妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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8 異界との狭間

8ー1 目覚め

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 8ー1 目覚め

 深い深い眠りから僕が目覚めた時、微かにヴェルデの香りがした。
 「ヴェルデ?」
 「気がつかれましたか、マクシア様」
 僕の目の前には神殿の神官らしき白い衣の男が立っていた。
 もう、決して若いとはいえないその男は、僕に微笑みかけた。
 「無事に目覚められてよかったです。あなたは、突然倒れられてからもう3日は眠り続けておられたのですよ」
 3日?
 僕は、はっと気付いてベッドの上で体を起こした。
 「兄上・・ルーデニア兄上の戴冠式が!」
 「大丈夫ですよ、マクシア様」
 ロナが慌てている僕に優しく話しかけた。
 「ルーデニア王太子殿下の王位継承式は、明日ですから」
 ええっ?
 僕は、額を押さえる。
 そんなことがあるわけがない。
 だって、僕がルーデニア兄上とお会いしたのは式の1週間前だった筈。
 たとえ3日眠っていたとしてもまだ3日はある筈だ。
 どういうこと?
 眉をしかめる僕にロナが説明する。
 「ご神託があったのです」
 神託によりルーデニア兄上の王位継承式が早まったのだという。
 「そんな・・」
 急がなくては!
 ベッドから足を下ろそうとしてよろけると神官が僕を支えてくれた。
 「お気をつけて!」
 「急がないと、ヴェルデが!」
 僕は、ロナに手を伸ばした。
 「早く!兄上に会わせて!」
 「マクシア様」
 僕の必死の様子にロナが背を向けて部屋から飛び出していく。
 神官は、僕をベッドに腰かけさせるとため息をついた。
 「いくらルーデニア様に早くお会いしたいからといっても無理はいけませんよ、マクシア様」
 神官が僕の前に跪いて僕の顔を覗き込む。
 「まあ、幸いなことにお体には問題がなかったからよかったようなものですが。もしも未来の王妃となられるその御身に何かあれば大変なことでございますから」
 はいっ?
 僕は、まじまじとその神官の顔を見つめた。
 神官は、うっすらと頬を染める。
 「失礼でしたが眠っておられる間にお体を拝見させていただきました」
 はいっ?
 僕は、体を見下ろした。
 薄い絹の夜着をまとった僕は、その下には何も身に付けてはいなかった。
 マジですか?
 慌てて衣の前をぎゅっとかき合わせる僕に神官は、穏やかな声で告げた。
 「ご案じなされることはありません。どこもかしこも清くて美しいお体です。あの闇の獣の贄となられたとはとても思えないほどに」
 闇の獣?
 僕は、神官を睨んだ。
 「ヴェルデは?ヴェルデに何かしてないだろうな!」
 「もちろんです」
 神官が僕を落ち着かせるように話した。
 「あれは、大切な・・尊いお方ですから。誰もあの者には触れてもおりません」
 
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