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55.よろしく頼む
「凛、離さない、俺だけの凛」
執拗に、オレに言い聞かせてくる京利が愛しい。もっと言って。もっと繋いで。
京利がオレのシャツを剥がしてしまった。シワになりそうだったからいいんだけど、オレだけなんて、やだ。
「京利、誰か入ってきたらどうするの?」
「誰も来ない。さっき赤坂に言っておいた。誰も入らないようにいってある」
「じゃあ京利も脱いで、オレだけはやだ、さみしい」
そういうと、京利はすぐにそうだな、って笑って気持ち良く一気に脱いだ。上半身だけだけど、やっぱり京利と肌を合わせることは気持ちいい。京利の体温でいつもうっとりするんだ。
「昔の若かった俺が、凛を部屋に連れ込んだみたいで何ともいえない気分だ、これは背徳感に興奮しているのか」
京利は、オレの肌にキスを落としていく。
京利は、大きな手でオレの肌に触れていく。
京利は、甘いフェロモンをオレに馴染ませていく。
京利がキスを落としてくれたところが全部熱い。顔も熱いし、首も熱いし、全部熱い。
オレは、いつもより執拗に重くて濃厚なフェロモンに、涙を流す。別に辛いわけでも、この間みたいな苦しさに喘いでいるわけでもない。
嬉しさ?愛しさ?
ああ、これは幸せだ。
何ものにも代え難い、幸せ、至福。
オレは、オメガ性に生まれてきて良かった。
初めてそう思った。
さえたんって毎日こんな風に番さんのマーキングを受け止めているってことか。すごい…いいなぁ。さえたん幸せだって言ってたもんな。さえたんが幸せだと嬉しい。
でもうざいって言ってたな、ケンカップルってやつか?なんて尊い。
「うぅんんんんん、京利ぉ、もっとして…もっとぉ」
ぐずる赤ん坊のような声がでる。
「気持ちいいのか?凛」
「きもちいい…」
「体調は大丈夫か?」
そう言って京利は、オレのお腹を優しく優しく撫でながら聞いてくれる。
「うん。大丈夫」
「そうか。良かった。凛、俺は今最高に幸せだ。アルファ性に生まれてきて、初めて良かったと思っている」
「ふふ、ほんとに?オレも今まったくおんなじことを考えてたよ。最高に幸せ。オメガ性に生まれてきて良かった」
京利は、ぽろりと涙を流した。
嗚咽も慟哭もなく、静かに涙を流していた。オレ達は、どちらからともなく、抱きしめあった。オレの首もとが京利の涙で温かく濡れていく。
両手で京利の顔を引き寄せて、涙を舐めた。
しょっぱい。
子猫をグルーミングする親猫のように舐めた。
無意識にオレはぺろぺろ舐め続けてしまっていたようだ。
「凛、そんなに誘惑しないでくれ。抱いてしまいたくなる」
「オレも、抱いて欲しい。でも、我慢する。それに良いこと思いついちゃった。京利ここに座って?」
オレは、その辺にあったシーツを被って、身体を冷やして京利を心配させないようにして、京利の伸ばした両脚の間に入る。大きくなった京利のものをズボンの上から軽く撫でる。
「ちょっと待て、凛。それは、かなりやばっ、」
「だめ?」
「………だめじゃない。わかった。よろしく頼む」
腹をくくったのか、生唾をのんで、期待を込めた目でオレを見る。
ふふん、やった!ずっとはむはむしたかったんだよね~。うきうきと京利のズボンのベルトを外していく。あう、すごい興奮してきた。きつきつになった下着の中に窮屈に入れられているものを下着越しによしよしする。
うわっいつものように、びくびくって反応してくれた!かわいい……。
わかってる。こんな風に思うのは、オレが淫乱だからだ。もうそれでいいよ。オーケー。オレは、淫乱オメガだ。勝手に自分の中で、話を完結させた。
よしよししながら、顔を近づけてちゅってした。
おお!またぎゅんて大きくなったんじゃない?
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