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93.肉食獣がいっぱいのサファリパーク
京利にしがみついて子供のように泣き喚くオレの声をききつけて、どうしました?と血相を変えてやってきた看護師さんは、部屋の中を見ておどろき、踵をかえしてそのまま医師を呼びにいった。
途中で、廊下を移動していた看護師さんにも伝えて、四ノ宮家の家族への連絡を頼んだ。そこから一気に伝播する。
まずやってきたのは、脳神経外科の四ノ宮先生の二人。一人は、脳の仕組みや神経系についての権威で、もう一人は脳腫瘍を何百と頭を開くことなく摘出してきた神様と称えられる先生だ。
次に走ってやってきた連さん、この人はよくわからないけどこの病院の外科部長さんらしい。整形外科とか形成外科とかの先生もついてきていた。
脳の先生達が脳の反応とか軽い脳派チェックをするとかで。オレに一旦京利様から離れて椅子に座っていただけますか。ってめっちゃ四ノ宮先生達に囲まれて、言われたから、また離れ離れになるの?!って怖くてパニックになってしまい、余計に泣きながら京利から離れたくないってごねにごねた。
このままじゃ検査できないってなって、大騒ぎだった。
連さんが「冴えはまだか!?」って怒りだして、威圧を放ち出したのか、なんかわけわからんうちに、オレは連さんに抱っこされることになっていた。
オレは、唐突にスンってなって降りようとしたけど、連さんの力がすごすぎて無理だった。完全に赤ちゃんのように抱っこされている。
京利は、こちらをガン見していたが、連さんに、このアルファの巣に一人でおろしていいのか?!っていったら黙った。こちらは見てるけど。
なにここ。肉食獣がいっぱいのサファリパークとかなの?ひとりで立っていたり、座っていたりすると危険なのか?
なお、京利の『凛は俺のものだ』フェロモンが垂れ流しになっている。四ノ宮先生方達も、苦笑いだ。
オレはもう、これ以上事態を悪化させないように黙った。なんといっても連さんは命の恩人なのだ。返しきれないご恩はあっても、不快な思いを与えても良い人ではないのだ。
それからすぐにさえたんがきてくれて、この光景を見るなり「ああ」ってすぐに理解して、オレを連さんに降ろさせて、京利が見られる向きに変えたソファに一緒に座ってくれた。
さえたんは、オレの手を握ってりんりんよかったねって言ってくれた。さえたんの手は温かった。
オレが先程まで泣き喚き、ごねにごねていたことを知られちゃったかな?知られたらまた怒られるよな。ひえ。
どきどきしながら、いやこちらこそ色々ご面倒をお掛けして本当に感謝しかございません。と伝えたら大笑いされた。
そこからさらに、内科の様々な四ノ宮先生がやってきた。総合的な内科、血液内科、アレルギー内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科とか、そういう感じ。
皆が一斉に、自分の首にかけている聴診器で、京利の身体のあらゆる部分に、思い思いにあてて、一番ご年配の先生(あとで聞いたら院長先生だった)が、「はい、吸って。吐いて」と音頭を取り、それに合わせて皆が音に耳を澄ませるものだから、とてもシュールな図だった。
オレは静かにしなきゃって、息も止めていたくらいなのに、さえたんたら横でくすくすくすくす腹を抱えて小声で笑っていた。
いや確かにオレもおもろっ!て思ったけど。
最後には、耳鼻咽喉科、口腔外科、歯科の先生達もやってきて一通り京利の簡易検査は終わったようだ。
どの四ノ宮先生も、特に今京利に異常を見つけることはできなかったようで、オレは一旦安心することにした。
今、京利はリハビリの四ノ宮先生と今後の予定について話している。
総勢約ニ十人の四ノ宮先生達は、去っていった。
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