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4.絆の根底にあるもの
このまま連れ去ってくれるんだ。嬉しい。もうオレの頭は正常に動いてないし、早くオレの全部をケイトのものにして欲しいとそれしか考えられない。
「連れ去ってケイト、早く」
「すごい殺し文句だ」
まだ理性残しておきたいのに。
ケイトがぶつぶつって何かを言った。
「当分帰してあげられないけど、連絡しないといけない人はいるか?」
頭がバカになったオレにも分かるように、もう一度聞いてくれた。え、帰してもらえないの?なんて最高なんだ。嬉しい。
でも、ケイトがオレの事を考えて聞いてくれているんだから、って蕩けた頭でちゃんと考えようとしたらほんの僅かに理性が戻ってきた。
「あっ、メイ!」
「メイ?」
あれっケイト怒っちゃった?どうして?かっこいい眉毛がつり上がってる。怖い顔だ。でもかっこいい。
「家族か?」
「ううん、家族みたいだけど大切な人」
ちゃんと説明したのに余計に怒らせちゃったかも。しかめっ面になってる。あぁ、オレの番は、しかめっ面でもかっこいい。
「あのね、オレ家族いないんだけど、幼なじみのメイがいろいろ精神的に支えてくれたんだ」
今度こそ、オレちゃんと説明できたよね?
あれれ?すごく苛立ってる感じ?
「くそっ」
そう悪態をついて、オレをまた抱きしめた。
「これからは俺がずっとそばにいるからな」
「うんケイト、大好き」
うがが、って変な声を出して、ケイトが頭を抱えた。
「とにかくメイとやらに電話しろ。途中で代わる」
熱い息を吐き出しながら頷く。
「リン、自分でそこまで出来るな?」
甘やかな顔で頭を撫でられながら言われて、ゾクゾクする。
ここで久しぶりにスマホを取り出してみると、メイからメールやら着信やら、たくさん来ていた。心配かけちゃったな。
特別講義どうしたんだろ、と思いつつ、電話をかけた。メイは直ぐにでた。
『リン!リンなの?!今どこ!何があったの?!』
矢継ぎ早に質問が飛んできた。
「メイごめん。オレの運命が居て、今一緒に居る、これから何処かに連れて行ってくれるって」
『はあ?何言ってんの!本当に運命なの?!』
「運命でまちがっ」
そこでケイトがオレのスマホを取って話しだした。
「俺はシノミヤケイトだ。リンは今発情期に入ったみたいだから、俺のマンションで二人で過ごす。だからリンの事は心配しなくていい。これからは俺に全て任せろ」
『ちょっと待ちなさい。リンは今まで一度も発情期が来なかったのよ。そんな言い分、聞けるわけない。とにかく一度会わせて』
「ダメだ。今のリンを俺以外に見せる気はない」
『………。じゃあ絶対にリンのネックガードは外さないで。私と会ってからじゃないと番になんてさせない。それが耐えられないなら、リンを帰して』
「なかなか厳しい事いうね。出来ればキミとは今後仲良くやっていきたいんだが」
『あなた次第よ。リンに代わって』
オレは、思いっきり拗ねていた。なんでケイトはメイと仲良くしようとしてるの?
「メイ、心配かけてごめん」
『リン、まだシノミヤさんを信頼してはだめよ!』
「うん」
『また絶対連絡してね』
「うん」
運命が現れたって、絶対に信用しない。
オレとメイの共通認識として、お互い何回も確かめあった事だ。オレとメイの絆の根底にあるものだ。なんだか目が覚めた。
「メイありがとう、また絶対連絡するから」
そう言って、電話を切った。
ケイトを見ると、ニコニコと口元を緩めてこちらを見ていた。目が覚めた心地のオレは、少し疑いを含んだ目になっているかもしれない。
「リン、さっきのヤキモチか?やばい、俺の番が可愛すぎる。悶え殺す気か。早く自分のフィールドに連れていかないと。フェロモンも安定していない」
ケイトは、オレの手を握った。
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