様がクスクス笑った。
「あんまりじっと見つめているとルシーディア様のお怒りをかうぞ、ライモンド」
わたしたちは、和やかに笑った。
体調の優れない国王様にかわり壇上の玉座に座ったルシーディア様の方をわたしは、ちらっと眺めた。
うん?
目が合った。
ルシーディア様が微笑まれるのをみてわたしは、なぜか頬が熱くなるのを感じていた。
しばらくして辺りが静まり、玉座の間の中央の扉が開かれて数名の男女が入場してきた。
「きたぞ、我々の敵が」
エラード様の囁きにセシリア様が小声で反論した。
「敵だなんて。あれは、大切なお客様方でしょう?」
わたしは、玉座の前に近づいてくる彼らをじっと見つめていた。
すごく可愛らしい淡いピンクのドレス姿に金の糸のような美しい髪を高く結い上げたお人形のように可愛らしい少女がわたしに微笑みかけてきた。
「あれが、前回、ルシーディア様を破った聖女候補生のリータ様だよ」
エラード様がそっとわたしに囁く。
わたしは、彼女をじっと見つめたままにっこりと微笑み返した。
ルシーディア様の婚約者(仮)としては、ここで簡単に迫力負けするわけにはいかない。
リータ様は、わたしをかなりきつい目付きで見つめてきた。
あ、もしかして怒らせちゃった?
わたしたちが沈黙したままにらみ合っているとルシーディア様が立ち上がって声を発せられた。
「3年ぶりのムスタファ王国と我が国メルロープ王国、両国の最高学府である魔法学園の交流戦にこの場に集ってくれたこと大義である。双方、明日からの戦いを前にゆっくりと交流を深めて欲しい」
わたしたちは、玉座の間から場所を舞踏会場へと移した。
毎回の伝統として交流戦の選手たちは、お互いにダンスに誘いあうことになっていた。
エラード様が流れるようにリータ様の手をとり音楽にのって踊り始める。
セシリア様もムスタファ王国側の背の高い色黒の赤い髪の男子に手をとられて会場の中央へと進み出る。
他の選手たちも徐々にダンスの相手を選んで踊り始めたが、わたしとライモンドは、二人だけ取り残されていた。
というか、相手の残り二人と見つめあってお互いに身動きがとれなかったのだ。
相手の残された二人は、熊のような大柄なボサボサの黒髪の男子と小柄な栗色の髪の地味な印象の少女だった。
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