人違いです。

文字の大きさ
111 / 115
底なし沼にて

108.

しおりを挟む

 「「そんなことない」」


 そう、どんな闇の中でも美しく響く鈴の音が。

 様々な雑音と憎悪と慟哭と憤怒とに犯された俺の耳に、届く。

 ぼんやりと不幸せな世界に身を委ねていた俺は、再び現実と意識を戻す。すると、かつての友に、俺にしていたようにしがみ付いていた双子の少年少女が、丁度その小さな身1つで俺の前へと躍り出たところだった。
 可愛らしい彼らの手には彼らの母親と同様に武骨な恐ろしい武器が収まっていて、その存在そのものがどうにも歪だ。しかし、彼らの母親のようには悲愴に、憤怒に、諦念に満ちておらず、その目は未来への希望と渇望が輝いている。

 どうやら、俺と道を違えてから彼らは大いに成長したらしい。常に彼らを彼らたらしめていた諦念は、今や何処かへと成りを潜めている。俺の身1つでは彼らをここまで変えることできなかったのに。不相応にも己の愛した存在への独占欲が湧き上がって来て、知らず眉を顰めた。
 彼らはとうに俺の手を離れたというのに。今更どの面下げてが彼らを「惜しい」と思うことが出来ようか。

 その後ろでは、俺のなけなしの配慮をくみ取ってくれたらしい第4部隊隊長の指示に則って、清められたアリスの亡骸が女性騎士に抱えられて運ばれていく。――生きている間に彼女は幸せを得ることが出来なかったけれど、彼女の次の世の幸福を、これから多くの民が長きにわたって祈ってくれることだろう。

 アリスの衣服にしまわれていたを片手で転がしながら、俺は口角を歪めた。彼女のような人が増えない為の「薬」は、今頃何処まで完成に近づいているだろうか。ユズと会計様なら、今頃きっと、治験段階にまで来ているかもしれない。
 俺も、来世は平和に学者でも目指してみようか――なんちゃって。


「「――きいて!!!レーネ!!!」」
「!!」


 ぐわん、と響いた声に、俺は自分が再び思考の檻に囚われていたことを知る。思わず首を振って双子と視線を合わせれば、彼らは何処か焦りを湛えた表情で(これ程までに彼らが表情豊かになっている事実にまた驚いた)俺を見上げていて。「声がでかい」と呟けば、彼らは唇を尖らせて「「レーネが聞いてくれない」」と声を揃えた。
 彼らの白い服にもまた、真っ赤な血液がそこかしこに飛び散っていて、それが少しだけ俺の気を落ち着ける。とはいえ彼らのそれはアリスの時とは違って完全に返り血なのだが……彼らの手で死した仲間には適当に祈りを捧げておく。はい、黙祷。はい、終了。


「レーネ、顔色が悪い。それに腕も痛そう」
「レーネ、泣きそうな顔。それに疲れてそう」
「……そう見えるのなら、そうなのだろうね。造血剤ある?」
「「ない」」


 おや、残念。正直貧血で今にも死にそうなのだ。正しくは気を失いそうなのだが、状態的に「気を失う=死ぬ」なので間違ってはいない。第4部隊隊長の傍にいた衛生騎士らしき男が造血剤らしき魔法薬入り瓶を差し出してきたが、残念俺は敵の施しは受けない。――ん?なら俺は何故彼ら双子に質問したのだろう。無駄な行為だ。

 いやはや冷静に頭が働かなくなっている。理性は今は保っているが、思考回路がぶっ壊れかけだ。これも薬の副作用か。薬、駄目絶対。後世に残すべき名言である。

 
「「レーネ!!!!」」
「……あぁ、はいはい、何?」
「聞いて。シャルが今喋ってる」
「ごめん」
「そっちはシャロン。俺がシャル。どっち見て謝ってるの」
「……ごめんて」


