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7 崩壊する世界
7ー1 王都への旅
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7ー1 王都への旅
僕とヴェルデとロナは、冬の農閑期の間を王都で過ごすために王都へと旅立った。
「お任せください!皆様方がお留守の間は、我々、一丸となりこの村をお守りいたします」
村長のクライドさんがロナに跪いて誓うのを見て僕は、ちょっと苦笑してしまう。
まあ、最初の頃にくらべたら村人たちもやる気に満ちているし。
ロナは、冬の間の農地開拓のノルマの指示だしをするとルドー商会が用意してくれた馬車で待っている僕たちのもとへと乗り込んできた。
「まったくみな、指示を与えなければ何もできない怠惰な豚、いえ、使えない連中ですから」
僕は、遠い目をしてロナを見つめていた。
ロナ。
いったいどこへ向かっているんだ?
ロナが腰かけて御者に合図を送ると馬車が動き出した。
ルドーさんが用意してくれた馬車は、なかなかいい馬車だったがそれでもかなり揺れる。
僕は、馬車酔いする質なので嫌な予感がしていた。
王都までは馬車で数週間はかかる旅だ。
魔境に向かうときは、僕は、生け贄になるということで頭がいっぱいで馬車酔いする暇もなかったがもうそんな心配もないし。
僕は、隣に座っているヴェルデをちらっと見上げる。
たちっぱなしでなくなったのでルドーさんが用意してくれた服をちゃんと着れるようになったためヴェルデは、立派な仕立ての服を身にまとっている。
僕と違って上背もあるし貴族らしい服装もみごとに着こなしている。
まあ。
黒くて長いふさふさの尻尾と大きな獣耳が相変わらず彼が人外の者であることを示しているがそれすらも美しいと思わせるような雰囲気がヴェルデにはあった。
黒を基調にまとめられた衣装は、ヴェルデの好みだが彼にはよく似合っている。
きっと王都に行けばヴェルデは、人気者になるだろう。
たくさんの女の人たちに言い寄られるのに違いない。
僕は、胸が痛むのを感じていた。
僕なんかよりずっと魅力的なオメガの女の子だっているに違いないし。
そうなればヴェルデは、心変わりするかもしれない。
僕は、悲しくなって。
「何を考えている?マクシア」
ヴェルデが僕の腰にまわしている腕に力を込めると空いている手で僕の顎を掴んで自分の方へと向かせる。
「俺を見ろ!」
「ヴェルデ・・」
ヴェルデの青い清んだ瞳に覗き込まれて僕は、恥ずかしさに顔が熱くなって視線を反らそうとした。
だが、ヴェルデは、それを許さない。
どこまでもまっすぐな強い眼差しに瞬く僕にヴェルデが口づけをしてくる。
「ん、ぅっ・・」
ヴェルデは、ロナの目の前だというのに遠慮なしに口づけを深めてくる。
くちゅくちゅっという淫猥な水音に僕の意識が霞んでいく。
「はっ・・ん・・だめ、ヴェルデ、ここじゃ・・」
ヴェルデが唇を首元に這わし出すと僕は、ヴェルデを押し退けようとした。
視界に両手で目元を隠しているロナの姿が入って僕は、かぁっと全身が燃え上がるような熱を感じた。
僕とヴェルデとロナは、冬の農閑期の間を王都で過ごすために王都へと旅立った。
「お任せください!皆様方がお留守の間は、我々、一丸となりこの村をお守りいたします」
村長のクライドさんがロナに跪いて誓うのを見て僕は、ちょっと苦笑してしまう。
まあ、最初の頃にくらべたら村人たちもやる気に満ちているし。
ロナは、冬の間の農地開拓のノルマの指示だしをするとルドー商会が用意してくれた馬車で待っている僕たちのもとへと乗り込んできた。
「まったくみな、指示を与えなければ何もできない怠惰な豚、いえ、使えない連中ですから」
僕は、遠い目をしてロナを見つめていた。
ロナ。
いったいどこへ向かっているんだ?
ロナが腰かけて御者に合図を送ると馬車が動き出した。
ルドーさんが用意してくれた馬車は、なかなかいい馬車だったがそれでもかなり揺れる。
僕は、馬車酔いする質なので嫌な予感がしていた。
王都までは馬車で数週間はかかる旅だ。
魔境に向かうときは、僕は、生け贄になるということで頭がいっぱいで馬車酔いする暇もなかったがもうそんな心配もないし。
僕は、隣に座っているヴェルデをちらっと見上げる。
たちっぱなしでなくなったのでルドーさんが用意してくれた服をちゃんと着れるようになったためヴェルデは、立派な仕立ての服を身にまとっている。
僕と違って上背もあるし貴族らしい服装もみごとに着こなしている。
まあ。
黒くて長いふさふさの尻尾と大きな獣耳が相変わらず彼が人外の者であることを示しているがそれすらも美しいと思わせるような雰囲気がヴェルデにはあった。
黒を基調にまとめられた衣装は、ヴェルデの好みだが彼にはよく似合っている。
きっと王都に行けばヴェルデは、人気者になるだろう。
たくさんの女の人たちに言い寄られるのに違いない。
僕は、胸が痛むのを感じていた。
僕なんかよりずっと魅力的なオメガの女の子だっているに違いないし。
そうなればヴェルデは、心変わりするかもしれない。
僕は、悲しくなって。
「何を考えている?マクシア」
ヴェルデが僕の腰にまわしている腕に力を込めると空いている手で僕の顎を掴んで自分の方へと向かせる。
「俺を見ろ!」
「ヴェルデ・・」
ヴェルデの青い清んだ瞳に覗き込まれて僕は、恥ずかしさに顔が熱くなって視線を反らそうとした。
だが、ヴェルデは、それを許さない。
どこまでもまっすぐな強い眼差しに瞬く僕にヴェルデが口づけをしてくる。
「ん、ぅっ・・」
ヴェルデは、ロナの目の前だというのに遠慮なしに口づけを深めてくる。
くちゅくちゅっという淫猥な水音に僕の意識が霞んでいく。
「はっ・・ん・・だめ、ヴェルデ、ここじゃ・・」
ヴェルデが唇を首元に這わし出すと僕は、ヴェルデを押し退けようとした。
視界に両手で目元を隠しているロナの姿が入って僕は、かぁっと全身が燃え上がるような熱を感じた。
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