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23.めんどくさい感じに
今日は病院に行く日。
昨日の夜は、キスしか出来なくて京利が疲れている。いやいや逆だろ。キスしかしてないんだから、元気でしょうに。
昨日、メイが帰ってから、明日は病院に行くから、身体のバランスが崩れる可能性があることは、極力止めておこうってことになった。
オレは、ちゃんと診察してもらいたいから、その通りだなと思った。さすが京利!って思ったのに。
京利は、自分で言っておきながら、あからさまに元気がなくなっていた。お風呂もはじめて別々に入った。一緒に入るのは、お互いの裸を見て我慢できなくなるリスクが高すぎると説得された。
…なんかオレの方がどうしても一緒に入りたいっていうのを、説得されているような図だった。なんでだよ。
京利は、オレを説得しているようで、自分を説得していたのだろう、心の中でクスクス笑った。
オレが先に、久しぶりにひとりでお風呂に入って、しかもジャグジーだから、若干、楽しいまであった。ジェット噴射のスイッチをポチポチ押して遊んでしまった。だからかちょっとニコニコ顔でリビングに戻ったら、京利はうろうろしていて、オレの顔を見たとたんガーンとへこんでしまった。(頭の上にタライが落ちてくる幻想が見えた)
もしかして、オレが呼ぶのを待っていた?
トボトボとお風呂に向かった京利の後ろ姿を、なんとも言えない気持ちで見おくった。
その後は、戻ってきた京利と二人一緒にベッドに入って一回だけ、ちゅううぅ、てして寝た。京利の目がとにかく何か言いたげだったけど、いつものように、オレを抱きしめて、寝る姿勢になったら、京利の胸の温かさにとても安心して、すぐに眠ってしまった。
そして、今日の京利は、疲れている。
「全く凛と触れあっていない。俺は、どうすれば良いんだ。力がでない。無事に凛を病院に連れて行きたいのに、あぁもうダメだ……」
「大丈夫!車の運転はアカサカさんがしてくれるんでしよ?車に乗れさえすればなんとかなるなる!」
「そうだ!昨日、凛は赤坂に見とれていたな」
京利の眉間にシワがよって不機嫌な顔になってしまった。えええ。いつの話してるんだろう。あっお茶出してくれた時のことか。見つめてなんかないよ、見てたんだよ。って言いたかったけど、今の京利はめんどくさい感じになりそうだったから黙った。
あっ、この手はどうだろう。
「京利、今日無事に病院が終わったら、また一緒にお風呂に入ってくれる?それにキスもたくさんして欲しい」
ちょっと上目遣いであざとくキメてみた。
「もちろんだ、凛。無事に決まっているが、病院でしっかりと見てもらったら、今日からまた一緒に風呂に入ろう。隅々まで洗ってやるからな、さあ行くか」
効果覿面過ぎて、面白い。
その後の京利はにこにこで、やわらかいフェロモンを出してオレを包んでくれた。緊張がほぐれて安心する。好き。病院に着いても、ずっと手を繋いでてくれた。
直接、診察室に向かう。京利が大丈夫だ、って先に中に入っていった。続いてオレが入ると、中には、とても怪訝な顔をして京利を見ている医師らしき人物がいた。彼が親族の人なのかな。
「おまえ誰だ?」
「おい、なにを言ってるんだ、ふざけている場合じゃない」
オメガ性の医者は、京利の顔を凝視していた。
「この世界一可愛いのが、俺の凛だ。こっちは、親族の中でも珍しく研究職で性の研究をしている。俺のはとこにあたる」
「凛といいます。今日はどうぞよろしくお願いします」
京利の紹介にあわせて、そろりと顔をこちらに向けた医師が優しく微笑んだ。
医師はとても優しい雰囲気で笑いかけてくれた。感動した。こんな先生はじめてだ。
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