 どうやら視界もおかしくなっているらしい。目をごしごしと一応無事な右手で擦ると、成程シャルとシャロンの一が入れ替わった。とは言っても顔の作りは全く同じだけれど、髪の長さが変わった。

 彼らの背後で苦笑するカンナの表情が、かつて騎士団の寮で何度も目にしたもので。
 第4部隊隊長の疲れたような表情が、騎士団で上司に嫌みを言われた後の化けの皮が剥がれた彼のもので。

 ビキ、と嫌な音が胸のあたりから響いてくる。ああ、痛いのはしんどいんだって。


「ねぇ、レーネ。聞こえてる?」
「あぁ」
「レーネ。俺はレーネに見出してもらえて、人生が変わった。シャロンと2人っきりの檻の中から出て、広い世界を見た。穢い人間はどうしたって嫌いだったけど、シャロン以外の人間にも綺麗な人がいるんだって、レーネが教えてくれた」
「……」
「私も。シャルと2人っきりの檻の外にも、大切なものが出来た。第3部隊の皆は宝物。私とシャルは、誰かを殺す為のものじゃない。それ以外のことも出来るんだって、レーネが教えてくれた」


 きらきらと深紅に輝く彼らの瞳に、嬉しいような――そして、どうしようもなく悲しいような気分が湧き上がってくる。今にも地面に幼子のように寝転がって泣き叫びたいような衝動に駆られて俺はガリ、と胸を掻き毟った。

 俺は、偶然彼らの門出のきっかけになっただけだ。もしかしたらそれが第4部隊隊長だったかもしれない。第2部隊隊長だったかもしれない。偶然俺の部隊に人が物凄く少なくて、偶然俺に第4部隊隊長が呪い持ちに嫌悪していて、偶然第2部隊隊長の部隊の人数が飽和していただけ。
 俺の力がなくたって、彼らは正しく成長できるだけの素質を失っていなかったのだ。それは、先天的な【呪い】がそうさせたのかもしれないし、そうでないかもしれない。けれど、少なくとも俺が彼らの為に出来た事は、彼らが思っているほど多くはない。

 ただ、変化の為に必要だった環境を一時的に提供しただけ。そしてその役目はもう、終わったのだ。


「俺とシャロンが眠れない夜は、どんなに仕事が溜まってても、眠れるまで傍にいてくれた」
「私とシャルが2人閉じこもろうとしたときは、どんなに傷付いたって、諦めないで言葉をくれた」
「俺とシャロンに、レーネと、第3部隊を受け入れる時間をくれた」
「私とシャルに、レーネと、第3部隊を愛する資格をくれた」

「「そのどれも、レーネだからこそ、理解できた」」


 目を逸らすことなく、ただ真っ直ぐに告げるそれは、俺の耳にも邪魔されることなく届いた。

 だからこそ、痛い。ズキリ、ズキリ、と軋む胸を抑える。グシャリと音が鳴って、あぁ乱雑に扱ってしまったなんてぼんやりと考える。

 彼らの純粋さが、痛かった。俺でなくても良い。俺以外の人でも与えられるそれが、たまたま偶然俺の手で彼らに授けられただけの事。きっと、他の人ならば、もっと上手く彼らの不安に寄り添えただろう。カンナなら、ノアなら、ラルム先輩なら、王様なら、きっと彼らの心を解きほぐせただろう。
 時間、なんて。資格、なんて。彼らに生まれながらにして与えられているものを自覚させるのに、どれだけ彼らを傷付けた事だろう。シャルとシャロンにとって俺はロバル様のようなものだろう。

 それしかないと。彼しかいないと、思い込まされたのだ。長い年月とによって。
 

 あれ、
 それが幸せな事のはずなのに、どうして俺は今、底知れない罪悪感を抱いている?


