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112.ある意味出産よりも痛くね?
男性は生理が起きない。
女性とは違い、男性の子宮は普段はしっかりと閉じているから細菌なども入りにくい構造になっているらしい。(便が通る道でもあるからだろう)
だからこそ、この出産をしたあとの子宮口がまだ柔らかいうちに、子宮内の洗浄や検査を行う絶好のタイミングとなる。
柔らかいチューブを子宮内に差し込み、生理塩水を注入して、お腹を押して、出す。それを何度か繰り返す。
その後は、さえたんが子宮内を検査して自然に子宮口が閉じるのを、リハビリ体操などで促していくという。
一般的に、生理塩水を注入するのは看護師さん、お腹を押すのは助産師さんで二人一組で行なわれる。先程言った通り、なかなか珍しいことなので、たくさんの人が室内にいる。
オレの担当をしてくれたベータ性の女性の看護師さんとオメガ性の男性でさえたんを師事している助産師さん。二人の息はぴったりで、未来の貴重なお医者様となる研修医さん達が、真剣に二人の手元を食い入るように見ている。
ところが…なんとこの押し出しが超絶に痛い。めちゃくちゃ痛い。なんかとんでもない痛みなんですけど。えっなんで?!
「りんりん痛いだろう?これはね、出産が終わって、急激に子宮が元の形に戻ろうとして収縮しているときの痛みなんだ。オメガ性の男性は特に痛いというね。すぐに子宮口を締めて、細菌を遮断しようとしているからだろう」
うぎゃあーっ!
と叫びたいところを我慢して耐える。
うそでしょ?まじで痛い!
これってある意味出産よりも痛くね?
「凛、可哀想に。俺が代わってやりたい」
京利も困り果てている。この痛みはフェロモンを出してどうにかなるものでもないからだ。でもオレは負けないぞ!
うぎゃあーっ!
いや待って押しすぎじゃないそれ。
「さてさて流れ出てくる水が綺麗になってきたね。そろそろ、検査していくよ。りんりん、触るね」
さえたんが、検査器具を使って、内から外から検査してくれている。たくさんの人達は出ていった。
その間、京利は、オレの乱れた顔や髪の毛を、熱いタオルで綺麗に拭いてくれて、最高に気持ちがいい。
「京利、疲れたでしょ?お手洗いにもいってきてよ」
「嫌だ、俺は凛から離れないと決めたんだ」
「いや、でもおしっこもしたいでしょ?オレ、当分起き上がれないかもよ?」
「嫌だ。我慢する。それに別に尿意を感じていない」
「もう!困った京利くんだね」
「くはっ!京利いいぞ!おまえはそれでいいんだ。大正解だ。見ろ!凛がとても嬉しそうだ」
まだ部屋に残っている連さん(もしかしたらさえたんとただ離れたくないだけ説が浮上)が楽しそうだ。
確かにオレは嬉しくて顔がにやけてしまっている。京利といまだに手も繋いだままだ。離れたときといえば今さっきオレを拭ってくれていたときだけ。しかも優しい甘いフェロモンでオレを包んで労ってくれている。にこにこ。
「凛、なんて可愛いんだ」
蕩けた蜂蜜色でオレを愛でる。
「よし、いいね。異常なし。特に傷ついているところもないようだ。産道に使った腸壁の部分には毎日この薬を塗ってね。さありんりん足のカバー外すね」
腰回りから下半身、両足に掛けられていたカバーが外されていく。足のベルトも外してくれて、ずっと上げていた足をやっとベッドの上にに降ろすことが出来た。
連さんは何もいわないでも反対方向を向いてくれている。さえたんの手でオレの張り付けられていたおちんちんが無事に、解放のときをむかえた。
下半身が自由だ!(動くかどうかは別にして)
自由って最高!
「りんりん、車いすに乗って京利くんのトイレに付き合ってあげてよ」
「えっいいの?」
「すぐに歩いたりはできないだろうから抱っこして乗せてもらってね」
やった!
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