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110.なんてことだ。オレの旦那様が優秀すぎる。
何度となく陣痛の波を京利と乗り越えた。
いよいよ陣痛の間隔が3分を切った。
継続時間も長くなってきている。
はあっはあっふぅううう。
オレも京利も汗だくだ。それでも波が引くと必ずオレの汗を拭ってくれている。
痛みの種類が鈍痛に加えて、裂けてしまいそうな砕けるような痛みも出てきて、その範囲も広がり今やどこが痛いのかわからない。
京利が空いてる方の手で、腰周りをずっと擦ってくれるんだけど、それが気持ちいいのかどうかもわからなくなってきている。でもなぜか手の温かさだけは、はっきりとわかる。
先程、破水をした。
ぱしゃって聞こえたのではないかという感覚だった。本当に水風船が何かに当たり、割られたときみたいに弾けて水が放たれるイメージ。濡れてしまったベッドのシーツも敷いている吸水シートも素早く看護師さんが取り替えてくれた。
今は、さえたんが一度見てみようと、オレから一度離れて下半身側にいき、子宮の確認を行ってくれているところだ。
「いいぞ!子宮口が最大値まで開いた!
りんりん!もう少しだ!
いよいよまーりんのお出ましだっ!!」
これが最大値の痛み!
「おいで!まーりん!皆が待ってるっ!」
すぐにまた陣痛がやってくる。
凛真、会いたい。
ふーーーーーっ、ふーーーーーっ、
「凛、上手いぞっ!」
京利がフェロモンで絶妙にオレを蕩けさせる。
「よし、りんりん、ベッドの形を変えるよ。
最終形態になろう。
合図を送るまでは、今まで通りでね」
控えていた助産師さんも看護師さんもわらわら登場して、みんな水色のかっぽう着のようなものを着て、マスクと手袋をしていて、髪の毛も全部、帽子の中に入れらていた。
オレはもう動くこともままならず、されるがままで、どんどんベッドの下半分が内診のときの椅子みたいに変形して、足ぱっかーんっの状態になっていた。違うのは、少し足を乗せる台の位置が高いことと、動かないように柔らかいベルトで縛られて、太腿からつま先まで水色のカバーで両方の足が包まれているところだ。
皆さんが、あっという間に準備を完了させた間にも、頻繁に陣痛がくるようになっていた。
京利は、オレだけに集中していて、周りのがやがやした動きに動揺することなくオレのタイミングに合わせて優しくて少しえろいフェロモンを出してくれる。
なんてことだ。
オレの旦那様が優秀すぎる。
本が一冊書けそうだ。
オレも力を抜くことに集中して、京利のフェロモンに集中する。いっ痛い、痛い、痛い?ってなんだっけ。
「まーりんっ!そうだ!そのまま進んで!」
いつの間にかさえたんも他の皆さんと同じ服装になって戻ってきていた。オレの真ん前の下方、すなわち、お尻の前に陣取っていた。後孔がある部分に視線が集中している。
「いいぞ!まーりんこっちだ!」
さえたんが、絶え間なく凛真を励ましてくれる。すごい集中力だ。指を入れて凛真の通る道をくるくるっと一周して、通りやすく整えてくれているようだ。
もはや、陣痛がとまらない状態、という表現が正しいのかはわからない。ずっとめりめりしている。どうすればいいんだろう。
「りんりん、まだだよ。まだ力を抜いてて。
今まーりんが子宮口から頭を出そうとしてる」
ええっなんだって?!今、頭を出そうとしているだって?!そんな大変なことが起きてるの?!やばい。やばい。確かオレが力を入れたら首が締まるからいっぱい力を抜くって京利と勉強したはず!
どっどっどっどっどっ。
オレの心拍数が急激に上がっていく。
「凛、凛、俺を見て」
愛しい番の声が聞こえて勝手に顔が京利に向く。
「ちゅっ、凛、愛している、ちゅっ」
京利は、オレの額にキスをしながら愛を告げる。
甘い甘いフェロモンがぶわぁっとオレを包む。
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