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6 辺境スローライフ(反乱編)
6ー9 反乱始末
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6ー9 反乱始末
クーリアスの手下たちは、僕とヴェルデの後を追ってきたロナたちの手で捕らえられた。
こうしてクーリアスの起こした反乱は終わった。
クーリアスは、王都から来たルーデニア兄上の部下たちに引き渡した。
しかし、闇の檻の中で3日ばかりも過ごしたクーリアスは、もうほぼほぼ廃人となっていた。
狂ってしまったクーリアスは、僕の名を呼び続けていた。
「マクシア・・俺の、マクシア・・」
僕は、耳を塞いでいた。
僕のことを愛していたクーリアス。
報われることのない愛にほんの少しだけ、クーリアスがかわいそうに思えたのだった。
王都に連行されたクーリアスは、ルーデニア兄上の命で処刑された。
クーリアスの派閥の貴族たちも一掃されてルーデニア兄上が正式に王となることが決まった。
だが。
これでめでたしめでたしというわけではない。
それは、『古き魔女』が行方不明だからだ。
クーリアスを唆したのは、『古き魔女』だ。
僕を手に入れて世界の王となる。
そんな邪念を抱かせたのは、『古き魔女』に違いなかった。
しかし、『古き魔女』は、クーリアスが都を逃れたとき以来行方が掴めないらしい。
『古き魔女』の孫であるラディニアもまた、僕を陥れた罪で追放されることになった。
しかし、追放先の辺境の地に向かう途中の馬車が襲われてラディニアは、拐われて行方知れず。
「もしかして『古き魔女』の手の者の仕業じゃ?」
久しぶりにのんびりとヴェルデとお茶を楽しみながらロナと話したが、ロナもそれはわからないとのことだった。
「しかし、これでマクシア様に仇なす者たちは失脚したわけです」
ロナが満面の笑みを浮かべる。
「そろそろ王都にお戻りになられてもよいのでは?」
「そのことだけど」
僕は、柑橘系の香りがするお茶のカップを手に取り一口飲む。
とっても爽やかな味が口の中に広がっていく。
ちなみにこれは、僕の畑で育った木からとれた果物から作ったお茶だ。
なぜか、ほぼほぼ魔力がない筈だった僕は、今では、不可思議な魔力に溢れていた。
おそらくヴェルデとの交合のせいで与えられた力なのだろう。
僕は、カップをテーブルに戻すとちらっとヴェルデを見た。
さらさらの長い黒髪がとってもきれいだ。
まるで黒い神獣のように美しいヴェルデを僕は、満足げに眺める。
ヴェルデは、不思議そうに青い瞳で僕を見つめている。
「僕は、王都に戻るつもりはない。ずっとこの村でヴェルデと共に暮らすつもりだ」
「しかし、ルーデニア様が戻るようにとおっしゃっているのでは?」
「ルーデニア兄上には、よく説明してわかっていただくつもりだ」
僕は、ロナに笑いかける。
「ロナは、どうする?」
「もちろん、ロナは、マクシア様のおおせのままに!」
ロナがにっこりと口許に笑みを浮かべる。
「この村は、マクシア様のものですから、お好きなように暮らしていただけますし!何も心配はありませんから!」
クーリアスの手下たちは、僕とヴェルデの後を追ってきたロナたちの手で捕らえられた。
こうしてクーリアスの起こした反乱は終わった。
クーリアスは、王都から来たルーデニア兄上の部下たちに引き渡した。
しかし、闇の檻の中で3日ばかりも過ごしたクーリアスは、もうほぼほぼ廃人となっていた。
狂ってしまったクーリアスは、僕の名を呼び続けていた。
「マクシア・・俺の、マクシア・・」
僕は、耳を塞いでいた。
僕のことを愛していたクーリアス。
報われることのない愛にほんの少しだけ、クーリアスがかわいそうに思えたのだった。
王都に連行されたクーリアスは、ルーデニア兄上の命で処刑された。
クーリアスの派閥の貴族たちも一掃されてルーデニア兄上が正式に王となることが決まった。
だが。
これでめでたしめでたしというわけではない。
それは、『古き魔女』が行方不明だからだ。
クーリアスを唆したのは、『古き魔女』だ。
僕を手に入れて世界の王となる。
そんな邪念を抱かせたのは、『古き魔女』に違いなかった。
しかし、『古き魔女』は、クーリアスが都を逃れたとき以来行方が掴めないらしい。
『古き魔女』の孫であるラディニアもまた、僕を陥れた罪で追放されることになった。
しかし、追放先の辺境の地に向かう途中の馬車が襲われてラディニアは、拐われて行方知れず。
「もしかして『古き魔女』の手の者の仕業じゃ?」
久しぶりにのんびりとヴェルデとお茶を楽しみながらロナと話したが、ロナもそれはわからないとのことだった。
「しかし、これでマクシア様に仇なす者たちは失脚したわけです」
ロナが満面の笑みを浮かべる。
「そろそろ王都にお戻りになられてもよいのでは?」
「そのことだけど」
僕は、柑橘系の香りがするお茶のカップを手に取り一口飲む。
とっても爽やかな味が口の中に広がっていく。
ちなみにこれは、僕の畑で育った木からとれた果物から作ったお茶だ。
なぜか、ほぼほぼ魔力がない筈だった僕は、今では、不可思議な魔力に溢れていた。
おそらくヴェルデとの交合のせいで与えられた力なのだろう。
僕は、カップをテーブルに戻すとちらっとヴェルデを見た。
さらさらの長い黒髪がとってもきれいだ。
まるで黒い神獣のように美しいヴェルデを僕は、満足げに眺める。
ヴェルデは、不思議そうに青い瞳で僕を見つめている。
「僕は、王都に戻るつもりはない。ずっとこの村でヴェルデと共に暮らすつもりだ」
「しかし、ルーデニア様が戻るようにとおっしゃっているのでは?」
「ルーデニア兄上には、よく説明してわかっていただくつもりだ」
僕は、ロナに笑いかける。
「ロナは、どうする?」
「もちろん、ロナは、マクシア様のおおせのままに!」
ロナがにっこりと口許に笑みを浮かべる。
「この村は、マクシア様のものですから、お好きなように暮らしていただけますし!何も心配はありませんから!」
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