「ねぇ、レーネ。俺を見て」
「ねぇ、レーネ。私を見て」
「……――……。み、てるよ……」
「もっと、もっと見て。俺は幸せ。レーネに出逢えて、本当に幸せになった。俺の人生には不幸しかないと思ってた。俺、シャロンと共に生まれて生きている事だけが唯一の幸福なんだと思ってた。檻の中で薬を打たれて、人間なんて簡単にへし折れる【化け物】になったのに、幸せなんだ」


 ぼろり、と。涙を落とすシャルの元に、駆け寄ろうとして、慌てて停止する。あぁ、カンナ、早く彼の涙を拭いてやってくれ。シャル、どうして泣いているの。辛いのか。何が辛い。俺が、おれが――


「檻から出して欲しくない、2人でいいって言った俺に、鍵のネックレスをくれた」


 シャルが、首にかけて服の中にしまっていた鍵の形のネックレスを取り出す。シャロンが甘やかな目でそれを眺めるのが、優しい。唯一2人がお揃いを強請らなかった、俺からの贈り物。シャルには、大切なものをしまっておくための鍵を渡した。
 彼が、自分の大事なものを胸の内にしまっておけるように。苦しい過去を封じ込めておけるように。大切な思い出を、誰にも奪われないように。そんな願いを込めて。


「俺達が味わった奈落は、レーネに出逢うための試練だったんだって、思えた。そう思えたら、貴族のクソどもを殺さないで護れた。第3部隊の皆と仲良くなれた。シャロンと2人でいる時間も、尚更大切に思えるようになった」
「……」
「俺、幸せ。本当に幸せ。レーネ、れーねが俺を幸せにしてくれたッ、」


 ぼろ、ぼろ、と大粒の涙を流しっぱなしにするシャルは、泣き方など知らないのだ。あぁ、どうか泣かないで。シャル。

 あぁ、頭がおかしくなりそうだ。何故、俺は彼の元へ駆け寄って抱きしめ、額に口付けを落とすことすら赦されないのだろう。どうして、俺は彼を手放さなければならないのだろう。
 ズキズキと痛む頭を押さえ、目を閉じる。ああ、ああ、フィオーレ王国に忠誠を。そうだ。揺らぐな。俺は。

 必死に自分を抑え込み、努めて平静を装う。とは言っても、とうに俺の不調は彼らに伝わっているのだろう。何処か不安そうに此方を見つめるカンナと目が合って、知らず唇を噛んだ。
 彼にも、無意識に頼ろうとしてしまう。彼は国を謀った裏切り者だというのに。

 そんな俺の苦悩に畳みかけるのが目的か。今度はシャルを抱きしめたシャロンが、うるりと潤んだ瞳を俺と合わせた。あぁ、泣かないでくれ。笑っていて欲しいんだ。


「私、正直シャルと2人っきりの世界も、怖くなかった。嫌じゃなかった。だから最初、レーネがシャルを奪おうとしてると思って、赦せなかった。貴族はいつもシャルを傷付ける。シャルが苦しむのを見たくない」
「……そう、だね」
「皆、反抗的な私に手こずってた。レーネを殺そうともした。実際殺しかけた事もある」

 
 そうだ。殊更、シャルが俺に少し気を許し始めてからは、酷かった。シャロンはシャルの目が届かない隙を狙っては毎日俺の首を掻っ切ろうと俺に襲い掛かり、彼女とシャルの2人の世界を守ろうとしていた。俺はそんな彼女の刃を受け止め、彼女にとって俺が「自分と同等かそれ以上に強い相手」となる事で、頼ることが出来る人間になろうとした。
 目を閉じ、追憶する俺を幾重もの人々が見つめている。


「私のシャル唯一が奪われることが、何よりも恐ろしかった。もうこれ以上、何も奪わないで欲しかった。――だから、見世物小屋でも、私達を離れ離れにしようとする奴は、奴隷でも貴族でも殺した」
「……ふ、お前、資料に、問題児って書かれてたよ」
「うん。問題児。そう。だって、奴らはシャルを傷付けたから。でも、レーネはシャルを傷付けなかった。だから私もレーネを許した。……――でも、違う。私は、レーネを赦してはなかった」


