スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する~もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます~

トモモト ヨシユキ

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7 大聖女の魔法

7ー2 あなたを領主とは認めない!

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 7ー2 あなたを領主とは認めない!

 「そうでしょう?このクルの花のお茶は、『ヴェータ』沼の名産品として売り出し中なんですよ」
 エリクさんが自慢してるのを私は、微笑ましく見つめていた。
 「他にも、いろいろクルの木を使った加工品を扱っています。どれも評判がよくてみな、喜んでいます」
 キンドさんが信じられないものを見るような顔をしてエリクさんと私を交互にうかがっていると、部屋のドアが開いてノマさんとルシアさんが現れた。
 「エリク様、ラトーニャ商会からのご使者が見えられました」
 もちろん2人とも普段着だがそれなりの貴族か商人並みの服装をしている。キンドさんが余計に奇妙なものを見るような表情をしている。
 「2人には、我々の商会の一員として働いてもらっています。とても優秀で助かっていますよ」
 エリクさんの言葉にキンドさんがますます信じられないという表情になっている。もう言葉を忘れたんじゃないかという感じのキンドさんにエリクさんが問いかけた。
 「それで?今日は、なんの用です?」
 キンドさんがはっとしてエリクさんに向かって掠れた声を発した。
 「立ち退きの期限まであと1週間だ」
 「それなら、以前にもお話しした筈だが」
 エリクさんが口許に笑みを浮かべた。
 「私たちは、ここを出ていくつもりはない」
 「しかし!」
 キンドさんががちゃん、とカップをテーブルの上の皿に戻した。
 「私は、ここの領主であり、領主の命令は絶対だ!」
 「そうですね。だから、我々は、きちんと税を納めていた。それにここは、もう、あなたの領地とは言えないのでは?」
 エリクさんがきくとキンドさんが目を細めた。
 「確かに、今の『ヴェータ』沼は、以前のものと比べれば大きさがかなり拡がっているし、状態もだいぶ改善されているようだが、ここが私の領地であることに変わりはない」
 「しかし、この『ヴェータ』沼の現状を作り出したのはあなたではない」
 エリクさんがきっぱりくっきりと言い放った。
 「今の『ヴェータ』沼を作ったのはここにいる大聖女 ユイと『ヴェータ』沼に暮らす人々だ」
 「しかし!」
 尚も何か言おうとしているキンドさんにエリクさんが有無を言わせぬ調子で告げた。
 「我々、『ヴェータ』沼の住民は、あなたを領主とは認めない。出ていくのは、あなたの方だ、ライディア・キンド男爵」
 
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