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7 大聖女の魔法
7ー5 交易場
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7ー5 交易場
エリクさんの執務室でのお仕事が
一段落すると私は、部屋に戻ってドレスを脱ぎ捨て動きやすいチュニックに着替えた。
このチュニックは、ずたぼろに薄汚れていたがこの湖の湖底の泥で泥染めしてもらったらきれいな藍色に染まった。
私は、同じように泥染めした細身のズボンをはくと部屋を飛び出した。
「どちらへ?」
レンドールさんに廊下ですれ違ったとき、とがめるように訊ねられたので私は、にっこりと微笑んだ。
「ちょっと交易場に」
「出掛けられてもいいですが夕食までにはお帰りください、ユイ様」
「はーい!」
私は、いつも返事がいいといわれるのだ。
玄関を飛び出して階段をかけ降りると下のデッキに停められていた船に乗ってこぎ出す。
この船も新しく作ってもらったものだ。前の船は、水漏れしてて乗ってるといつ沈むか心配だったのだ。
私は、水上の町並みを船で横切っていった。食料品を扱っている商店の女将さんが私に新鮮なセイルの実を投げて寄越した。
「聖女様!持ってておくれ!おいしいよ!」
「ありがとう!」
私は、セイルの実を受けとるとチュニックの裾で拭いてかぶりついた。緑色のセイルの実は、桃みたいな味がする瑞々しい果物だ。私は、それをシャクシャクと咀嚼しながら船をこいでいった。
行き交う船の人々や町並みの商店の店主たちが次々に私に挨拶をしてくれる。なんだか、嬉しいものだ。
以前の『ヴェータ』沼では考えられないぐらいみな表情も声も明るい。子供たちがグイという水鳥に似た中型の魔物に乗ってお使いにいっているのを微笑ましく眺める。
そのまま通りを進んでいくと森側の船着き場についた。そこには、何隻もの船が結わえられて停泊している。
私は、船を岸辺につけ、船のロープを岸にいる船番に渡すと岸へと飛び移る。
いくつかの倉庫が建てられている辺りへと向かうと何頭かの大きな黒い竜が背負っている荷物を下ろしているところだった。
「シーラさん、ロイさん、お疲れさまです!」
私が通りすがりに声をかけると竜たちは、ぺこりと頭を下げてお辞儀した。倉庫の前で荷物を確認していた体格のいい神龍族の青年に私は、訊ねた。
「クーノは?」
「ユイ様!」
その神龍族の青年は、私にぺこりと挨拶すると倉庫を指差した。
「クーノなら倉庫でリリスさんと話してます」
エリクさんの執務室でのお仕事が
一段落すると私は、部屋に戻ってドレスを脱ぎ捨て動きやすいチュニックに着替えた。
このチュニックは、ずたぼろに薄汚れていたがこの湖の湖底の泥で泥染めしてもらったらきれいな藍色に染まった。
私は、同じように泥染めした細身のズボンをはくと部屋を飛び出した。
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レンドールさんに廊下ですれ違ったとき、とがめるように訊ねられたので私は、にっこりと微笑んだ。
「ちょっと交易場に」
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「はーい!」
私は、いつも返事がいいといわれるのだ。
玄関を飛び出して階段をかけ降りると下のデッキに停められていた船に乗ってこぎ出す。
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私は、水上の町並みを船で横切っていった。食料品を扱っている商店の女将さんが私に新鮮なセイルの実を投げて寄越した。
「聖女様!持ってておくれ!おいしいよ!」
「ありがとう!」
私は、セイルの実を受けとるとチュニックの裾で拭いてかぶりついた。緑色のセイルの実は、桃みたいな味がする瑞々しい果物だ。私は、それをシャクシャクと咀嚼しながら船をこいでいった。
行き交う船の人々や町並みの商店の店主たちが次々に私に挨拶をしてくれる。なんだか、嬉しいものだ。
以前の『ヴェータ』沼では考えられないぐらいみな表情も声も明るい。子供たちがグイという水鳥に似た中型の魔物に乗ってお使いにいっているのを微笑ましく眺める。
そのまま通りを進んでいくと森側の船着き場についた。そこには、何隻もの船が結わえられて停泊している。
私は、船を岸辺につけ、船のロープを岸にいる船番に渡すと岸へと飛び移る。
いくつかの倉庫が建てられている辺りへと向かうと何頭かの大きな黒い竜が背負っている荷物を下ろしているところだった。
「シーラさん、ロイさん、お疲れさまです!」
私が通りすがりに声をかけると竜たちは、ぺこりと頭を下げてお辞儀した。倉庫の前で荷物を確認していた体格のいい神龍族の青年に私は、訊ねた。
「クーノは?」
「ユイ様!」
その神龍族の青年は、私にぺこりと挨拶すると倉庫を指差した。
「クーノなら倉庫でリリスさんと話してます」
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