 それも、知っている。だって、何度も何度も叫ばれたから。「殺してやる」「シャルを返せ」「貴族の癖に」と。
 シャロンはわずかにだが、シャルと比較して知能指数が少しだけ高かった。逆に身体の再生能力だとか強度はシャルの方が少しだけ高いのだが――それもあって、出会った当初のシャロンはシャルの姉のように振舞っていたように思う。シャルを護り、シャルの為に外敵を屠る。そうして、沢山の傷をその小さな身体に背負ってきた。
 
 俺は、彼女の力で傷付かないように細心の注意を払うようにした。彼女の力によって残るものがシャルだけではない事を知らせ、シャル以外の人間がいることを知らしめるために。シャルを傷付ける【化け物】もまた、人間であることを教える為に。
 ある種の現実逃避にも近い、彼女の強迫的な攻撃性を低減させ、彼女を名実ともに人間に戻すために。

 毎日毎日殺しに来る彼女に対抗し、時にブチギレるシャルをも相手取り。当時の俺はズタボロだった覚えがある。ロバル様には呆れ交じりに「あんな化け物がホントに役に立つのぉ?」と首を傾げられたものだ。
 目を細めた俺を真っ直ぐ見上げたシャロンは、シャルを抱きしめてその額に口付けを落とす。


「私に『その憎しみを抱えたままでいい』と言ってくれた。忘れなくていい、清算しなくていいと言って、私が世界を恨み続けることを赦してくれた。シャルだけの世界じゃないってことを、考えて、見て、理解する時間をくれた」
「……そんな、良いものじゃない」
「うんん、私にとっては良いものだった。私の攻撃性をいつも受け止めて、逃げずに立ち向かってくれた。いつしか、目を合わせて剣を取ってくれるレーネと戦うことが楽しくなった。夜が来ると、次の日の朝のレーネとの時間を楽しみに待つようになった。シャルにそれを言うと、シャルもそうだって教えてくれた。私達は、2人で1つだった。シャルだけが変わってしまったわけじゃないって、分かった」


 ハラハラと涙を流して微笑むシャロン。あぁ、そんな風に笑うことが出来るようになったのかと、思わず安堵する。
 まるで絵本の中に登場する聖女が如き美しさで涙を流す少女を見ていると、どんなに暗い闇も晴れていくような錯覚を起こしてしまう。じっと彼女の瞳を見つめると、彼女はまたゆったりと微笑んだ。血は繋がっていなくとも、その余裕のある笑みは、何処かアリスを思い起こさせる。

 ちなみに、今の時点でお気づきかもしれないが、ヘイデル王国で出会い頭に何回か俺を襲ってきたのはこの頃の名残である。苛々すると俺に攻撃する事を覚えたシャロンにシャルが付き合う形で定期的に勃発する。殺意は制御できていたので咎めることはなかったが、アリアには「怒って下さい」と怒られたものだ。
 あぁ、懐かしい。ずっと一緒にいられるものだと、何故か思っていた。絶対なんてこの世にはないというのに。


「気付けば、第3部隊の皆とご飯を食べて、戦って、遊ぶようになった。皆、私とシャルを恐れなかった。世界は少しだけ広がったけれど、狭いままで。私にはそれが救いだった。――狭い檻の中から、扉の空いた外を見るのは怖かったから。第3部隊という『枠』が、私を護ってくれた」
「……」
「私も、皆の矢面に立つレーネを護りたい。そう思うようになった。レーネは私に、杖をくれた。魔法をうまく扱えない私に、媒介になる魔具をくれた。杖を改造して、杖を持ってさえいれば魔法を制御できるように調整してくれた」


