黒ウサギ世界を廻る異世界奇譚 ~食いしん坊ウサギと世話焼き狼の絆は深い~

鴻霧

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冒険者(プレイヤー)死神編

26話 スライム討伐

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クエスト達成の為レゼ達は討伐対象のスライムが出現する霧の草原に向かっている

「テオドール様から聞いたっすか?この世界は基本自由で小さな事件は起こっても世界を滅ばす脅威(魔王など)は存在しないっす
でも、荒魂が現れて世界を壊そうとするので荒魂を異世界からの侵略者として新しく始まった高難易度のイベントボスとして設定したみたいっす
荒魂によって起こされる異変は新しい試みで発生したゲームのバグとして処理するつもりっす」

「しっかり手を打ってるんだなあんなふざけた野郎なのに」

「テオドール様は遊戯の神様っすから楽しむ為ならどんな努力も惜しまない方っす」

「遊び好きの神ってことか」

「簡単に言ったらそうっすね」

「荒魂と戦うにはいくつランクを上げればいい?」

「そうっすね 高難易度だから玄人(A)ランクか伝説(S)ランクぐらいにならないとダメっすね」

「先は長いな」

「RPGは育成がメインっす 頑張っていきましょうっす
ほらあそこにスライムがいるっす早速討伐するっす千里の道も一歩からっす」

「俺はたしか魔銃騎士だったな」
ジャッカルを錬成したつもりだったが違う銃器になってしまった

「なんだこれ」
スキル(解析)を発動させる
魔法銃 属性無 攻撃力1200

「この世界に存在する銃に置き換わっているみたいっす」

「僕の影も自由に動かせない」
影鎌を作ろうとするが・・・鎌の形ではなく双剣にしかならない
影刀 属性闇 攻撃力1500

「職種で制限されてるみてぇだな」

話しているとスライムが丘の向こうから大群で迫って来ていた
「慣らすのにちょうど良いかもな」

魔法銃を撃つ
影刀で斬る(と言うより当てる)

スライムは光弾や刀身に軽く触れただけで光の粒子になって消えた

「手応えがねぇなこれじゃ練習にもならねぇ」

「レベル差がかなりあるから仕方ないっす」

討伐したスライムの数が左下に表示されている
自動でカウントしてくれるようだドロップアイテムも自動でボックスに収納されている
中々便利な機能だエレノアと会った異世界では一つ一つ拾わないといけなかったからな、それを考えるとかなり楽だな

「たしかスキルを使う場合はMPを消費するんだろ」

「そうっす」

「全く減った気がしねぇが」

「それは自然回復と回復値最大のコンボで消費されても直ぐに回復するからっす」

「それってチート」

「それでも普段のレゼさん達に比べたら弱体化してるっす」

10体討伐するとクエスト達成の文字が現れ消えた

「おっ クエスト達成したみたいだな、街に戻るか?」

「ドロップ品はお金になるっすから多めに討伐するのもありっす」

「じゃあもう少し倒す」

「おう」

それから視界に入らなくなるまでスライムを倒す
カウントは100を越えた

「スライムがいなくなったな、戻るか?」

「うん、戻る」

「随分沢山倒したっすね」

霧の草原からドラクの街に戻る
ギルドに向かい、受付で達成の手続きとドロップ品の換金を済ませる
次いでに新しいクエストを受注する

ギルドで聞いたがドラクの街に宿屋は一件しかないらしい
宿屋だけじゃない防具屋、武器屋、アイテム屋まで街に一件しかない

「他の街もそうなのか?」

「はいっす 各街に一件ずつしかないっす
いくつあっても迷うだけっすから」

「そういうものか?」

「ご飯は美味しい?」

「はいっすそれは保証するっす最初の街なので価格も良心的っす」

「やった」

街唯一の宿屋『王の鍵亭』
中に入ると可愛い少女が元気よく出迎えてくれる

「いらっしゃいませ!宿泊ですか?」

「あぁ 食事付きで」

「かしこまりました、一泊50ギルになります
ではお部屋に案内しますね!」

クエストの報酬と換金で手持ちは20万ギルあるから暫くは困らないだろう

部屋の案内と宿屋の説明を終え少女は戻って行く
案内された部屋はそこそこ広く風呂とトイレが付いているが
ドアノブを回しても開かない

「その先はゲームって設定だから必要ないって作ってないみたいっす」

「そうなのか?俺達には必要だと思うぞ」

「それなんですが雰囲気を味わいたい人の為に共同浴場があるっす そこでなら体を洗えるのであとで行ってみるといいっす」

「おう、助かるぜ排泄の必要は無くても風呂には入りたいからな」

「うん、あとお昼ご飯食べてない」

「そうだったな、何か作って貰うか」

部屋の確認を終え、食堂に向かう
先ほどの少女がとことこと駆け寄ってくる
「お食事ですか?」

「あぁ」

「かしこまりました 好きな席に付いてお待ちください!」

数分も待たない内に食事が運ばれてくる
白米の上に甘辛い汁で煮た揚げた豚肉と玉ねぎが乗っけられ、卵で閉じられている

「こちらカツドンになります!」

揚げられた豚肉は柔らかくジューシー卵はトロトロで甘辛い汁が白米に絡み絶妙なハーモニーを醸し出している

「美味しい!」「うまいな」

味噌汁と漬物も良い味を出している

「初めて食ったがうまいな」

「ありがとうございます 東国で有名な料理なんですよ」

「美味しそうっすね 私も食べたいっす
テオドール様に頼めば作ってもらえるっすかね?」
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