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24.愛ゆえ
「凛さん。緊張しなくてもいいよ。僕もオメガだからね。オメガ同士仲良くしようよ。僕は、冴と書いてサエ、だよ。凛さんなら、さえたんて呼んでくれていいよ。同じ一文字の名前だね。僕もリンリンって呼んでいい?やったーありがとうリンリン。僕を、さえたんって一回呼んでみて。ううん、さんは要らない。ほらほらもう一回。キャー!いいっ!キュンキュンするわぁ。あっ首の歯形が気になる?すっごいでかいでしょ?僕、実はね…熊の番がいるんだ。運命の番は熊だったんだ…。えっやだ冗談に決まってんじゃん。番ったのはちゃんと人間だよ。ちょっと体格が良すぎるのと、自己アピールがバカみたいに強くて、バカみたいに気持ちが重い奴なんだ。息子が二人いてね、どっちも独立してるんだよ。だからリンリンのことは息子みたいだよ!安心して僕のこと信用してくれたら嬉しいな。えっ年齢?44歳だよ。なになにそんなにびっくりしないで。えっ若く見える?リンリン最高!嬉しいこと言ってくれんじゃん。さあ、今日はリンリンの身体のこと色々教えてくれる?何でも話してくれていいんだよ。一緒に考えていこうね!」
すごいしゃべる人だ!
そしてものすごく可愛い!
「おい、凛が驚いているだろ」
「だから、おまえ誰だよ」
「京利だよ!け、い、と!」
京利に向けての声が、オレの時と全然違う。
「えっ!京利?!あの?!あの寡黙で、しかめっ面が顔にはりついたあの?!立ってるだけで絵画と言われた、あの?!なみいるオメガに突撃されても全て軽く流してきた、あの?!笑顔を一万光年先に置いてきたと言われた、あの?!あの京利なの?!これは驚いた。春夏秋冬が全部一緒にきちゃって、花見しながらゲレンデで水着でスキーを楽しんで、かまくらの中で松茸ご飯食べた!ぐらいに、びっくりだよ。京さんと理桜さんにはまだ会ってない感じ?うわぁこんな素敵な京利くんを親族で一番に見られる栄光を僕にくれるなんて。ありがとう!一生、自慢しまくるね!」
京利は、途中で何度もさえたんを止めようと、タイミングをみていたけど、ついになし得なかった。
「さあ、京利くん?は、一旦外で待っててくれる?今からリンリンの子宮付近の内診するから。まさか、あの人生における一番恥ずかしいといわれる格好をしないといけないのに、ここにいる、ってワガママ言わないよね?」
「凛、俺は外か?」
「さすがに恥ずかしいから出てて欲しい」
「わかった」
京利は、絶対わかってない顔で外に出ていった。
「プハ!めっちゃ面白い男になってんじゃん。最高!ずっと見ていられるね」
「さえたんもそう思いますか?京利はあんなにかっこいいし完璧なのに、可愛いって思っちゃいます」
オレとさえたんは、話しながら、内診の準備をしていった。椅子に座っていると、ウイーンて椅子が変形して、勝手にお股パカーンってなるやつ。
「リンリン、それはもうハマっちゃったやつだよ。旦那が可愛く見えたらそれはもう愛だね。愛ゆえに可愛いいんだよ。お尻、ちょっと気持ち悪いけど我慢してね」
一通りの診察と、検査が終わった。さえたんは、すばやく丁寧だった。椅子を普通の椅子の形に戻してくれた。
「ねえ、リンリン。京利くんを受け止めてくれてありがとうね。リンリンのおかげだよ。京利くんがあんなに表情豊かになるなんて。人間になれてよかった。今日久しぶりに会ったけど、イイ男になっててびっくりだよ。リンリン、これからも京利くんをよろしくね」
「もちろんです」
ちょっと目がうるうるした。
「さあ、京利くんを部屋に入れてあげよう、呼んであげて」
「はい。京利!もういいよ!」
バタン!!オレがもういいよと言いきる前にドアを開けて入ってきた。
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