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学生死神編

14話 超大型水棲魔物

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「はは ようやく気付いたか!」
水棲生物のハサミが攻撃してくるがディーは下半身のヒレを自在に動かし避ける
それでもハサミは追跡を止めずに追いかけてくる

レゼも影鎌で胴体を切断しようしたが水棲生物の足が素早い勢いで攻撃してくる 水中の動きではあちらに分があるようだ
レゼは瞬間移動で避けていく
水棲生物の動きに合わせるためやむを得ない
別に攻撃を受けても大丈夫だろうがディーが心配するのでできるだけ避けることにする
コピーした能力は同時使用できないので影で攻撃するしかない
学校で影鎌の訓練をしておいて良かったと思う

水棲生物は避け続けるレゼ達にしびれを切らしハサミからビームを発射してきた 海底にビームが当たり砂が舞う
「再生する足を狙っても限が無いっす 調べたところハサミが付いた足の付け根辺りに核があるのでそこを破壊するっす」

「了解」
核に向かってヒレで泳いでいく
足が進行を邪魔してこようとするがレゼが影鎌で阻止する
再生する速度より早く切断して核までの道をこじ開ける

ディーが素早く泳ぎ核の目前まで行きジャッカルを放つが皮膚が厚く銃弾は弾かれてしまった
「ちっ! 一発じゃ無理か」
言うのと同時にジャッカルを連発する

銃弾が皮膚の半分までめり込むが水棲生物が全身から音波を放つ、その衝撃でディーの体は吹っ飛ぶ

「ディー!」
ディーの銃弾めがけて影槍を投げた後、直ぐに瞬間移動してディーをキャッチする
「大丈夫?」

「あぁ」
ディーの変身が解ける

「あいつは」
見ると水棲生物の体はゲル状からつやのある白に変わり大きさも三分の一程度になっていた
影槍で核を砕くことに成功したみたいだ
「成功したみたいっすね」

水棲生物は気絶しているみたいだ、レゼ達が与えた傷はきれいさっぱりなくなっている
荒魂が消えて本来の姿に戻ったのだろう
水棲生物の頭上には世界の欠片が浮かんでいる
影鎌を消し死神の鎌を出現させる
欠片を回収すればこの世界からサヨナラをしないといけない・・・そう思うと死神の鎌を振るう手が止まる

「レゼ 直した俺たちの世界でトモダチを作るんだろ
ならとっとと直さねぇとな」

「そう・・・だね」
ディーに励まされ止まっていた手を動かす
パリンッ! 水中なのに割れた音がする

「回収完了っす 今回は世界の崩壊がそこまで進んでないので直ぐに転移可能っす どうするっすか?」

アクアエリアスの方を振り返る 遠すぎてみんなの姿は見えない
「直ぐで大丈夫」

「了解っす カチャカチャ・・・これで正しいシナリオ通りに進んで行くっす」

記憶エネルギーが集まってできた光の竜巻はレゼ達を飲み込み消えていった


目を開けると豪華な装飾が施されたさながら王宮の応接間の様な部屋にいた
淡い黄色のテーブルにふかふかの淡いピンク色をしたソファーがありディーと二人で座っている 向かいにも同じソファーがある
視線を淡い黄色のテーブルに戻すとアフタヌーンティーのセットが置かれていた

「さっきまで何もなかったよな?」

「美味しそう」

ドアがノックされ一人の少女が入ってくる
「お待たせして済まないっす 事後処理が遅れてまして・・・おや?どうしたっすか?」

聞きなれた口調でしゃべる人物は金髪ツインテールの美少女だった

「おまえ もしかしてリーデルか?」
ディーはツインテールを指に絡ませたり撫でたりしている
「そうっすよ 直接会うのは初めてだったっすね」

「予想外」

「あはは よく言われるっす・・・」
リーデルはテーブルに現れたティーセットで紅茶を淹れ二人に差し出す

「リーデルって天使だったの?」
あまりにも綺麗だったので聞いてみる

「何を言ってるっすか ここは神の世界『ヘルヘブンズ』っすよ神以外がいるわけないっす」

「じゃあリーデルも神様なの?」

「そりゃあそうっす自分は導きの神っす」
胸を張って答える

「まぁ 神の中でも下っ端っすけど・・・いつか自分も上位の神様になって豪邸に住みたいっすね」
そのことを想像しているのか顔がにやけている

「神にも色々あるんだな」

「あのぉ・・・ディーさんそろそろ止めてくださいっす」
ずっとツインテールの触り心地を確かめていた

「あぁ」
ソファーに座ると膝にレゼを座らせ髪を撫でる
ディーって髪触るの好きだよな

「ひどい目にあったっす」
ぼさぼさになった髪を直す

「やっぱりレゼが一番だな」
ご満悦である

「それで本題ですが、次の世界は魔族が支配している世界っす 長年悪魔族と天魔族が戦争してるっす
その天魔のリーダー格にあたる冥王が荒魂に取り込まれたっす
今回は荒魂以外を殺しても大丈夫なのでレゼさん達は悪魔族のリーダー格にあたる魔王と共闘して荒魂を倒してほしいっす
転移先を魔王城にしたのでそこで合流してくださいっす
魔王はマキナなのでこっちから話は通しておくのでよろしくお願いするっす・・・それではいってらっしゃいっす」

幻魔石が光だす
「待ってまだこのお菓子食べてない」
ソファーから立ち上がり急いで口に詰め込む

要件だけ伝えてリーデルは優雅に紅茶を飲みながら手を振っている
やっぱりこっちの都合はお構いなしらしい

転移すると遥か上空だった
レゼ達は自然落下している

「もご!も···もごご?」

「うわっ どこだここ」

「あ~···申し訳ないっす
レゼさんが転移の直前に動いたのが原因でちょーと いやすこーし場所がずれてしまったみたいっす」

「あ"ぁ!少しどころじゃねーと思うが」

「本当申し訳ないっす」

「ゴク···ン どうすればいい?」

「魔王城っす そろそろ見えてくると思うっす」
下に目を向けると赤紫の光を帯びた大きな古城が見える
このままだと古城に突っ込んでしまうが・・・

古城を壊さないように影で落下の衝撃を減らそうとした時
天空から強い光が差し込む、特大のレーザーのような光が大気を震わせレゼ達に向かって伸びる
レーザーのような光はレゼにぶつかり、何処かへ飛んでいった
レゼは衝撃で吹っ飛ばされ古城に大穴を空けることになってしまった

「レゼ!!!!」
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