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第16章 魔王
16ー9 王
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16ー9 王
それからは、あっという間に時が流れた。
わたしは、イーサ王国の姫として王国の復興のために懸命に働いた。
シタールさんたちは、わたしを女王にしたがっていたがわたしは、それをかたくなに拒んでいた。
それは、自分自身がそんな器ではないというわたしの思いもあったが、それだけではなかった。
もしも女王になってしまえば本当にもう二度とメルロープ王国には帰れなくなってしまう。
何年もの間、イーサ王国のために生きてきたとはいえ、わたしの故国は、やはりメルロープ王国なのだ。
だけど。
いつまでも中途半端なままではいられない。
わたしは、そろそろ決断するべき時がきていることを知っていた。
ジェリコは、優秀だがこの数年の間に王位継承権を放棄していた。
今では、彼は、宰相としてわたしの補佐をしてくれている。
ルゥナは、反対することはなかった。
彼女は、宰相としてのジェリコの補佐をつとめていたが特にわたしに敵意を持つこともなかった。
それどころか、彼女は、わたしとジェリコの婚約をすすめてきた。
周囲のみんながそれを望んでいた。
ジェリコを王配にというのは、国民からも望まれていることだった。
だが。
わたしは、それに踏みきることはできなかった。
しかし、いつまでも王座を空白にしておくことはよくないことだ。
せっかく落ち着いてきたこの国に乱を呼ぶだろうことは明らかだ。
わたしは、ついにシタールさんたちの望みを受け入れることになった。
それにこれは、ハノーバー王国の王であるルチアーノさんの意向でもあった。
ハノーバー王国は、イーサ王国の復興のためにさまざまな援助をしてくれた。
クロノフさんも商人として尽力してくれた。
もう、わたしの気持ちだけで王位につくことを拒むことはできなかった。
こうしてついにわたしは、イーサ王国の女王の座に就くことになった。
わたしは、もう十九歳になっていた。
メルロープ王国とは、国としての外交はあったし、個人的にも手紙のやり取りなどはあった。
アルタス様やウルティア様とも頻繁に手紙をやり取りしていた。
いつまでも懐かしい。
わたしの心がほっこりとする思い出だった。
シタールさんは、今回のわたしの女王就任の祝いの儀にメルロープ王国の王族も招くことにしていた。
魔族の国の女王の就任に人間の国の王族が招かれるのは、イーサ王国始まって以来のことだそうだ。
それからは、あっという間に時が流れた。
わたしは、イーサ王国の姫として王国の復興のために懸命に働いた。
シタールさんたちは、わたしを女王にしたがっていたがわたしは、それをかたくなに拒んでいた。
それは、自分自身がそんな器ではないというわたしの思いもあったが、それだけではなかった。
もしも女王になってしまえば本当にもう二度とメルロープ王国には帰れなくなってしまう。
何年もの間、イーサ王国のために生きてきたとはいえ、わたしの故国は、やはりメルロープ王国なのだ。
だけど。
いつまでも中途半端なままではいられない。
わたしは、そろそろ決断するべき時がきていることを知っていた。
ジェリコは、優秀だがこの数年の間に王位継承権を放棄していた。
今では、彼は、宰相としてわたしの補佐をしてくれている。
ルゥナは、反対することはなかった。
彼女は、宰相としてのジェリコの補佐をつとめていたが特にわたしに敵意を持つこともなかった。
それどころか、彼女は、わたしとジェリコの婚約をすすめてきた。
周囲のみんながそれを望んでいた。
ジェリコを王配にというのは、国民からも望まれていることだった。
だが。
わたしは、それに踏みきることはできなかった。
しかし、いつまでも王座を空白にしておくことはよくないことだ。
せっかく落ち着いてきたこの国に乱を呼ぶだろうことは明らかだ。
わたしは、ついにシタールさんたちの望みを受け入れることになった。
それにこれは、ハノーバー王国の王であるルチアーノさんの意向でもあった。
ハノーバー王国は、イーサ王国の復興のためにさまざまな援助をしてくれた。
クロノフさんも商人として尽力してくれた。
もう、わたしの気持ちだけで王位につくことを拒むことはできなかった。
こうしてついにわたしは、イーサ王国の女王の座に就くことになった。
わたしは、もう十九歳になっていた。
メルロープ王国とは、国としての外交はあったし、個人的にも手紙のやり取りなどはあった。
アルタス様やウルティア様とも頻繁に手紙をやり取りしていた。
いつまでも懐かしい。
わたしの心がほっこりとする思い出だった。
シタールさんは、今回のわたしの女王就任の祝いの儀にメルロープ王国の王族も招くことにしていた。
魔族の国の女王の就任に人間の国の王族が招かれるのは、イーサ王国始まって以来のことだそうだ。
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