妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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9 月と2人の番たち

9ー6 おとぎ話の続きみたいに

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 9ー6 おとぎ話の続きみたいに

 それから。
 僕は、ルーデニア兄上の王妃として僕の離宮に住むことになった。
 でも。
 それは形ばかりで。
 僕がほんとに住んでいるのはフェイル村の屋敷。
 実は、闇の力を取り戻したヴェルデに頼んで離宮の地下室とフェイル村の屋敷の部屋を繋げてもらったんだ。
 僕は、世間では体が弱くて引きこもりがちな王妃ということになっている。
 別に僕が王妃の役目を果たしたくなかったというわけじゃない。
 ルーデニア兄上が僕を表に出したがらなくて。
 「こんなかわいくて美しい妻を表に晒したくはない!」
 そんなことを言い出してさ!
 ヴェルデもヴェルデでできるだけ屋敷の中で過ごして欲しいみたいだけどそんなこと僕が我慢できないし!
 「頼む、マクシア。無理だけはしないで欲しい。また、お前を失うことになったらと思うといてもたってもいられないんだ」
 「でも、適度な運動が必要だし」
 僕は、薬草畑にでて草取りしながらヴェルデとルーデニア兄上に適当に返事をする。
 「それに部屋にこもっているのは胎教に悪いから」
 そう。
 僕は、妊娠していた。
 もちろんあの時の子供だ。
 あの時。
 ヴェルデの雷に撃たれた時に僕が身籠っていた子供。
 再び、産まれようとしたのにまた、産まれることができなかった。
 今度こそ、ちゃんと産んでやらないと愛想をつかされてもう僕たちの子供になってもらえなくなっちゃうし!
 「確かに適度な運動は必要ですけど、無理は絶対にダメですから!」
 ロナが僕の行動に目を光らせているので間違いない。
 僕は、ふんわりとしたゆるいチュニックの裾についた土を払うと立ち上がって腰を伸ばす。
 すぐにロナが椅子を持ってくるけど、それより素早くヴェルデが僕を抱き上げて歩き出す。
 「ヴェルデ?」
 ヴェルデに運ばれて木陰に行くと先回りしたルーデニア兄上が敷物を広げて待っている。
 その上にそっと下ろされた僕にロナが魔法で冷やされたアイスティーを差し出す。
 うん。
 至れり尽くせりだな!
 僕は、アイスティーを飲みながら僕にかしずいているヴェルデとルーデニア兄上を見つめて微笑んだ。
 愛しくてかわいい僕の番たち。
 そして、僕の大切な妹みたいなロナもいてくれる。
 少し、不安もあるけど大丈夫!
 時を越えて結ばれた僕たちならなんだって越えて行ける筈だし!
 僕は、2人の番に甘い蕩けるような笑みを浮かべてみせる。
 「みんなで幸せになろうね」
 いつも1人ぼっちの時の神のことがよぎって申し訳ない気もしたけどたまに夢で会いにいってるからな。
 もちろん、そのことは、2人の番には内緒だ。
 とっても甘くてちょっとビターな僕の愛しい番たちは、とっても焼きもち焼きだから!
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