最強王女ミリアが敵国の最強王女と威信を賭けたコロシアムバトル

第１話 最強王女ミリアと敵国の最強王女ルナ

　ミリアが夕食を終えてくつろいでいると、家臣が慌てたように部屋に駆けこんできた。
家臣「ミリア様。国王様がお呼びです」
ミリア「父上が？何があったの？こんな時間に」
家臣「大切な話があるそうで、今すぐに来るようにとのことです」
ミリア「分かったわ。すぐ行くわ」

　ミリアは、国王の待つ部屋に急ぎ足で向かう。
　ミリアは、この国の王女で21歳。兄で国王の跡継ぎとなるアレン王子がいるため、ミリアは、自由に育ってきた。
　長い髪をポニーテールにして、身長も高くてスタイルも抜群。聡明で武道もたしなむ才女。国内一の美貌を持ち、国内の武闘会でも負け知らずの国王自慢の娘だ。

　ミリアが部屋に入ると、国王が険しい表情をして待っていた。
国王「おお、来てくれたか。今日は、お前に、たっての頼みがある」
ミリア「何なりとお申しつけください。お父上のお力になれるなら、何でもいたしますわ」
国王「ここのところ、数年間、東の国境近くで隣国と戦争が続いているのは知っておるな」
ミリア「ええ。ペトラ地方ですね。地下資源が豊富なので、隣国も領有権を主張して、なかなか譲らないそうですね」
国王「ああ、だが、長年の戦争で、この国の兵士も、隣国の兵士も、多数の死者が出た。今戦っている兵士たちもかなり疲弊している。わしの悩みの種だったのだが、隣国も悩んでいたらしい。講和をしたいが、ペトラ地方の領有権を譲っての講和では、国民が誰も納得してくれない。そこで、国を代表して強い者が闘い、勝った方が領有権を得るというのはどうか、という提案があったのだ」
ミリア「なるほど。それで、隣国は、一体誰を代表として、選出したのですか？」

国王「聞いて驚くなよ。隣国の国王の娘ルナだ。その娘は、現在20歳。子供の頃から王女として様々な武術を身に着け、国内の武闘会に出場しては勝ち続けているらしい。デビュー以来、５年間無敗のチャンピオンだそうだ」
ミリア「あたしと境遇がそっくりじゃない。あたしも、15歳で武闘会にデビューして６年間無敗のチャンピオンなんだから」
国王「そうなんだ。しかも、ルナは、身長が高く、抜群のスタイルを持つ美人で、国内でも断トツの人気らしい」
ミリア「まるでこの国のあたしみたいな存在なのね」
国王「そうなんだ。隣国内でも、ミリアの噂は広まっているようで、ルナとミリアのどちらが強いのか、議論が巻き起こってるそうだ」
ミリア「隣国の国王は、隣国最強の女ルナを代表にするから、この国はこの国最強の女を代表にして闘え、と言ってきたのね」
国王「そうだ。相手は、無敗の女だ。太刀打ちできるのは、お前しかいない」

　ミリアは、真剣な表情の父に笑顔で返した。
ミリア「もちろん、あたしがこの国代表の女として闘うわ」
国王「ルールは、この国の武闘会と同じで目つぶし以外は何でもあり。身に着けてもいいのはショーツのみ。勝敗はギブアップか失神のみだぞ」
ミリア「ええ、そのルールには慣れているから大丈夫だわ」