デブだからといって婚約破棄された伯爵令嬢、前世の記憶を駆使してダイエットする~自立しようと思っているのに気がついたら溺愛されてました~

トモモト ヨシユキ

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1 スローライフ始めました

1ー12 来客ですか?

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 1ー12 来客ですか?

 私たちは、町の入り口の辺りでローじいさんと合流すると家へと戻る帰路についた。
 ローじいさんは、無口な人でほとんど質問に答える以外は口をきくことはなかった。
 夕方、私たちが家に戻ると思わぬ来客が訪れていた。
 それは、弟のランスロットだった。
 ランスロットは、私たちが帰ってくるのを待ち構えていた。
 「おかえりなさい、姉上」
 何かいいたそうな笑顔を見て、私は、嫌な予感がしていた。
 私たちは、屋敷のリビングでお茶を飲みながら話すことになった。
 ランスロットは、じろじろとぶしつけな視線を私に送っていた。
 私は、お茶のカップを手にしたままランスロットに訊ねた。
 「なぜ、あなたがここに?」
 「ご自分の胸に手をあてて考えてみてください」
 ランスロットは、冷ややかに告げた。
 「最近、あなたは、あまりにも伯爵家の令嬢らしからぬ振るまいが過ぎると執事のクラウスから連絡を受けたので、父上が心配して私に見てくるようにと言われたのです」
 迷惑そうなランスロットに私は、ため息をついた。
 嫌なら来なければいいのに。
 だが、そう言うわけにはいかない。
 私は、にっこりと微笑んだ。
 「それは、それは。心配かけて申し訳ございませんでした。でも、安心してくださいな。私は、元気にくらしておりますから」
 「元気すぎるのではないですか?」 
 ランスロットが嫌みな笑みを口許に浮かべた。
 「なんでも急に剣術のまねごとを始められたとか」
 「ええ」
 私は、負けずに微笑み返した。
 「少し運動不足かと思いまして」
 「運動不足、ね」
 ランスロットが意味ありげに笑った。
 「しばらく私もここにとどまるつもりなので、明日からは私が剣術のお相手をして差し上げましょう」
 はい?
 私は、目をぱちくりさせてしまった。
 なんで?
 私と関わるのもいやがっていたくせに、なんで急にそんなことを言い出すわけ?
 というか、しばらくここで暮らすんですか?
 私は、そこはかとなく嫌な予感がしていた。
 ランスロットは、私の気持ちを知ってか知らずか、にっこりと笑った。
 「よろしくお願いしますよ、姉上」
 
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