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25.親族が減らずに
「凛!大丈夫だったか?なぜ泣いている?痛かったのか?何か嫌なことをされたのか?」
椅子からソファーに移動して座っていたオレのところに飛んできて、横に座るのと同時に、ぎゅうって抱きしめてくれた。
「なんともなかったよ、全然痛くもなかった。さえたんすごく優しい。少し京利との話をしたから、うるうるしちゃっただけ」
「京利?くん、僕が乱暴なことするわけないでしょ。最大限に優しくしたよ、ねっ?リンリン」
オレは、うんうんと首を縦にふった。
「そうか、よかった、親族が大幅に減ることにならずに本当によかった」
うん?また人口の話?
「リンリン、次はちょっと、血液を頂くね。今まで針や血なんかで気分悪くなったことある?アルコールで荒れるとか」
「ありません、大丈夫です。京利、手を握っててね」
「ああ、もちろん。手を握るのは得意なんだ」
さえたん、すごい顔してる。笑いを堪えてる顔だ。角度的に、オレにしか見えていないだろうけど、肩が震えてますよ。
ニヤニヤ顔で、はいっチクっとするよーなんて言いながら針を刺したみたいだけど、本当に痛くない。さえたんすごいな。
京利は、オレの頭を胸に抱えこんで、採血するところを見せないようにしている。別に血を見るの怖いとか言ってないんだけどな。
「ねえ京利、どうしてさえたんには、オレとの距離が近すぎる!みたいなこと言わないの?」
「それはな、冴さんの番さんがしっかりとマーキングしているからだ。ちょっとやそっとじゃ、揺るがないマーキングなんだ、並大抵のアルファじゃ歯がたたない。冴さんに触れることはおろか、近くに寄ることも出来ないだろうな」
「へえ、さえたんの番さんすごいんだね。もしかして今も、すごいわかる感じ?」
「そうだな。特級アルファの威嚇フェロモンをずっと感じるな。普通のアルファ性、ベータ性は、まずこの部屋に入れないだろう。オメガ性に向けての威嚇ではないけど、やっぱりオメガ性も萎縮してしまうだろうな。この部屋の前の廊下を歩くのもキツいかもしれない」
「えっ!オレはもともと感じないからだけど、それじゃあ、京利はすごいアルファなんだ!さっすがオレの京利だ!かっこいい」
顔をあげてにこにこ。
あちゃ、京利の顔がゆるゆるになってしまった。
一生懸命、顔を戻そうとしてる。
「よし、おしまい。この血を検査に回してくるね、すぐに戻るからね。はい、ここを京利?くん、押さえててあげて」
針を抜いたところを京利がしっかり押さえてくれた。ありがとう京利。オレじゃなくて、京利の方が痛ましい表情をしてる。
「ああ、凛。いい子だ。頑張ったな。えらいぞ」
「うん」
京利の胸に顔をすりすりした。いっぱい甘えちゃおう。ふふ、いい匂い出してくれてる。優しく包みこんでくれるやつ。ああ、安心する。好き
トントン。ノックの音だ。さえたん戻ってきたみたい。わぁ、ジュース!グラスにきれいなピンク色のジュース!
「グレープフルーツジュースだよ。飲める?」
「はい。飲めます!」
「これはね、グレープフルーツには鉄分の吸収を高める効果があるから、鉄分をプラスしたさえたんのスペシャルジュースだよ。さあ、おあがり。それから、リンリンのお話聴かせてもらっちゃお」
特製ジュースうまかった!その時点でもう緊張感なんてなくなってたから、京利にも話したオレのことをさえたんにお話した。まるでカフェでお茶してるみたいな感覚で、聴いてくれた。
ピン
「おっ血液検査と尿の検査の結果がでたよ。どれどれ...」
ノートパソコンを画面を真剣に見つめるさえたん。
ドキドキする。京利が手を握ってくれている。尿はさっき採ったばかり。仕事が速いな。
「なるほど…」
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