ある日『運命の番』に出逢ったオレに起こる、なんやかんや、でもやっぱり最高に幸せだと思う。

音羽 りんね

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116.『夜景が見えるレストラン』




「わあ!美味しそう!」


 ベッドに設置した簡易テーブルの上には、素敵な赤いテーブル掛けが敷いてあった。

 『夜景が見えるレストラン』で出てくるようなオードブルが、華やかな大皿に乗せられて、真ん中にでーんと配置されている。繊細な調理技術が施された料理の数々が、色彩豊かに少しずつ盛り付けられて、なんとも美しい。

 本日は、京利とオレ、横に並んでくっついて座っている。それぞれの前に小さくカットされたお肉(たぶん絶対おそろしく柔らかい)が、これまた金の縁取りが細く上品に入った小皿に、オレには到底覚えられないような名前のトロミのあるソースが、かかっているようなかかっていないような絶妙な具合で、生花とともに飾り立てられいた。

 そして、テーブルの端には、それぞれのシャンパングラスとふんわりしたパン、お箸が置かれていた。


「京利!すごいね!」


 オレはもう一度、目をきらきらさせて眺め回した。京利に許可をもらって写真も撮らせてもらった。


「凛、乾杯をしよう。
 今日は本当にありがとうお疲れ様、凛。
 たくさんのプレゼントをありがとう」


「京利、たくさんがんばってくれて、
 本当にありがとう。
 京利がいないと、
 きっとあんな上手に産めなかったよ。
 京利、愛してるっ」


「俺も凛を愛している
 これからもずっと一緒にいよう」


「「乾杯!!」」


 軽快な、カチンという音が心地よく響く。

 京利が用意してくれていたノンアルコールのシャンパンで乾杯した。とても美味しいシャンパンだった。それ以上何も言えないけど、とても爽やかな甘みのシャンパンだった。美味しい。最高に嬉しい。

 全部オレの為に用意してくれていたんだね。赤坂さんもありがとうだよ。

 乾杯のあとは、一品一品、京利と感想を言い合いながら、食べた。全部美味しかった。


「うわっ!これめっちゃ美味しいよ!京利あ~ん」


 嬉しそうに、蜂蜜色の瞳が緩んで細められる。京利は、こぼしてなるものかという意気込みを感じる大きな口でぱくっと食べる。


「ふふふ、どう?」


 ごくんと京利は飲み込んで、


「美味い」


 優しい微笑むを浮かべてオレだけを見ている。


「これ何ていう料理なの?」


 京利の顔が近づいてくる。


「これは、……わからないな」


 唇と唇がもう間もなく触れてしまういそうだ。


「ぷふっそんなわけないでしょう?」


 唇と唇が触れ合う。
 お互いの優しい熱を感じ合う。
 唇を重ね合う。

 最高に幸せな心地だ。
 

 結果、たくさん食べられた。いっぱいおっぱい出そう。出たらいいな。凛真にたくさん飲んで欲しい。

 どうやらオレは、食べながらうとうとし始めていたらしく。
 京利がトイレと歯磨きだけしないか?って聞いてくれて、うん。したい。って答えて、がんばって意識を戻そうした。

 それで京利に手伝ってもらいながら、それらを全部すまして、抱っこしてもらったところぐらいには完全に夢の世界だったかもしれない。
 
 最後に京利が、ゆっくりおやすみ、って唇にキスしてくれたことだけ覚えている。

 オレは、すぐに深く眠ってしまったけど、随分あとになってから、『俺がキスをしたら、きゅっきゅって笑ったんだ!可愛くて悶絶して呼吸がとまってしんでしまうところだったんだ!』という大袈裟な話を何度も聞くことになる。




 んぎゃあ、ふぎゃ...




 はっ!


「凛真っ」


「凛っもう起きたのか?」


 驚いた顔をした京利が飛び起きたオレを、寝そべった状態で見ている。なんか京利またかっこよくなってない?


「おはよう京利っ!行かなきゃ!」


「凛真のところに?身体は大丈夫なのか?」


「うん!元気!京利、昨日はごちそうさま~」


 ぎゅうって京利に抱きつく。京利はすぐに抱きしめかえしてくれた。あたたかい。


「京利!凛真が泣いてるんだ、さみしい腹へったって」




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