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47.大正解で絶好調
あれ、なんだろうこれ。
自分の心に荒れ狂っていた感情?が凪いでくる。
確かにメイの声がとても優しくて、らしくないなって思ったけど。そういうことではない。
実は、ちょっと電話するのもわずらわしい。とすら感じていたのに、メイの声を聞いたら、言いたいことがどんどん、ヒュン、ヒュンて出てきてこれはこっち、これはこっちって整理されていって言葉にできそうな形になった。
オレは、溢れだした言葉を溢れるまま、全部ぶちまけることになった。いくら言葉の形をとっていても、支離滅裂であることにはかわりない。時系列もバラバラだ。
メイは、慣れたように相づちをうってくれて、オレが吐き出したいことを丁寧に掘り出していってくれた。
京利が、途中でオレの隣に戻ってきた。
京利まだかな?って話し中もずっと気になっていたオレは、完全に気になることがなくなって、メイとの会話(吐き出すこと)に集中した。京利は、いつのまにかオレを後ろから抱っこして、膝に乗せて、凭れられるように胸とオレの背中を密着させていた。
オレの怒涛の話をたぶん聴きながら、抱きしめたり、撫でたり、ぷにぷにしたり、オレを愛でていた。
オレの勢いが少々落ち着いてきたころ、メイが今の話をまとめてくれた。
『凛が番さんとの出会いから番成立に至るまで沢山のことがありすぎて心の処理が追いつかなくなったのね』
『そして、不調の原因を予測してくれた冴さんの言うとおりに、急ぎ番になったら、大正解で絶好調。最高に噛み痕が素敵だった。しかも、赤ちゃんが来てくれたかも。ということね』
「うんうん。その通りだよメイ。すごいね!」
えっまじで、メイってすごいじゃん。あんなにごちゃごちゃしていたのに、キレイに整頓してくれた。
『何年、凛と一緒に過ごしたと思ってんのよ。凛の話を聞けばどういうことか、だいたいわかるわ。それで今も苦しいの?』
ハタと気づく。京利を見る。ちょっと、いやだいぶ悔しそうだな。笑顔だけど、蜂蜜色の瞳がくもっている。
「マシになったかも」
『それなら、良かったわ。凛、とにかくお腹を大事にしてね。毎日、撫でて話しかけるの、もちろん番さんにもやってもらってね、今度、私もするから、何がなんでも今は落ち着いて行動するのよ、歩くときは慎重にね、あっ、クラシックの音楽を毎日聞いて、絵本も読んであげて、それから……………(以下、割愛)凛、わかった?』
「う、うん!わかった!ありがとうメイ。また連絡するね。はい、うん。またね」
最後、圧がすごくなかった?メイ、どうした?
まあいいや。
「京利、電話できたよ。ありがとう。いっぱい話しちゃった」
「いっぱい話せてよかったな。喉渇いただろう?冴さんの特製ドリンクここにおいてあるから飲んでみたらどうだ?」
「うん、飲む!」
わあ、なんかおしゃれなステンレスマグに入ってる。温かい感じなのかな。京利が慎重に蓋を開けて渡してくれるんだけど、京利は、ずっとオレを後ろから抱っこしてくれているから、オレが持った後に、支えるように手を添えてくれた。嬉しい。にこにこ。京利、大好き。
「あっすごい、いい香り、レモン?かな。この香り好き」
「ほんとだな。レモンバーベナかもしれない」
「えっ京利わかるんだー。すごい!博識!カッコいい」
やわらかく微笑んでいる京利(にやにやを我慢している顔)を横目に、そおっと、口に含む。
「うわぁ美味しい!蜂蜜も入ってるよ。温かい」
「昔、冴さんがよく入れてくれたんだ。懐かしい」
ひと口ひと口、飲みながら、京利とちゅってキスしたり、甘い時間を過ごして、全部飲んでしまった頃、オレは、眠たくなってしまって京利に凭れて眠った。
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