妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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3 帰ってきた男

3ー7 庇護下

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 3ー7 庇護下

 「ま、待ってください!」
 僕は、ヴェルデから離れるとルーデニア兄上に向き直る。
 「僕は、もう、このヴェルデに捧げられた身です!いまさら他の誰かのものになどなれません!」
 「では」
 クーリアスが腰につけていた剣を抜くと切っ先をヴェルデに向ける。
 「お前の邪念を絶つためにこの場でこの獣を殺してやろう!」
 「何、イッテる?こいつ」
 ヴェルデが吠えた。
 「殺しても、イイか?マクシア」
 「だ、ダメだ」
 僕は、ヴェルデをかばうようにクーリアスの剣の前に立った。
 「これは・・ヴェルデは、僕のたった1人の番、だ!手を出すことは許さない!」
 僕は、ルーデニア兄上の方をちらっとうかがう。
 「兄上、も。どうか、僕は、もう、死んだと思ってくださいませ。僕は・・ヴェルデのものなのです!」
 「愛しているというのか?そんな獣を」
 ルーデニア兄上に問われて僕は、頷いた。
 「愛している、というか。もっと深いものなのです。このヴェルデは、僕のたった1人の運命の番なのです」
 「運命の番、だと?」
 ルーデニア兄上がじっとヴェルデと僕を見つめた。
 「そんな獣が?」
 「はいっ!」
 僕は、きっぱりと答えた。
 「僕の運命の番です!」
 ヴェルデが鼻面を僕の脇に擦り付ける。
 「マクシア、好き。大好き。離したくナイ」
 「僕も、だ、ヴェルデ」
 僕は、ヴェルデの頭を優しく撫でる。
 「愛してる」
 クーリアスが舌打ちするのが聞こえた。
 「初めての男に狂ったか?こんなことならさっさと抱いておけばよかったな」
 クーリアスが足音高く部屋を出ていった。
 ルーデニア兄上は、ふぅっとため息をつくと僕に微笑んだ。
 「あの気の弱いマクシアがそれだけ主張するとは。わかったよ。父上たちにはお前は、死んだと伝えよう」
 「ルーデニア兄上!」
 「ただし」
 ルーデニア兄上が顔をしかめる。
 「お前は、やはり私の庇護下に置くこととする」
 ひゅっと僕は、息を飲んだ。
 まさか、ルーデニア兄上までがクーリアスみたいに僕を扱うつもりなのか?
 緊張している僕にルーデニア兄上がふっと笑みをこぼした。
 「安心しろ。もう、お前を無理矢理側室にしようとは思わない。ただ、お前とその獣を私の監督下に置こうというだけだ」
 そうして。
 ルーデニア兄上との取り決めで僕とヴェルデは、この魔境の近くの村でひっそりと暮らすことになった。
 「私ができるだけの援助はさせてもらうから安心するがいい」
 ルーデニア兄上は、そう言うと王都へと帰っていった。
 僕は、ホッと胸を撫で下ろしていた。
 よかった。
 ヴェルデと引き離されなくて。
 というか。
 クーリアスに飼われるとかあり得ないし!
 
 
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