 懐から、銀色のペンほどの長さの杖を取り出したシャロンが、それに愛おし気に頬ずりをするのを呆然と見つめる。はらはらと美しい涙を杖に落としながら、彼女は愚図るシャルの頭を撫でた。
 彼女はもう、檻の中で蹲って絶望するだけの少女じゃなくなっている。俺と、違って。
  

「レーネ、私とシャルに出逢って、名前をくれて、大切にしてくれてありがとう。本当に幸せ。こんな幸せがこの世界にあるなんて、知らなかった。知れてよかった。あたたかいベッドの上で、第3部隊の皆とお酒を飲んで喋る時間が一番好き。

 ――だから、私達はレーネを諦めない」


 知らず、圧倒されたように一歩後ろに下がっていた。しかし、そんな俺を見逃すわけもなく、シャルとシャロンは一瞬で俺と距離を詰めると、シャルは俺の胴体に抱きつき、シャロンは俺の首筋にハルバードの刃を向けた。瞬きする間もなく移動した2人に、革命軍からもどよめきが上がっている。
 第4部隊隊長の指示か、いつしか革命軍の人数も大幅に増えていた。衛生騎士らしき人間が多いのは、彼の不器用な優しさだろう。

 何故、彼らはそこまでして、俺の命をこの世に留めようとするのだろう。速攻死んでほしいくらいだろうに。抵抗するだけの気力もなくシャルに抱きしめられたままでいると、シャロンは警戒を緩めないまま、言葉をつづけた。


「レーネはまた、私達と暮らすの。場所なんて何処でもいい。フィオーレ王国でもヘイデル王国でも、何処か知らない国でもいい。レーネ、お願い。お願いだから、私を選んで。第3部隊を選んで」
「お、レは、いりあ」
「聞きたくない!!!レーネを傷付けるやつの名前なんて聞きたくない!!大っ嫌い!!!!ねぇレーネ!!本当にそっちがいいの!?本当にそれが大事なの!?一生傷付いて傷付いて傷付いてそれでいいの!!!」


 シャロンの賢明な叫びが、瓦礫の散らばる廊下に響き渡る。

 いつしか、轟音や揺れも限りなく小さくなっていた。


「ちょっと外に出れば幸せが落ちてるって教えてくれた!!!理想が何!?信念がなに!?幸せになれないならそんなもの捨ててしまえ!!何が英雄だ!!レーネは既に私達の英雄なのに!!レーネは何になりたいの!?ヘイデルの王様は――名君は貴方を認めているのに、何故愚王の承認が必要なの!?」
「しゃろ、」
「ねぇ、お願い。お願いだから生きてよ……。レーネがいなかったら私達、どうして生きていけるって言うの。ねぇ、ねぇ、私達を選んでよ」


 ぼたぼたと滝のような涙を流すシャロンは、綺麗だ。あまりに、綺麗で、眩しくて。

 反論しようと、不敬と罵ろうとする口は、何故か酸素を失ってしまって息が続かなくて。はくり、と情けない呼吸音が漏れて、空気中に溶けていく。
 びき、ビキ、びきり、と、何処かで何かが割れる音がする。

 ぎゅっと俺を抱きしめていたシャルも、嗚咽で満足に言葉を紡げなくなったシャロンの代わりに言葉を紡ぐ。ともすればそれは、どんな魔法よりも威力の高い攻撃のようにも思えた。


「レーネ。お願い。王よりも誰よりも、俺達を選んで。生きて。幸せにしてみせるから」


 選ぶ?
 選択肢なんて、自分の王の為に生き、死ぬこと以外に考えた事もなかった。

 ――否。考えようとしなかった。

 瞬きをも忘れ固まる俺を、多くの人々が固唾を呑んで見つめている。シャルとシャロンの呼吸音が耳を清め、いつしか思考を脅かしていた雑音は一切聞こえなくなっていた。


「レーネ。君はもう、好きに生きていいんだ」
「――――カん」






 どすっ。






しおりを挟む
感想 185

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...